「洗練した作品として、お届けしたいです」――『ローズのジレンマ』村井良大インタビュー

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アメリカを代表する喜劇作家、ニール・サイモンの晩年の傑作『ローズのジレンマ』26()より東京・シアタークリエで上演される。大物女流作家ローズと、その恋人で同じく作家(ただし5年前にすでに亡くなっており"亡霊")のウォルシュ、ローズの助手アーリーン、そして売れない作家クランシー。登場人物はこの4人のみ。経済的に困窮しているローズのため、ウォルシュの未完の小説を完成させ発売しようという計画の顛末とは......

ニール・サイモンらしい、笑いとしゃれた会話の中に、じんわり人生の悲喜こもごもが浮かび上がる戯曲が、大地真央、別所哲也、神田沙也加、村井良大の出演で上演される。

小説を完成させるパートナーに選ばれた売れない作家クランシーに扮する村井良大に話を訊いた。

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◆ 村井良大 INTERVIEW ◆

―― まずは台本を読んだ感想からお伺いしたいです。

「難しいなと思ったのは、この物語はひとことで言うと何? と訊かれたら、なんて答えていいかわからないな、と。悲劇のような喜劇で、喜劇のような悲劇で......とぐるぐるしちゃう。ほぼワンシチュエーションの作品で、物語は、昔さまざまな賞を獲った大作家であるローズは最愛の恋人ウォルシュを亡くし、その亡霊が見えている。死んだウォルシュはローズがお金がないのを知っていて、なんとかまた新しく本を書いてほしい......つまり幸せになってほしいんですよね。そしてローズを支えるアーリーンがいて、僕の演じるクランシーは新しい本を書くためのゴーストライターみたいな感じでローズに呼ばれる。そこから話がどんどん膨らんでいきます。ですが、話が脱線脱線また脱線、みたいなことばかりで、しかもニール・サイモンらしいセリフ回しがあったりで、いったいこの舞台、どうやって見せていくんだろう、と僕も思っている状態です」

―― 手ごわそう?

「うーん、道筋が見えてくればスムーズにいく気はします。セットとかも手助けになると思うし。でもまだ(稽古も始まっておらず)わからないです()。あとローズのキャラクターが想像できてなくて、大作家らしい物言いもすれば、普通の価値観からくる発言もある。彼女がどういう人生を歩んできたのかが僕はまだ掴めていませんが、大地さんがローズをどう演じられるのか、今すごく興味があります。ただ、登場人物4人が4人とも変なやつばっかり、というのはありますね!」

―― どのようなところが""ですか?

「何考えてんの、って言動ばかり。ある意味人間味がある。一番まともなのはアーリーンかな。ローズも、お客さんからしたら"追いやすい"人なのですが、でも曲者。本当の気持ちはどこにあるの? という。そして人生において色々なものを見てきていないと出てこない台詞ばかり。女性の気品みたいなものがあって、大地さんはまさにお似合いなのではないでしょうか。でも、僕にローズ役が来たら難しくて「無理です」と即答しているような役柄ですよ()。」

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―― 村井さんが演じるのは売れない作家クランシーですね。

「はい。クランシーは、"今、手に入れたいもの"が明確で、比較的わかりやすい。一点集中型。髪はボサボサでヒゲも生えていて、ボロボロのスニーカーを履いていて、と見た目はすごくダメな感じで、ローズと並んだときの真逆のようなところが面白いんじゃないかなと思います。でも物書きとしての美学があるし、ちゃんとその仕事に対して愛情もある。才能のある人なんだと思います」

―― クランシーを作るにあたって、どんなところを手掛かりにしようと現時点で思っていますか。

「第一に必要なのはふてぶてしさかな。だらしなくて、田舎者っぽい感じもするけれど、遊んでいる雰囲気もあるし、だけど誠実さも見えるかも。不思議な人間ですね。どういう魅力なのかまだ僕もわかっていませんが、アーリーンがちょっと惹かれるような人物にはしなきゃいけないので。考えます()

―― やはり肝となるのはローズ。ローズを演じる大地真央さんの印象は?

「笑顔が素敵な方という印象です。凛としていらっしゃる。でも、ローズはすごく喋るので、その反対のイメージがある大地さんがどんな風になるのか楽しみです。あと......コメディもお好きなのかな、と思っております。つい先日も同じニールの『おかしな二人』をやられてましたしね!」

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―― 共演のお三方、皆さん初共演でしょうか。

「はい。神田さんとはご挨拶をさせていただいたことはあるのですが、共演自体は初です。皆さんがどういう風に役を作っているのか楽しみです。会話だけで魅せる物語ですから、しかもしゃれた言い回しなどもあって、4人が4人、ちゃんと色々なことをわかっていないと難しいと思うんです。たぶん、それぞれの思い描くローズ像、ウォルシュ像、アーリーン像をすり合わせていく作業になっていくんじゃないかな」

―― ニール・サイモンは日本でも人気がありますね。村井さんは初出演でしょうか。

「そうです。正直、僕はそんなにニール・サイモンに詳しくはないですが、やればやるほどハマっていく作品だなとも思いました。大人になればなるほど好きになる気がします。ちょっとおしゃれなチョコレートみたい。「やった、この美味しさがわかる!」みたいな」

―― コメディと言ってもおなかを抱えて笑うタイプではなく、笑いの奥に含蓄がある作品ですね。

「劇中に「嫌いじゃない」という台詞があるんですよ。それがなんか、真理だなと思っていて。「彼のことが好き」でも「いいわね」でもなくて「嫌いじゃない」。「......ってことは?」というような台詞が多いんです。そういうところを演者がかみ砕いてやらないと、と思っています。そういう、ストレートに言わないところ含め、この作品は台詞の端々に「うん、わかるなぁ」という人生のヒントのようなものがたくさんあるんです。洗練したものとしてお届けしたい作品だなと思っています」

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取材・文:平野祥恵

撮影:源賀津己

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