5人のイケメン&5人の美女たちが織り成す恋の駆け引き。
『ラヴズ・レイバーズ・ロスト -恋の骨折り損-』 が10月1日(火)に開幕します!
日本では『恋の骨折り損』として知られるシェイクスピアの戯曲ですが、このミュージカルは、演出の上田一豪さん曰く「シェイクスピアだってことはいったん忘れて、現代のぶっとんだコメディだと思って観に来てほしい」という、まったく新しい作品になっています。
出演も、村井良大、渡辺大輔、入野自由、大山真志、三浦涼介 という今をときめく若手イケメン俳優に、
沙央くらま、中別府葵、田村芽実、伊波杏樹、樋口日奈 という様々なジャンルで活躍する個性豊かな美女たち!
宣伝ビジュアルもオシャレでゴージャスな雰囲気ですよね。
9月某日、通し稽古を取材してきました。
演出の上田さんのコメントとともに、その様子をお届けします。
舞台はアメリカのとある高級リゾート地。
大学卒業後5年たち、その間放蕩生活を送っていた国王ファーディナンドと学友のビローン、デュメーン、ロンガヴィルですが、国王は「これから3年間は恋愛禁止、ひたすら勉学に身を捧げる」と誓いをたて、友人たちにもその勅令を出します。しかも「女性は我が宮殿の1マイル以内に近付いてはならない」とまで...!
だが隣国の王女が病の父王に代わり大使として国王に面会に来る約束になっていたため、この時だけ特例として許可が下りたものの、やってきた王女とその友人たちは、国王と学友たちとかつて恋心を抱きあった相手で...!?
「恋愛禁止」の誓いを立てた若者たちが、しかし押さえきれない恋心に振り回されてしまう、コミカルなストーリーです。
まず稽古場に入って抱いた感想は「若い!」。
休憩時間もすでに、熱気に溢れています。
上田さんによると「僕の稽古場、だいたいこんなかんじです。ワイワイ仲良くやってます(笑)」。
そして稽古場の2階部分にとっても気になるとある小道具が鎮座。この記事の写真にもチラリと写りこんだりしていますが、それは「残念ながら実際には使いません。(劇中で登場する)箱に入らなかったんですよ~」(上田)とのこと。とはいえ、ちょっぴり作品を象徴するような? 存在でもあります。
通し稽古の前には上田さんから「今日は "お風呂" もあります」といった説明が。
お風呂!
そう、このミュージカル、ある方の入浴シーンがあります!お楽しみに!!
さて、物語は前述のように、国王が学友たちと「恋愛禁止」の誓いを立てるところからはじまります。
煩悩断ち(?)する男子たち...。グラビア写真といったものから、PS4まで。若者が好きなものをボンボン箱にしまっています。
もっとも未練たらたらなのがビローン=村井良大さん。
国王から「じゃあいいよ、帰って」とまで言われてあわててとりなすビローン...。なんだかその気持ち、よくわかります(笑)。
↓ 男の子~!
国王は、三浦涼介さん。
国王として威厳を保ち勤勉であろうと律していますが、だからこそ、チラリと出てしまう俗っぽい感情が可愛らしい。
学友のデュメーン=渡辺大輔さん。
カッコいいんだけどちょっと思い込みも激しそうな(!?)チャーミングな男性。
渡辺さん、ソロナンバーも必聴です。
ものっすごいロングトーンを響かせていました。共演者からも歓声が起こってたほど!
同じく国王の学友ロンガヴィル=入野自由さん。
入野さんも、「男って......。。。」と思う可愛らしい男性を作り上げています。
ロンガヴィルのソロナンバーは、ザッツミュージカル!というような華やかなショーシーンになっています。
入野さんの見事なタップダンスも。
さて、ビローンにデュメーンにロンガヴィル......というキャラクター名で「あら? なんだ、そのまま『恋の骨折り損』なのね」と思いきや、登場人物たちがハンドマイクで熱唱しはじめました!
おお、ロックミュージカル!
上田「音楽はマイケル・フリードマン。ちょっとオフ系のロックミュージカルを作った人です。残念ながら数年前に若くして亡くなってしまいましたが、とても才能ある方で、この人は歌詞と曲を(両方)書く人なんです。だから音楽と言葉が有機的にマッチングした楽曲が多い。逆に言えば、それを日本語に置き換えるのはちょっと難しいことではあったのですが、キャストのみんなが頑張って歌いこなしてくれています!」
音楽、とても耳に残りますよ!
そんな、「女人禁制!」の誓いを立てた国王と学友たちですが、その誓いを立てる前にフランスの王女来訪の約束をしていたのです。
約束していたし外交だから仕方ない...。
ということで王女とその友人たちがやってきました。
フランス王女=中別府葵さん
品のある立ち姿、美しい王女さまです。
王女ご一行、華やか~で騒がしい、「パーティーピーポー」な雰囲気...。
美女だらけ...!!
王女の親友ロザライン=沙央くらまさん
仲間たちと騒いでいる中にも、ちょっと厭世的な面や思慮深さもみえたり...?
キャサリン=伊波杏樹さん
こちらは、ちょっと皮肉屋っぽい感じ?
マライア=樋口日奈さん
一番天真爛漫、というか、何も考えてなさそう(笑)?
しかし女の子たち、稽古着でもすでにゴージャス。
3年間は禁欲生活、といった誓いをたてていた国王たち、すわ女性の襲来だ! と身がえて応対すると、なんと、それぞれがそれぞれに、大学時代にちょっといいなーと思っていた相手だったから、さあ大変...!
さてもうひと組わけありのカップル?が...。
大山真志さん扮するアーマード。
彼も国王の大学時代の同窓生。お金持ちの留学生です。
ビローンたちのクールでイケてるグループに入りたい、認められたいと思っているようで...つまりまだその輪には入れてもらってないのですが(笑)。いるいる、こういう人~!
大山さんのアーマード、鼻につく金満家...が一周まわって、非常に可愛らしい男性に(笑)。
そのアーマード、とあるバーのメイドに恋しています。
ジャケネッタ=田村芽実さん。
ジャケネッタも、王女やロザラインたちおハイソ方面ではないですが、イケてる女性。
男たちを手のひらで転がしていそうな。
田村さん、多彩なダンスナンバー(フラメンコもカッコいい!)に、ソロ曲では情感たっぷりのバラードも。
そしてジャケネッタを思ってアーマードが歌う大山さんのナンバーは、笑いながらも頭から離れない、中毒性のある楽曲です。
彼らを取り巻く人々も個性たっぷり、そして見せ場もたっぷり!
アーマード(大山さん)の召使いのモス=石川新太さんは、主人をナナメに見るニヒルな若者、という感じが楽しいし、保安官ダル役の加藤潤一さんも歌にダンスに大忙し、王女たちの付き人のようにちょこまか動き回ってるボイエット=一色洋平さんの芸達者ぶりも必見だし、コスタード=遠山裕介さんのセクシーダイナマイトっぷりは目が離せないし、ベテランひのあらたさん&木村花代さんも抜群の安定感で物語を支えながらもハジケてます!
一瞬ですが木村花代さんの○○○○○ー○!? が通過したときは目が点になりましたよ...!
この、ユカイな人々にも注目です。
ひとたび誰かが歌えば、待機中の共演者もノリノリ!
さあ、そんな風に再会した4組のワケアリ男女+1組のカップル。
自分の思いを相手に伝えようと、こっそり(誓いをたてた手前、ほかのメンバーにバレないよう)手紙をしたためるのですが、その手紙がユカイな人々により取り違えがおきてしまい...!
とあるやりとりをこっそり覗き見する女性陣。そんな姿もかわゆいです。
「誓いをたてたのに!この手紙を!出したのは!誰ですかああ?」と言わんばかりのビローン。こういうときの村井さん、イキイキとしています(笑)。
物語はスピーディに展開し、約105分!
恋をしながらもお互いファイティングポーズをとっちゃうような男と女、上手く落ち着くところに落ち着くのでしょうか...?
上田「この作品はもともと、『シェイクスピア・イン・ザ・パーク』という、NYのセントラルパークで毎年夏に行われる無料公演のために作られた作品なんです。だから"一夜のお祭り"みたいに、なんでもありな感じに(原作から飛躍して)書き直されています。だからシェイクスピアだと構えてこられるとびっくりしちゃうと思います。逆に言えば、もともとのシェイクスピアのプロットはもっと複雑なんですが、ある意味細かい部分を端折ってしまっているので、わかりやすくなっている。本当は野外でやりたいくらいなんですがそうもいかないので(笑)、でも多少はその空気が出るように頑張っています。客席で落ち着いて一生懸命観るというよりは、くだけた感覚で観られるような、その感覚が上手く出ればいいなと思っています。
楽しくて夢のような時間がわーっとあって、最後にちょっとだけ「恋愛っていいな」って思えるほろ苦さがある。その苦さゆえに、「また劇場に、夢の世界に来よう」って思ってもらえたら嬉しい。自分たちには毎日の現実があり、その現実も感じながらも、キラキラとしたあたたかい気持ちを持って劇場をあとにしてもらえたら、一番いいなって思っています。そういう気持ちになる作品になったら成功かな」
▽ 何でしょうこの人たちは...。
取材・文:平野祥恵
撮影:吉原朱美
【公演情報】
10月1日(火)~25日(金) シアタークリエ(東京)