はじめまして。岡崎藝術座という、妙にかたい名前の演劇団体の主宰(演出)をしている神里雄大といいます。
いま、『古いクーラー』という新作公演のリハーサルをすすめているところです。
11月のフェスティバル・トーキョーというイベントに参加するための作品です。
ぼくの団体は、演出家のぼくと制作者しかいないので、俳優さんはいつもフリーの人やほかの団体から来てもらっています。
それぞれの俳優さんが、違う演技への考え方やアプローチの方法を持っていますので、それが時には演出家としてたいへんですけれど、刺激的なアイデアを生み出すきっかけになって、とても活気のある現場になっています。
ぼくもぼくで、けっこう無遠慮なところがありますから、ほかから来てもらっている俳優さんに向かって時にはゲキを飛ばし、時にはアイデアを出せと迫ったりしています。
だから俳優さんはたいへんです。さん付けするのをやめます。
そんな無遠慮な人間が主宰する団体の新作上演までの道のりを、ほんの少しばかりではありますが、こちらで紹介していきたいと思っています。
今後は俳優にも書いてもらいます。みなさん、よろしくお願いします。
さて、まもなく本公演にさきがけてプレビュー公演が早稲田大学で上演されます(10月7日)。
今回は作品をみっちり作るため、普段の倍の時間をかけています。
プレビュー公演はその途中報告というか、こういう作品をいま煮詰めていますという紹介のための公演です。
僕はいま、俳優により厳しくゲキを飛ばし、アイデアを要求しているところです。
しかし、いくらリハーサルでさまざまなことに神経をめぐらせても、演劇作品はお客さんに見せたときに初めて実態を明かします。だから、このプレビュー公演はとても重要な意味を持っています。
お客さんに作品つくりに参加してもらう、ということです。みなさんもぜひ、参加していただければうれしいです。プレビュー公演の観劇方法は劇団WEBサイトを見てみてください。
作品のことについて触れようと思っていたのですが、どうも僕は長く書いてしまう癖があるようなので、次回にしようと思います。
次回またよろしくお願いします。
【岡崎藝術座プロフィール】
2003年4月に結成。神里雄大の主宰する劇団。
座長は岡崎誠二、現在地元登戸で不動産屋をやっている。
劇団名の由来は、結成当時神里が岡崎に借金していたため。
ほぼ素舞台同然のなか、俳優の身体表現と言葉で上演空間を溢れさせる。
【神里雄大プロフィール】
演出家・作家/岡崎藝術座・鰰[hatahata] 主宰
1982年ペルー共和国リマ市生まれ
2003年「岡崎藝術座」結成
2006年『しっぽをつかまれた欲望』(作:パブロ=ピカソ)で利賀演出家コンクール最優秀演出家賞受賞
2009年『ヘアカットさん』が第54回岸田國士戯曲賞最終候補作品ノミネート
ペルー出身川崎育ちの神里による演出は、ラテンアメリカを思わせるダイナミックかつフランクな言葉づかい、"身体づかい"と、ニュータウンの神経質さが混ざり合う。
2009年より白神ももこ(振付家・ダンサー)と、新ユニット"鰰[hatahata]"を結成した。
そのほか外部演出も多数。
【F/T公募プログラム】
岡崎藝術座「古いクーラー」
11月19日(金)~28(日) シアターグリーン BIG TREE THEATER
フェスティバル/トーキョー(F/T)公式サイト内「岡崎藝術座」公演詳細ページ