劇団四季が上演しているミュージカル『ライオンキング』が12月20日、日本初演から21周年を迎えた。1998年12月20日に旧四季劇場[春]のこけら落とし公演として開幕以来、東京では日本演劇史上初の無期限ロングランを継続中(現在は四季劇場[夏]にて上演中)。観客動員数はのべ1260万人を超えるというから、日本人の約10人にひとりは観劇している計算になる。
作品はアフリカのサバンナを舞台にした、ライオンの子シンバの成長物語。"生命の連環"という深遠なテーマを内包する壮大なストーリーが、インドネシアの影絵や日本の歌舞伎・文楽などアジアの伝統芸能要素を盛り込んだ美術、アフリカンビートが力強い印象を残す楽曲で描かれていく。目にも耳にも刺さる独創的なミュージカルで、世代問わず幅広い層に受け入れられている、まさに"ミュージカルの王者"だ。
この日の公演では本編終了後、通常のカーテンコールが終わると舞台中央に<2019.12.20 ライオンキング21st ANNIVERSARY>と書かれた幕が登場。そしてスカー役の道口瑞之が前に進み出て「本日『ライオンキング』東京公演は21周年を迎えました」と客席に報告。続けて「1998年の開幕から21年、多くのお客さまに支えられ、日本演劇史上初の無期限ロングランを続けてまいりました。作品を愛してくださる皆様に、出演者、スタッフ一同心よりお礼申し上げます」と礼を述べる。
さらに「ここ四季劇場[夏]は、2021年に閉館することとなりました。『ライオンキング』は有明に誕生する新たな劇場へ移動し、更なるロングランを目指してまいります。今後ともより一層のご声援を賜りますようお願い申し上げます」と伝えた。
その後はキャスト全員で、劇中を代表する名曲『サークル・オブ・ライフ』を披露。シンバやムファサらが客席へ降り、観客のそばで手を振り大きな笑顔を見せながらの特別バージョンに、客席も嬉しそうな表情で聴き入っていた。
道口の挨拶にもあったように、現在上演中の大井町の四季劇場[夏]では2021年1月10日(日)にいったん千秋楽を迎えるが、その後4月には江東区有明に誕生する有明四季劇場で引続き上演される予定。日本演劇史の様々な記録を更新し続ける王者『ライオンキング』の独走は、まだまだ続きそうだ。
東京公演チケットは現在、2020年6月30日(火)公演分まで発売中。なお『ライオンキング』は福岡・キャナルシティ劇場でも上演中。こちらは2020年1月13日(月・祝)の千秋楽が決定しているので、お見逃しなく。
取材・文・撮影:平野祥恵
【公演情報】
●東京 積水ハウスミュージカルシアター 四季劇場[夏]
上演中~2020年6月30日(火)公演分まで発売中
●福岡 キャナルシティ劇場
上演中~2020年1月13日(月・祝)