ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』稽古場レポート

●ヒラノの演劇徒然草●

今秋上演されるミュージカル『ロミオ&ジュリエット』
シェイクスピアの古典的名作をもとに2001年にフランスで初演され、その後各地で上演、全世界で500万人以上を動員する大ヒット作となっている作品です。
日本初演は2010年の宝塚歌劇団星組。こちらも大好評となりましたが、その演出を手がけた小池修一郎の手によって、ついに日本オリジナルバージョンが登場します。

ロミオ役に城田優山崎育三郎
ほか、ジュリエット役にともにこれがデビューとなる昆夏美フランク莉奈が抜擢されたのをはじめ、ティボルト役の上原理生と平方元基、マーキューシオ役の良知真次と石井一彰など、若いキャストで今までにないフレッシュな『ロミオ&ジュリエット』になりそうです。

そんな『ロミオ&ジュリエット』カンパニーは現在、開幕に向けて絶賛稽古中。
8月某日、その稽古場に伺わせていただきました。
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この日の最初に行っていた稽古は、2幕、"あの悲劇"が起こった後のキャピュレット家のシーン。
ジュリエットは自分はロミオの妻だと主張しますが、父と母は甥のティボルトを殺したロミオを敵と呼び、ジュリエットとパリス伯爵の結婚を強引に決めます。

昆さんジュリエットバージョンと...

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フランクさんジュリエットバージョン。
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小池先生の緻密な演出は、絶望したジュリエットの膝の付き方にまで及びます。
力が抜けたように、でも"ドン"と落ちない、というのがなかなか難しいらしく、乳母役の未来優希さんが「筋肉をちゃんと自分で制御しないとね」とフランクさんに助け舟を出してあげていました。
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親子の対立の後、ジュリエットパパ・キャピュレット卿は娘への思いをこめ「娘よ」というナンバーを歌います。
キャピュレット卿は、石川禅さん。
ミュージカル百戦錬磨の石川さん、稽古場の時点ですでにすごく深い歌声です...。うっとりします。
石川さんが歌い終わったところで、城田さんから拍手が。
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涼風真世さん扮するジュリエットママ・キャピュレット夫人もクールで素敵でした。親子の間で緊張感がビシビシ走ってました。


また稽古場ではこんなことも。
「ティボルトを殺したモンタギューは許せない!」「マーキューシオを殺したキャピュレットに報復を!」
というセリフを、小池先生はダンサーの皆さんを集めて、順に読ませていきます。
即席オーディション、とでも言いましょうか。
ほぼ、一発勝負!
「なかなかいいねえ~」などと言いながら、あっという間に誰が何を言うのかが決まっていきました。
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そんな中、まだお稽古の出番が来ていないWロミオは、「世界の王」のナンバーのダンスを自主練習。
このナンバー、本国フランスでは長らくシングルチャートの上位にランクインしていた大ヒット曲。
ロミオ、ベンヴォーリオ、マーキューシオを中心としたモンタギュー家の若者たちが軽快に歌うシーンです。
今回の演出バージョンでも、なかなかに激しいダンスナンバーになっているようで、最初は軽く口ずさみながら振りの確認をしていた城田さんと山崎さんですが、途中から振付のTETSUHARUさんも入り、真剣なダンスレッスンになっていました。

shirotayamazaki226.JPGshirotayamazaki236.JPG「型は合ってるんだけど、ちょっとしたところで全然かわってくるよ」とTETSUHARUさん。
その言葉どおり、微妙な手の向き、体重のかけ方、緩急などに新発見があったらしいWロミオ。
途中からこの稽古を眺めていたベンヴォーリオ役・浦井健治さんに
「ベンちゃん(←って呼んでました)も一緒にやったほうが良かったよ! ココ、こうじゃなくて、こうなんだって!ココも、こうじゃなくて、こうなんだって!」と報告する城田さん&山崎さん。
しかし浦井さんに「うん、知ってた。...あ、それは知らない。それは知ってる...」と冷静に返され、悔しがっていました(笑)。
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ちなみにWロミオはとても気さくで、稽古場のムードメイカーのようです。
この時も、カメラを向ける取材陣に山崎さんが「うちの城田、写真NGなんですよ~ごめんなさいね~」。
城田さんも「すみません、山崎育三郎だけ撮ってやってください」、そして「城田の方は、目の部分に黒い線入れておいてもらえますか~」と山崎さん。
...それはちょっと違います(笑)。
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さて、そんなWロミオですが切り替えはもちろんバシっと、稽古に合流するとこんな真剣な眼差しに。
ヴェローナを追放されたロミオが、マントヴァに行くシーンですが......
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yamazaki83.JPGyamazaki74.JPGここは随分目新しい演出が入るようで、詳細は本番までのお楽しみ!
お写真のみお楽しみください。


最後にWジュリエットのサービスショットを。
Juliet77.JPGお写真撮らせてもらっていいですか?と訊いたら、「えっ!逆に私たちなんかでいいんですかっ!?」と初々しい反応!かっ、可愛い...。
ロミオじゃなくても、恋に落ちてしまいそうです...。
そんな昆さんとフランクさん、お稽古場ではお隣に座り、休憩中もふたりで小さな声で歌の確認をしていたり、たまにクスクス笑ったり、仲良さそう。
お稽古も、後で見返すのでしょう、録画していたり、出番じゃないときはイヤホンで音楽の確認をしていたりと、とてもまじめな姿勢が印象的でした。
すごく、応援したくなるジュリエットさんたちです!

公演は9月7日(水)から10月2日(日)に東京・赤坂ACTシアター、10月8日(土)から20日(木)に大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。チケットは発売中です...が残席わずかです、ご注意を!

ちなみに製作発表会見のレポートはこちら

取材・文・撮影:平野祥恵

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