舞台、声優など、ジャンルを問わずに活躍する女優、朴璐美(LAL)がプロデュースする演劇製作団体、「LAL STORY」。そのLAL STORYが現在上演している最新公演「さけび」の10月24日(木)以降の公演の追加座席の販売が決定した。
この公演は、10月17日より新宿はサンモールスタジオにて上演されているものである。
「ガラスの動物園」「欲望という名の電車」などの名作で知られるテネシー・ウィリアムズの作品でありながら、演劇ファンの間でもあまり知られておらず、また山路和弘(青年座)と朴という実力派の濃厚な二人芝居が堪能できるとあって、全公演完売となっていた。
開幕後も大胆な舞台美術と、観る者1人1人が異なる印象を持つその独創的な物語が話題となっている。
作品自体は1967年に書かれたものだが、他のテネシーの作品がそうであるように、その内容は決して古さを感じさせるものではない。
むしろ「中身が無い人間関係」が蔓延したこの現代に対し、テネシーが警鐘を鳴らすかのようなものになっており、この作品が50年以上も前に書かれたということは驚嘆に値する。
そしてこの作品こそが、当時のテネシー・ウィリアムズの心の奥底から溢れ出た、嘘偽りの無い魂の「さけび」だったのだろう。
テネシーが、苦悩しながらも心のままに書き綴った姿が目に浮かんでしまう物語、そして出演する2人の真に迫る演技を観て、そう感じずにはいられなかった。
また会場で配布されている当日パンフレットには、テネシー・ウィリアムズに関する年表が記載されており、これを読めば「さけび」の内容が一層感じ取れるようになっている。このようなちょっとした心遣いが、また観劇を一層楽しいものとさせてくれる。
何度観ても作品の新たな一面を知ることができ、今回も早めの完売が見込まれる。公演は27日(日)まで。購入はお早めに!!
《公演概要》
LAL STORY -sp- PRODUCE「さけび」
2019年10月17日(木)~27日(日) サンモールスタジオにて
作 : テネシー・ウィリアムズ
演出 : 東憲司(劇団桟敷童子)
出演 : 山路和弘 朴璐美