ニュースでもお伝えいたしましたが、先週、ミュージカル『ボニー&クライド』の製作発表が行われました。
伝説のギャング・カップル、ボニーとクライドの人生を綴るミュージカル。
ボニー&クライドといえば、映画『俺たちに明日はない』で有名ですが、今回はその映画の舞台化ではなく、実在したボニー&クライドの人生から舞台化します。
作曲は、日本でも『ジキル&ハイド』『スカーレット・ピンパーネル』などでよく知られているフランク・ワイルドホーン。
2009年にトライアウトとして初演されましたが、今冬・12月にはブロードウェイで開幕することが決まっている話題作。
その作品が、ブロードウェイ開幕の翌月である1月に、早くも日本版として上演されます。
そのワイルドホーンは
「私にとっては非常に特別なプロジェクトです。この映画『俺たちに明日はない』の作家が私の友人なんです。その作家がボニーとクライドをぜひミュージカルにしたいという熱望をもっていたので、何年も前にこの企画が立ち上がりました。そしてリサーチを重ねた結果、映画をそのままミュージカル化するのではなく、ふたりの実際の人生に立ち戻ってミュージカル化したいと思ったんです」
とそもそものきっかけを話してくれました。
また「この作品はアメリカ的というのみならずテキサス的。どの作品とも違う。ここにいる皆さんにとっても大きな挑戦になりますが、(濱田・田代の)おふたりの歌を聴いてすでにこの作品についての予習をしてくださっているというのがわかったので、とても楽しみ」
と期待を語っていました。
演出は、田尾下哲。「ミュージカルの仕事はほとんど経験がないのですが...」とのことですが、数々のオペラ演出をはじめ、歌舞伎座の『野田版 愛陀姫』や映画『CASSHERN』など、ジャンルを超えて携わり、その手腕は高く評価されています。
「この作品は21世紀の我々の胸にも突き刺さる作品。アメリカの大恐慌時代が舞台になっていますが、我々もいま震災があり、経済的な困難があり、という中でこの作品を上演する意味はすごく大きいと思います」とコメント。
そして、ボニー役は劇団四季で数々のヒロインを演じてきた、濱田めぐみ。圧倒的な歌唱力で劇世界に引き込む力のある、とても素敵な女優さんです。
劇団四季退団後、これが第一作目となります。
「今年、地球上で災害やらいろんなことが起こっていて、全世界が地球が一丸となって前に進むべきタイミングなんだなとすごく思っています。自分にとってもこれは新しい創造に向かっての第一歩、いろいろなものから次のステップにチャレンジしようと思って足を踏み出しました。皆様と力をあわせていい舞台にしていきたい」とご挨拶。
またボニーについては「彼女の中にある情熱というものが、すごく自分の中にあるものと響いた。私もひとりで田舎から飛び出てきたので、その部分はすごく似ているところがあります」と話していました。
クライド役には、田代万里生。
「自分の役名が作品のタイトルになっている責任を強く感じます。伝説のギャングということで、自分の中に今までなかった面を一から創り上げていきたいなと思います。ワイルドホーンさんの作品はたくさんありますが、この『ボニー&クライド』がベストミュージカルになるように創り上げていきたい」とコメント。
クライドに関しては「映画のイメージがすごく強く、ワイルドで強くて大人で...と思っていましたが、実際本人たちの写真みたり書籍を読むと、一見インドアな印象。クールなカッコよさを感じました。それを濱田さんと一緒に作り出せたら」
とのことです。田代さん、育ちの良さそうな役が多いイメージなので、今までとは違う"クールなカッコよさ"、楽しみですね。
また初共演の濱田さんと田代さん、お互いの印象は
「万里生君は、はじめてセッションしたときにはもう、彼の中に私がイメージしていたボニー&クライドの芯の部分があって、クライド的な強さが見えました。年齢は置いておいて(笑)、器が大きくてリードしていってくれるような男性だなと思ったので、頼りながら助けてもらいながらやろうと思います」(濱田)、
「お稽古でも、濱田さんの素敵な歌をずーっと聴いていたくなって、歌うのを忘れちゃうくらい。ボニーでしか見えないし、日に日にボニーになっていくような気がします」(田代)
と話していました。
濱田さんと田代さんは、この日、劇中歌2曲を披露したのですが、歌唱力抜群なふたりなだけあって、聴き応え十分!
そして音楽は非常にジャジーで、アメリカン!
確かに今までのワイルドホーン作品とはちょっと違った印象で、公演が楽しみになりました。
ほかに、岡田浩暉、白羽ゆり、藤岡正明、岸祐二、つのだ☆ひろ、戸井勝海、池田有希子、木場勝己らが出演。
公演は1月8日(日)から22日(日)に東京・青山劇場にて。チケットは9月17日(土)に一般発売開始です。その後大阪・新歌舞伎座での公演もあります。