■『エリザベート』への道 2012 第17回■
4月24日、『エリザベート』稽古場見学会が開かれました。
奇しくもこの日は、エリザベートと皇帝フランツ・ヨーゼフが、ウィーンのアウグスティーナ教会で結婚式をあげた日でした。
4月24日、『エリザベート』稽古場見学会が開かれました。
奇しくもこの日は、エリザベートと皇帝フランツ・ヨーゼフが、ウィーンのアウグスティーナ教会で結婚式をあげた日でした。
この見学会はマスコミのほか、チケット購入者の中から抽選で選ばれた一般のお客さまも稽古場に来場。
まずはルキーニ役の高嶋政宏さんと、アンサンブルの皆さんによる『ミルク』からスタート。
ミルクすら買えない民衆たちが、エリザベートがミルク風呂に入っていることを知り怒りを爆発させるというナンバー。ハプスブルク帝国が統治している世界が、斜陽へ向かっていることを象徴するシーンです。
高嶋さんは東宝版『エリザベート』初演からシングルキャストでルキーニを演じていますが、「2000年に小池先生に声を掛けてもらったとき、最初は断ったんです。でもそのあと、ワインバーで小池先生と天使と悪魔の話を4・5時間して酔っ払ったところで"それでルキーニは" "あぁ、やりますよ"と軽い感じで引き受けてしまった」という裏話も!
ほかにも、前回、舌を緑色に塗っていたのは、プロローグから始まり、舞台が進んでいくと、登場人物が全員死者であるということを観客が忘れてしまうんじゃないかと思って"僕たちはゾンビだ、これは生きている人は誰も出ていないミュージカルなんだ"ということを言いたくて塗っていた...というようなお話も。
高嶋さん、「こんなに二酸化炭素が充満しているところでお稽古しているんですよ~」等々、お客さんにも積極的に声をかけていて、稽古場を盛り上げていらっしゃいました。
お次はマテ・カマラスさんのトートと、加藤清史郎くんの少年ルドルフで『ママ、何処なの?』。
まだ幼い皇太子が、自分は皇太子であるという自覚の一方で母親の愛情を求めて寂しがる、というシーン。ルドルフの孤独な魂と、そこにつけこむトートの姿を描くナンバーです。
曲が始まる前、緊張するぅ!というような表情の清史郎くん。
マテさんは、さらに日本語が滑らかになっています!
歌い終わって、やったね!と抱き合うマテさんと清史郎くん。
『レ・ミゼラブル』ガブローシュ役では元気に駆け回るタイプの少年を演じていた清史郎くん、この日は高く澄んだ声で皇太子ルドルフを見事に演じていました。
そんな清史郎くんは、今現在の自分のルドルフは「80...90...。うーん、83点とかそのくらい(ここでマテさんから「ナゼ!?」のツッコミが)。まだ目標には全然達していないので、あとほんのちょっとの時間ですが頑張りたいです」とコメント。一方マテさんは「僕は自分の日本語は47点(笑)。本当に努力して頑張っていますので、毎日毎日よくなっていると確信しています」と話し、「(キャストが)どんな組み合わせになろうと本当に素晴らしい公演になると思います」と全体のアピールも。
3曲目は、瀬奈じゅんさんのエリザベート、岡田浩暉さんのフランツで『夜のボート』。
晩年の皇帝夫妻のすれ違いを歌う切ないナンバーです。
初参加の岡田さんは「稽古場は本当に"出来上がっている"かんじです。その稽古場と、『エリザベート』という大きな作品に胸をかりるつもりで過ごしています」。
瀬奈さんは「前回は本当に初めてのことばかりでいっぱいいっぱいで、表現したくてできなかったことや悔しい思いがたくさんあったので、それを克服したい。それに孤高さやストイックさが足りなかったと思うので、そこを強めに出していきたい」と2回目の挑戦ならではの意気込みを。また岡田さんは瀬奈さんと春野さんが仲が良い、という話をし「すごく仲がいい上に、ふたりとも似ている。双子みたい。見ていて幸せになります」と話していました。
長くなりそうなのでいったんこの辺で。
続きます!
公演は、5月9日(水)から6月27日(水)まで東京・帝国劇場にて。チケットは発売中。売り切れ日も増えてきています、お早めに!
その後7月に福岡・博多座、8月に愛知・中日劇場、9月に大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも上演されます。
ちなみに、ウィーン初演から20年目の『エリザベート』、今年は本場ウィーンでも上演が予定されていますが、そのキャスト発表が本日18:30(日本時間)からLIVESTREAMであるそうです!