☆かねこのぶろぐ☆
コクーン歌舞伎って結構クセになる芝居じゃないかしら?と勝手に思っています。
なぜそう思うのかと言うと、歌舞伎で知っている演目のはずなのに、コクーンで観るとまるで初めて観た芝居のような、不思議な感覚になることが結構あるんですよね。
そうすると、ぐるぐると頭で考えたり新しい感情がドドドっと押し寄せてきて、観終わった後にやや放心状態になってしまう。
で、また見たくなる。
もうひとつ、
演出の中に串田監督の解釈が加わるから、演じている役者も(おそらく)回を重ねるごとに昨日までと違う発見があると思うのです。
すると、昨日よりも今日、今日よりも明日とどんどん進化していくんじゃないかしらと。
で、口コミが気になったりしているうちに、気がついたらまた見たくなっちゃう。
ね?クセになる要素があるでしょ。
と前置きばかりが長くなりましたが、私も早速観てきました。
さて、開幕前に目にするのは幕ですが、ここに描かれた絵が印象的でしたね。
串田監督を取材した時に、印象派の絵のような揺れる川面やまどろみの中見た夢、と言ったキーワードを教えてくれました。
序幕は、まさにこのイメージぴったり。
幻想的な雰囲気でした。
それにしても菊之助さんの美しい事!
ため息ものです。
小万の品のある美しさと音楽がまた合うんですよ。
そんな小万をいいように操る、悪〜い亭主役の勘太郎さんは小気味よく演じていて、対照的な二人の芝居が面白かったな。
橋之助さんは男気溢れる源五兵衛で、先月の「たいこどんどん」の役柄とは大違い。
三人が得意とする芝居を存分に魅せてくれます。
あと、セットと照明は普段の歌舞伎では思いつかないようなアイディアがいっぱいなので、この辺りも細かくチェックすると発見がありそうです。
例えば「四谷怪談」でお岩が住んでいたとされる家のこの色づかいにはどんな意味があるのかしら?とか、勝手な想像を膨らませたり。
個人的に一番気になっていたのは「五人切りの場」でしたね。
前回のコクーンとどう変えるのか?
これから観る方のお楽しみを奪っちゃいけないので、詳しくは書きませんが、串田さんらしい仕掛けがあって、監督の思い入れを感じる場面でした。
今回もっとも印象深かったのはラストの場面。
人それぞれの感じ方があると思います。
もしかしたら、開幕直後と千秋楽近くで観たら、また違った印象になるかもしれません。
串田監督の見せたかった世界をどう受け取るか。
やっぱりもう一回観に行っちゃおうかな(笑)
最後にオマケ!
これから観る方はラストの声をよ〜く聞いてくださいね。
そうです、あの方の声です。