花總まり×愛希れいか×井上芳雄×古川雄大、2019年版『エリザベート』の"顔"が揃い意気込みを語った合同取材会レポート

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日本ミュージカル界屈指の人気作『エリザベート』
1992年にウィーンで初演され、日本では1996年に宝塚歌劇団雪組で初演、宝塚版と並行し2000年からは東宝製作版も繰り返し上演されている。
 
物語は19世紀末のウィーン、皇帝フランツ・ヨーゼフに嫁いだ美貌の皇妃エリザベートが主人公。しかし自由を愛する彼女にとって宮廷の暮らしは苦痛でしかない。そんなエリザベートを黄泉の帝王トート(死)も密かに愛し続けていた。だがその愛はハプスブルク帝国を破滅へと導いていく......。

東宝版は2015年に演出・ステージング・セットなどが大リニューアルをされた"新演出版"が登場、翌年の続演を経て今年2019年、約3年ぶりに上演される。

2019年版のキャストは、エリザベートに東宝版は2015年のリニューアルから出演、また宝塚版には1996年の日本初演時にも同役を演じていた花總まりが再び出演。
そして東宝版は初出演ながら2018年宝塚月組公演で同役を演じていた愛希れいかがタイトルロールを演じる。

トート役には、2000年東宝版のルドルフ役でデビューし、花總同様2015年のリニューアル版から同役を演じる井上芳雄が続投。
そして前回公演までそのルドルフ役を好演していた古川雄大が、トート役に初挑戦する。

4月、花總、愛希、井上、古川が揃っての取材会が開催された。
その模様をレポートする。1キメ_5973.JPG
 


花總まり
「エリザベート役を演じさせて頂きます。自分の中では(公演は)まだ先のような気がしていたのですが、こうして合同取材会をすると、いよいよ近づいてきたんだなというドキドキ感があり、そしてまた新たなメンバーで『エリザベート』を作るのですごくワクワクしています」2花總_6004.JPG

愛希れいか
「エリザベート役を務めさせて頂きます愛希れいかです。今は緊張の気持ちが大きいのですが、新しいことに挑戦できるという楽しみな気持ちと緊張が入り混じっております。精一杯頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」3愛希_6008.JPG

井上芳雄
「3回目のトート役をやらせて頂きます。またやれるってことは素直に嬉しいです。僕は初舞台が『エリザベート』のルドルフ役で、自分にとっては故郷のような、ホームのような作品。新たなメンバーも迎えて、年号も変わりましたし、新しい気持ちの新しい『エリザベート』をみんなで作っていけたら良いなと思います。昨今、ミュージカルブームと言われて久しいですが、その中でも日本のミュージカル界にとって『エリザベート』は独自の進化を遂げている大切な演目。もちろん今までのファンの方には楽しんで頂きたいですし、初めて『エリザベート』を観る方に、これが俺たちの『エリザベート』なんだというものをしっかりお見せしないといけないという責任感のようなものを感じています......『レ・ミゼラブル』には負けていられないなと。(場内、笑)......競う必要はないのですが(笑)! 『レ・ミゼラブル』と同じくらい、日本を代表する演目になっているので、しっかりとその責任、矜持を持ってやりたいなと思っています」4井上_6017.JPG

古川雄大
「僕は2012年にルドルフ役を演らせて頂いて、その時からこのトートという役にずっと憧れていました。ミュージカルをやっていく上で、死ぬまでにできたらいいなと思っていた役ですが、まさかこんなに早くチャンスを頂けるとは思っておらず、正直びっくりしています。できる限りのことをやって、今までにないトートを演じられたらと思います。芳雄さんがおっしゃったように『エリザベート』は日本を代表するミュージカル。僕の大好きな作品でもあるんですが、またこの作品に参加できる喜びがありつつ、今回はトート役ということで、緊張やプレッシャーや不安などに襲われてはいるのですが、芳雄さんとダブルキャストですので色々と勉強させて頂きながら、楽しみながら、稽古を乗り越えて本番に向かっていけたらと思っています」5古川_6021.JPG

── 現時点での役作りのプランを教えてください。花總さん、井上さんは再び演じるにあたって、今回考えていることがあれば。

花總「それは...秘密です(笑)。自分の中ではああしたいな、こうできたらな、というものは色々あるのですが、それが稽古中にどんどん変化していくかもしれませんし、本番が始まっても初日から千秋楽にかけて変化していくかもしれません。自分だけの楽しみと目標として、今は秘密としていただけたら」

井上「僕もまだ「こう」というのははっきり言えないのですが、いつも思うのはトートという役は "死" という概念なので、ある種とても哲学的なところも必要な役だなと感じています。それは簡単に答えが出るようなものではないのですが、"死" を描くということは、「どう生きたか?」を描くということだと思うので、登場人物たちが苦しんだり楽しんだりしながら、いきいきと人生を生きていく様子がお客さまに伝わるような死神であれたらと思います。それは今回(2019年版)で答えが出るというものでもないと思うのですが、そのテーマに関しては考え続けて今年もやりたいです」

愛希「私もこうしようああしようと想像ばかり膨らんでいて、稽古に入るまではわからないところがたくさんあるのですが。生きるエネルギーをしっかり持って頑張りたいです」

古川「僕もまだわかっていないところがあるのですが、観終わったときに(何かを)考えさせられるような "死" でありたい。死って人によって捉え方が違いますし、同じ人でもその日の感情や精神状態によって色々なものに見えるかもしれないし。その人が生み出しているものなのか、誰か対峙しているものが死に見えているのかとか、自分でも考えていくうちにちょっとわからなくなってきてしまっているのですが(笑)、そのシーンごとに色々な表情を見せられるトートを目指して、終わったときに「死って何なんだろう」と問いかけられるトートを目指したいです」2花總_6097.JPG

 

──愛希さんと古川さんは新キャストですが、それぞれ『エリザベート』には今までも縁が深いですね。今回の2019年版のオファーを受けられた時の気持ちはいかがでしたか?

愛希「『エリザベート』という作品の大ファンですので、作品に出演できるということがすごく嬉しかったのと、宝塚歌劇団に在団させて頂いていた時に演じさせてもらっているのですが、もう一度挑戦できるんだという気持ちでした。すごく愛されている作品ですので、責任があるな、頑張らなきゃなと思いました」

古川「僕は前回(2006年)のルドルフ役としての最後のカーテンコールの時に「ルドルフを卒業します」みたいなことを宣言したんですよ。しばらく『エリザベート』には出れないのかなと思っていたのですが、今回トートで、というお話を頂けて、ちょっと自分としては「わりと早くチャンスを頂けたな」という思いで、正直、すごくびっくりしています。ただ先ほども言いましたがプレッシャーや不安の方が大きいです」8愛希古川_6027.JPG

 
 
──『エリザベート』はシルヴェスター・リーヴァイさんが手掛けた音楽も大きな魅力のひとつ。好きな楽曲や挑戦するのが楽しみな楽曲があれば教えてください。

花總「『エリザベート』の歌は本当に全部大好きです。私は中でも、一番最初に亡霊たちが登場してくる曲(『我ら息絶えし者たち』)が大好きで、あの曲を聞くと出演者ながらゾゾゾと鳥肌が立つくらい好きです。あと...ぜんぶ大好きです(笑)」

愛希「私も全部大好きなのですが、中でも『パパみたいに』はエリザベートの少女の時代の全てを表わしている曲だなと思うので、そこが難しいのですが、好きです」

井上「思い入れは色々な曲にあるのですが、トートとしては『最後のダンス』というナンバーが代表的なナンバー。エリザベートはほとんど歌わず「やめて!」とか「イヤよ」とか言うだけで、エリザベート役の方を本当に振り回させてもらっています(笑)。僕、普段はできるだけ穏やかに、人に嫌われないようにして生きているのですが、トートとして『最後のダンス』を歌っている時だけは、自分の中にこんなにSっ気があったのかと(笑)。自分の中の暴力性、攻撃性みたいなものを出してもいいんだと言われるっていうのは、本当にこの仕事やっていて良かったなと思うので、今年も楽しみにしています」

古川「僕はトートの歌で言えば『最後のダンス』です。トートに憧れた理由のひとつでもあるんです、それくらい好きなナンバーですしすごく魅力的だなと思っています。あとは精神病院のシーンが僕は好きで、あの時の歌のメッセージ性とかにもグッときています」

 
 
── エリザベート役の花總さんと愛希さんに。同じ役を演じるおふたりですが、お互いに抱いている印象を教えてください。

花總「前回出演していた『マリー・アントワネット』を観に来てくださって、その時にエリザベートでご一緒させていただきますとご挨拶をさせて頂きました。その時はたぶん宝塚を退団された直後くらいで、やめたてほやほやの湯気が立っているかんじでしたね(笑)。なんですかね......本当に湯気が立っていました、はい(笑)。私にはもう湯気はない気がするので......それくらい、フレッシュさをすごく感じました。(愛希さんに向かって)すごかったよ、湯気が。今の今まで燃えていました!という感じの。この湯気は懐かしいな......と思いました」

愛希「お会いした時は本当に緊張していまして、だから湯気が立っていたんだと思います。私の印象は、宝塚時代も舞台を拝見させてもらっていたので、舞台の印象がすごく強くて、「お姫様」というイメージがどうしても強かった。でもお会いしてとても気さくに話しかけてくださって、明るくて笑顔が素敵な方という印象です」

花總「お姫様ではありませんでした?」

愛希「いえ!お姫様なのですが!雲の上の存在だと思っていたのですが」

花總「お互いそこですごく和気藹々とさせていただいたから」

愛希「そうなんです。嬉しかったです」6花總愛希_6083.JPG

 
 
──『エリザベート』と言えば演出の小池修一郎さんの存在が大きくありますが、『エリザベート』の現場だと小池先生ここが違うな......というようなエピソードなどがあれば教えてください。

井上「まず僕、今日この席に小池先生がいらっしゃると思っていたのでひと安心している(笑)......いい意味でですよ(笑)? あ、いらっしゃらないんだ、と。それくらい、いらっしゃって当たり前の方。もちろん『エリザベート』はウィーンで生まれたミュージカルなのですが、こと日本版『エリザベート』に関しては小池先生がずっと作り上げてきたと言っていい作品。でも、そんなに『エリザベート』だからほかとすごく違うということはないと思いますね。東宝版は特に何年かに1度、演出を変えてリニューアルしているのですが、何がすごいって、同じ作品をこんなに何パターンも演出しているということ。それに比べて宝塚版は初演からほとんど変えずにやられている。その棲み分けを先生の中でもたぶんされていると思いますし、今回の東宝版のバージョンは3回目なので、初めて作り直す時ほどではないと思うんです。やはり今まで自分が何パターンもやってきているものをまた新しく生み出すというのはとても大変なことなので、結構毎回小池先生も試行錯誤しながら、エネルギーを持ってやっていらっしゃるなという感じはします。だから『エリザベート』だからと言うより、毎回チャレンジしている人という印象です。もちろん作品全体をよく知っているので、『エリザベート』の演出を受けている時は、見渡せている、先が見えているなという感じはします。「どんなに一生懸命稽古場でやっていても、トートという役に関しては、舞台上にいってメイクと衣裳をつけて照明の中でやらないと最終的には完成しないよな」ということを仰っていて、その時稽古中だったのでよくわからなかったのですが、舞台上に行ってみて「あ、確かに!」と。なんて稽古場ではやりずらかったんだろうって。だからあまり稽古場ではすごいやりづらい、古川君はできるかもしれないけれど(笑)、稽古着でこう...(トートの動き)やるのはなかなか厳しいなと思ったし、小池先生もそれを見据えた上で演出してくださっているんだなと思いました」4井上_6058.JPG

古川「僕は小池先生とはたくさんご一緒させて頂いていて......というかほぼ、小池先生とご一緒なのですが。なんだろう......『エリザベート』だからということは僕もちょっとわかっていないくて、でも変わらずどの作品もすごい熱量を持って接してくださるなと思います。あと、新演出版、再演となっても変わらずに追求していく姿勢が素敵だなと思います」

花總「小池先生は、雨が降ろうが、風が吹こうが、何があろうが、小池先生は小池先生です(笑)。どの作品でも相手が誰でも、小池修一郎先生は、動きようがない」

井上「何か忘れられないエピソードとかないですか?」

花總「たくさんあります」

井上「言えないことが......墓場まで持ってくやつがほとんどだと思いますが(笑)」

花總「はいそうです(笑)。そうですね、色々だいぶ乗り越えましたけれども、それがすごいところだなと」

井上「よく伝わってないと思う(笑)! まあ言えないようなところがね」

花總「でも皆さまもよくご存知だと思います。小池修一郎先生は小池先生! いつまでも変わらない素晴らしい方だと。ですよ」

井上「最後よく着地したな(笑)。でもエネルギー量も落ちないですよね」

花總「ぜんぜん。ご本人は「もうダメだ、もうダメだ」とおっしゃっていますが、色々教えを受ける私たちからしたら、やっぱり小池先生だな!と言うところを、つついてきます」

井上「ちょっと丸くなったかなと思いきや、別の部分がすごく鋭どくなっていたり、油断できない方ですよね」

花總「そうです油断できない方です」

愛希「私も皆さんと同じ思いなのですけれども......」

井上「(今のうちに)言っちゃった方がいいですよ(笑)!」

花總「でも宝塚の演出家である小池先生と、宝塚の生徒としての私たちとの関係とは、ちょっと(外部だと)微妙に違う印象を私は受けました」

井上「たしかに! 宝塚OGの方に厳しい印象ある。東宝の稽古場で。やっぱりOGの方は教え子、生徒だってことで」

花總「私たちには何を言っても良い、みたいな(笑)」

愛希「厳しい?」

花總「たぶん一番この稽古中に「あれっ?」って思うことがあるかも」

井上「稽古場にくるのがイヤになっちゃいますよ愛希さん」

愛希「わりと宝塚時代もコテンパンな方だったので。どのくらい優しくなるのか...優しくなるんですかね?」

花總「いや違う違う...(笑)」

井上「むしろOGの人には違う厳しさを見せるという...いや(実際どうだか)わからないですけどね!」

愛希「わかりました、じゃあ、覚悟して...」

井上「でも古川君だって色々な目にあってるよね...色々な目って(笑)」。

古川「そう......ですね。小池先生の演出作品でなくても楽屋にきて、胸からダメ出しノートを取り出して、ダメ出しをしていただく......。でもそれが正しいことをおっしゃっているなと感じるので悔しいです(笑)。だから愛が深い。どこまでも」7花總井上_6048.JPG

 
 
──ロングラン公演で体調管理が大変だと思います。コンディションを整えるための方法は?

愛希「そうですね...器械体操をやりましょうか(笑)、エリザベートにちなんで。いや、やってないですしやる予定もないんですが(笑)。でもちゃんと体力をつけてのどのケアは大切にしていきたいと思います」3愛希_6093.JPG

古川「風邪をひかないように、ということを必死で気をつけています。特殊なところで言うと「鼻うがい」を毎日、1日2回やっています。風邪の8割は鼻からなんですって(へぇ~と会場から)」

井上「痛くないの? ひどい状態じゃないの?人様には見せられない感じ?」

古川「です(笑)。だから風呂でやります。でも鼻うがいをやって、減りましたね風邪をひくことが。あとは基本的な吸入をやって、のどと、風邪をひかないようにやっています」

井上「僕、基本的にトートをやっているあいだはすごく楽しくて。稽古場では落ち着かなくて辛いんですが(笑)、舞台に行っちゃえばこっちのもんだと楽しくやれていた気がします、今回はどうなるかわかりませんが(笑)。『エリザベート』をやっている時に思うのは、皆さんがご存知のように、この作品はエリザベートがタイトルロールで主役で、いかにこのおふたり(花總と愛希)が健康で気持ちよくエリザベート役をやってもらうかを気にはしていて。僕が何を出来ることでもないし、何をしているわけではないのですが。でもはたから見てもすごく大変な役だと思うんです。トートは全然そんなことなくて(笑)、ちょっと出て来てワッと歌えばなんかすごく印象深いねと言われて、一生トートをやってたいなと思うくらい良い役だなと僕は思っているのですが(笑)。エリザベートは前回までの花總さんを見ていても、全身全霊を捧げてやっていらっしゃるなという感じがして、気持ちの上ではサポート......「元気かな?」「大丈夫かな?」「こうしたらやりやすいかな?」と常に思っていることが、なんとなく役にもつながってくるのかな。あとは『エリザベート』は貸切公演が多いので、貸切の挨拶を頑張っています。今回もすごく貸切があると思うので頑張りたいです(笑)」

古川「挨拶ってトートがやるんですか?」

井上「いやエリザベートとトートふたりでやって、最後はエリザベート役の方がやるから、ちょっと(先に)温めてるみたいな感じ。それでギャラをもらってる(笑)」

花總「私は今までの傾向として頑張り過ぎてしまうところがあるので、今回はお稽古中から頑張り過ぎず、考えるのは稽古場だけ、夜寝る時にはすべて忘れるという思いで臨もうかなと思っています。どうも引きずってしまうと体調が悪くなってくるので、そこを今回ちゃんと切り替えていきたいです」

 
 
──今回初めて『エリザベート』を観る方に、おススメポイントを教えて下さい。

井上「魅力、たくさんあり過ぎて「これです」とズバッと言うのが難しいし、たぶん訊かれるたびに違うことを答えていると思うのですけれど......今思うのは、別世界というのか、僕たちが普段生きている日常とはぜんぜん違うということ。国も違うし時代も違う。エリザベートという人が今の時代の僕たちから見ても魅力的でエネルギッシュな人ですし、そこにトートという "死" 、実際には見えないものが加わって、ここにしかない世界が出来上がっていることがすごい。「ディズニーランドに行きたくなるな」と思うのと一緒で、ちょっと違うところに身を置きたい、それによってまたリフレッシュしてもとの生活に戻っていく。その、別世界を味わっていただくということがすごく素敵にできる作品なんじゃないかなと思っています」

花總「この作品は曲も大変素晴らしいし、本当に良くできている。でも決して幸せなお話ではなくて。実際にハプスブルク家最後の皇后がなんともいえない最期をむかえていくわけですけれど。その、けして幸せな人たちばかりではない、でも実際に生きられた方々の人間模様、それを観た私たちがものすごく色々なことを共感し、考えさせられ、逆に希望がもてたり、そういったすべてがこの『エリザベート』という作品には詰め込まれている。本当に「現実を忘れる」じゃないですがたった、3時間ですが、その何百倍も何千倍も感じることができる素晴らしい作品だと思います」

愛希「花總さんのおっしゃったようにけして幸せなお話ではない。ミュージカルを初めて観る方はハッピーミュージカルの方が観やすいかなと思うかもしれませんが、見終わった後この作品は、生きる勇気や、明日からも生きようと思えるエネルギーをもらえるので、ぜひ初めての方にも観て頂きたいです」

古川「美しさ、でしょうか。小池先生演出の美しい世界観。そして芳雄さんもおっしゃったように、トートが入ることでファンタジーの要素が入って、より美しくなる。曲もダークな中に美しい旋律があったりする。そういう美しい部分は『エリザベート』以外にほかにはない部分かなと思うので、そこが魅力です」

 
 
── みなさまお歌が上手いのですが、どうやったら歌が上手く歌えるようになれるのでしょうか

古川「音大に行く。......ですかね」

井上「いや、行ったってそんなに上手くない人はいっぱいいるからね(笑)?」

古川「そうなんですか(笑)? ええと、努力? わかんないです、僕もお三方に訊きたいです」

愛希「あの......私が訊きたいです、本当に。私も訊きたいです」

井上「この流れは......、この流れは...?フリじゃないからね!」

花總「良い流れだと思います(笑)。でもやっぱり、(藝大で)一番基礎を学ばれた方がこちらにいらっしゃるから(と井上に視線を送り...)。......歌は心です!」

井上「......いま3人の答えを聞いて頂いてわかるように、すごく難しいことなんですよね。どうやったら上手く歌えるのかって。身も蓋もないのですが、良い声帯を持っていれば良い声が出るので。実際に音大とかはそういう世界。良い楽器(声帯)を持っている人が神。でも普通に歌う分には、技術でいくらでも上手くなると思います。「三大テノール」みたいにはなれなかったとしても、声帯もスポーツと一緒、筋肉なので、腕を鍛えたり足を鍛えたりするように、喉の声帯を鍛えるやり方があって、鍛え続けていれば走るのが速くなるのと一緒ですね。あとは癖や力が入ってしまうのをとっていけば、広瀬香美さんのようになれます。ある程度までは技術でいかようにも上手くなれると思います......でも最後の最後は持って生まれたものですねぇ......。この話するといつも身も蓋もない感じになる...(苦笑)。でも「努力」というのは実際そうだと思います」

(今の答えで大丈夫か、と司会者に問われ)

井上「記事になる気がしないんですけど! 今の時間なんだったのかなみたいな空気が......なんでこんなに必死になってるのかな、答え損みたいになるのが悔しいな......! えーと、ミュージカルの特徴は、気持ち、言葉を歌にしているので、花總さんもおっしゃっていたけれど、思いを大切に、自分が感じたものに合った歌を歌う。『雨に唄えば』という有名なミュージカルは、あれは嬉しすぎて雨の中でもびしょびしょになって歌って踊っちゃうという、結構誰にでもある思いを具現化したものなので、そういう自分の気持ちに合ったものを歌うというのはどうでしょう!(花總に「せんぱい!」と振る)」

花總「まだ!? いやだから、歌は心で。はい(笑)。何よりも気持ちが大切だと思ってここまで乗り切ってきました。少々音が外れても気持ちさえあれば気にならない。と。思います......」

井上「なんだかどんどんドツボにハマってきた...」

花總「プラス、声帯も筋肉だから、日々の努力も必要だし。でも何よりも、型どおりの歌だけでは物足りないもの、じゃあなんだろう、心だなってところで、出来上がる。はい!」6花總愛希_6100.JPG

──井上さんと古川さんはルドルフ役を経てのトート役。同じ作品の中で違う役を演じる面白さと難しさは?

古川「僕はまだトートを演じていないのでなんとも言えないのですが......今まで(注意して)追っていなかったトートの譜面を追ったときに色々な発見がありました。こういうフレーズを歌っていたんだとか、新しい発見があって面白かったし、それを踏まえて台本を読んだら、より面白いなと思います。トートの存在が、ルドルフが生み出しているのであれば、そのルドルフの気持ちは(演じた経験で)わかっているので、そういった部分で膨らんでいくものもあるのかなと思います」5古川_6076.JPG

井上「僕はルドルフを卒業してから間があいてトートをやらせてもらったので、演出も変わっていましたし、同じ作品というより新しい作品に入らせて頂くという感じでした。でもよく知っている分緊張する。自分も(ルドルフの視線から)見ていて「ここが良いな」「トートってこうじゃなきゃ」「あの人はあそこが素敵だった」とかいう思いがあり過ぎて、逆に手を出しにくい感じはありましたが......。でも稽古をやっていくうちに自分なりのものを発見していくでしょうし、見える景色が単純に違いますので、同じ作品でも全然違う景色をみているんだな、というのは面白いところかな。難しいのはトートとルドルフって『闇が広がる』というデュエットがあるんですが、それがどっちに行けばいいのかわからなくなっちゃうんですね。ルドルフのところを歌いそうになって、実際何回か歌いそうになったことが本番中にもありました。「違う、俺はトートだ」と思うんだけれど。上下のハモリもバージョンによってどっちが上にいくかが違っていたり1回ずつ変わるとかもあってわけわからなくなる......というつらさはあると思います。気をつけてやりたいです(笑)。(自分がルドルフのパートを歌うと)ユニゾンになっちゃうからね」

 
 
──最後にメッセージを

古川「限られた時間ですが、できる限りのことをして、今までにない新しいものを目指して頑張りたいと思います。よろしくお願い致します」

井上「またやれることがとても嬉しいですし、皆さんご存知だと思いますがこうしてフランクに話させてもらっていますが、実は花總さんは日本で初めてエリザベート役を演じた方で、また今年もこの役をやるというのは実はすごいことだと思うんです。なので、一緒にやらせてもらえることをすごくありがたいと思います。前回のときに「レジェンド」と言い過ぎて、今回は別の呼び名を考えようと思っているんですが、まだ浮かんでいないんですけれども(笑)、一緒にやれることを無駄にしないように。また愛希さんという、きっとまた全然違う新しいエリザベートを迎えますので、トートとしてはふたりを支えて......最後に命を奪いますが(笑)、しっかり支えつつ、奪いつつ、最後までできる限り作品のテーマとは裏腹に、元気にやっていきたいなと思います」

愛希「本日は本当にありがとうございました。私もこの作品が大好きで出演できることを幸せに思います。素晴らしいキャストの皆さまと、そして花總さんとWキャストでやらせて頂けるということを本当に光栄に思うので、いっぱい学び、全力で取り組みたいと思います」

花總「最後にこんなに立てて頂いてありがとうございました(笑)。またこうして2019年もエリザベート役で出させて頂くというのは、ありがたいことなんだなと今本当につくづく実感致しました。1回1回を大切に心残りのないように、最後まで、素晴らしいキャストの方々と一緒に、2019年版の『エリザベート』を一生懸命作っていきたいと思います」1キメ_5983.JPG

 
取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)

 
【公演情報】
6月7日(金)~8月26日(月) 帝国劇場(東京)

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