舞台のウラ話from キャラメルボックス東北応援無料ツアー vol.07

宮城県・南三陸町の公演をレポート!

10月12日、東北応援無料ツアー6日目! 昨夜、というか今日の未明に会場の「南三陸ホテル観洋」に到着した一行は、束の間の休息をとって、朝早くから舞台の準備にかかります。というのも、今日の会場は、なんと談話室「竜宮」! 夜はクラブラウンジとして営業しているスペースなのです。劇場やホールではない空間で上演するのはキャラメルボックス初! ということで、舞台装置はもちろん、音響や照明のオペレーションは、なんとバーカウンターの中! 前代未聞の状況下で、俳優たちも今までの立ち位置などを変えなければならず、演出も兼任する大内くんを中心に細かい確認が進められていきます。

minamisanriku007_350.jpg南三陸町はご存知のとおり、先の震災で壊滅的な被害を受けました......。海辺に位置するこのホテルも周りの道路が全て壊れて一時は孤立状態になるなど、大きな被害がありましたが、スタッフの献身的な努力と全国各地からの大きな支援によって、営業を再開されました。今でもボランティアの方の宿泊を受け入れている中、東北応援の宿泊プランでやってきている観光客の方も多く見受けられました。建物の外は広大な海が広がり、ホテルが少しずつ元気になっているのがわかるのか、カモメも集まってきて至近距離で観察することができます。ホテルや談話室の外にもおなじみの『賢治島探検記』の幟(のぼり)が並び、温井さんが大漁旗のように振っています(笑)。

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地元の方でも車がなければアクセスが難しい場所柄ゆえ、お客様がどれぐらい集まるのか......。少しでもできることを!と製作総指揮の加藤さんは南三陸町の災害ラジオ・FMみなさんに緊急生出演することに。そこで今日の公演を知った方もいらっしゃったようで、開場時刻には入場待ちの列が! お客様同士は顔見知り の方も多いご様子で、開演前はそれこそ「談話室」の名前がぴったりな歓談モードに。ボランティアとして活躍する方やご年配の方が多く見受けられました。

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前説で畑中くんが「今日はここでしか観ることのできない『賢治島探検記』をお送りします」と言ったように、芝居の中味もだいぶ調整したのでしょう。また、 お客様の大半は生で演劇を観るのが初めてのようで、お互いに手探りな感じでスタートかと思いきや、坂口教授の第一声で談話室は一気に演劇空間に変わりまし た。正直言って、収容人数は他の会場よりもだいぶ少ないのですが、終演後の拍手の音はいつも以上に大きかった、これは地元の方々に一行の演劇の力が届いた 何よりの証だと言えましょう。

minamisanriku046_350.jpgそして、お帰りになるお客様にホテルから「堂島ロール」が振る舞われました(何故に「堂島ロール」?笑)。舞台で笑い、涙し、美味しいお菓子に舌づつみを 打って、いろいろなことを抱えなければならない方達にとって少しでも気分転換になったそんな昼下がりだったのではないかと思いました。

minamisanriku049_350.jpgいよいよ宮城県を後にし、残すはあと一日! 一行は明日、福島県いわき市の大千秋楽に向かいます。

取材・文:本田裕一郎

ツアーの詳細はコチラ



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