さいたまゴールド・シアター『聖地』舞台ウラ話 From制作 原口

松井周が最新作を2作同時上演!!
サンプル「自慢の息子」×さいたまゴールド・シアター「聖地」

■稽古初日■

はじめまして、彩の国さいたま芸術劇場制作の原口です。
サンプル『自慢の息子』の開幕前日、さいたまでは同じく松井周さんの新作『聖地』がさいたまゴールド・シアター第4回公演として幕を開けます。さいたまゴールド・シアターは、2006年4月に発足した蜷川幸雄率いる55歳以上の劇団員42名からなる高齢者演劇集団です。これまでに岩松了氏、ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏の書き下ろしに挑み、人生経験を重ねた彼らならではの迫力ある演技に注目が高まっているゴールド・シアター。第4回公演では、これまででもっとも若い気鋭の劇作家による書き下ろしが実現しました!

8月中旬の稽古初日。
本番を行う小ホールには、平均年齢71歳のさいたまゴールド・シアター団員が朝早くから続々と集まってきます。演出の蜷川幸雄が席に着き、緊張感が高まる中、作家の松井周さんが登場。

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今回の作品『聖地』は近未来の老人ホームが舞台。老人ホームで謎の死を遂げたアイドル歌手の元ファンクラブのメンバーたちが、彼女が入所していた老人ホームを乗っ取り、そこを『聖地』とする、という異色の物語です。

ゴールド・シアター団員らにとって、自分自身と切っても切れないテーマの本作ですが、親子ほどの年齢差がある松井さんが描く"老い"をどう表現するか、また、慣れない台詞まわしにとまどう彼らを前に、蜷川幸雄がこんな提案をします。

「松井さん、作者本読みってやったことある?」

作者本読みとは、台本をはじめから終わりまで作者自身が声に出して読むこと。

言葉のニュアンスや読み方、作者がもっているイメージを共有するために提案をしながらも、
「ドキドキして死んじゃうならいいけど」と蜷川。

対して松井さん、「......あの...やります!」

ゴールド・シアター団員から拍手と歓声が起こります。

途中休憩をとりつつも3時間近く一人で台本を読んでくださった松井さんは「のどがカラカラです!」と笑いながら劇場をあとにされましたが、読み進めるうちに熱の高まった作者本読みで『聖地』の世界が一気に立体化し始めました。本当にありがとうございました!


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さて、この台本にゴールド・シアター団員それぞれの人生が重なり、それをどう蜷川が調理していくのか――目が離せません!

さいたまゴールド・シアター第4回公演「聖地」
2010年9月14日(火)~26日(日)彩の国さいたま芸術劇場・小ホール
作:松井周
演出:蜷川幸雄
出演:さいたまゴールド・シアター
チケット情報はこちら

サンプル「自慢の息子」
2010年9月15日~21日@アトリエヘリコプター
2010年9月25日~26日@精華小劇場
作・演出 松井周
出演 古舘寛治(サンプル・青年団)、古屋隆太(サンプル・青年団)、兵藤公美(青年団)、
奥田洋平(青年団)、野津あおい、羽場睦子
公式サイト
チケット情報はこちら

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