松尾スズキ、新規プロジェクトで 立ち上げた「東京成人演劇部」について語る

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宣材写真©大橋仁.jpg

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令和元年。松尾スズキが新たなプロジェクトをスタートさせる。その名も「東京成人演劇部」。主宰する「大人計画」とは別に、「演劇部」を立ち上げるというのだ。第1弾は『命、ギガ長ス』を書き下ろし、出演するのは松尾安藤玉恵のみ。二人芝居で全国6都市を回る。期待を膨らませる松尾に、新規計画を語ってもらった。

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――昨年、「劇団を作ります。とりあえず一人で」という仮チラシが配られたときには、驚きました。新しい劇団を作るのですか?

劇団ではなく、「演劇部」です。大人計画は去年30周年だったんですが、劇団員もみんなそれぞれ忙しくて集まるのもままならず、もはや劇団と呼んでいいのか (笑)。大きな劇場でやることも増えて、ビジネスとして成立させなければいけないという責任も大きく、正直プレッシャーもありました。もっと小さなところで、劇団を立ち上げたころのような、ただ芝居ができるのが楽しかった感覚を思い出したいと思ったんです。

――それで、「東京成人演劇部」を立ち上げたのですか?

どういう形がいいか、いろいろ考えたのですが、部長として自分で責任がとれるように、僕個人で企画・プロデュースするのがいいかなと、演劇部を立ち上げることにしました。部員は、僕一人です。

――このプロジェクトの構想はかなり前からあったのですか?

そうですね。ずっと考えていて、具体的に形が固まってきたのは3年くらい前かな。うち(大人計画)の近藤公園と平岩紙が自主公演で二人芝居(2016年『あたま山心中〜散ル、散ル、満チル〜』)をやったり、ノゾエ征爾くんが、特別養護老人ホームで芝居をしたりしているのをみて、触発されたというのもあります。そういう根源的な演劇の楽しさを僕は忘れていたなと思ったんですね。

――それで、今回も二人芝居なんですね。

セットも美術も作らず、小道具もほとんど使わずに、呼ばれればどこへでも行って上演できるような、ポータブルな舞台にしたいと考えています。大人計画も立ち上げから数年間は、黒幕1枚でセットも組まずないでやっていました。衣装だけ用意して、着替えて別の人物を演じているつもりだったんだけど、演技力がなくて、お客さんには違う人物と認識されていなかったですね(笑)。

――今回、安藤玉恵さんをゲストに迎えられたのは?

安藤さんって演劇部っぽくないですか?(笑) 実際、早稲田大学演劇倶楽部出身だし。大人計画って意外と演劇部出身の人はいないんですよ。まるで演劇未経験か、どこかの養成所にいっていた人たちばかりの集まり。部活って、我を忘れて打ち込むイメージがあるじゃないですか。一緒になって舞台を楽しんでくれるんじゃないかと思っています。

――安藤さんとはNHK BSのドラマ『植物男子ベランダー』で共演されていました。

共演したのはその作品だけですね。連続テレビ小説『あまちゃん』にも出ていましたけど、同じシーンはなかった。ただ、狭い小劇場界なので、お互いの舞台を観たり、楽屋で挨拶などして、昔から知りあいではいました。いつどこで知り合ったのかは覚えていないけれど。舞台での共演は今回が初めてです。

――どんな物語になりそうですか?

認知症のお母さんと、ニートでアル中の息子の二人暮らしで、息子は働かず、お母さんの年金を切り崩しいるという共依存関係と、その親子をドキュメンタリー映像で撮ろうとしている映画学科の女子大生と、指導している大学教授。この4人が入り乱れるような話にしようかなと思っています。

――シンプルな舞台に俳優は二人だけ。演技に魅せられる舞台になりそうですね。

安藤さんも僕も、稽古では追い込まれると思います(笑)。でも、究極の芝居になる気がしています。これまでも二人芝居は作ってきたんですが、コントっぽいことが多かったので、今回は1本の物語で、濃縮したものができたらいいなと。いろんな俳優が繰り返し演じられるような戯曲にしたいんですよね。

――今回は地方公演も数多く予定されています。

旅公演もしたいなと思っていたんです。富山や北海道など、これまで舞台では行ったことのないところにも行きます。

――楽しみにしている地方はありますか?

北九州は地元なので、盛り上がってほしいですね。今年、「北九州市民文化賞」というのを睦A子先生と一緒にいただいたんですよ。だからというわけではないですが、頑張らないとと思っています(笑)。

――『命、ギガ長ス』というタイトルはどういうところから?

内容が深刻な問題に切り込みそうなので、タイトルくらいはふざけようかなと思ったんです。ネット用語にしても、ちょっと古いという。

――「命は長いなあ」と思いますか?

僕はいま56歳ですが、何歳まで働くんだろう? と考えると気が遠くなりますね。観たい海外ドラマが多すぎて、それを片端から観ているうちに人生が終わっちゃうんじゃないか(笑)。まだ『ウォーキング・デッド』にも手をつけてないので。

――「東京成人演劇部」は第2弾以降も続くのですか?

まず、第1弾をやってみてからですね。楽しければ、次もあるかな? 楽しくないことはやりたくないので。でも、東京成人演劇部をやって、自分の意識が変わるんじゃないかという期待はすごくあります。いまは、部員は僕一人だけれど、成功したら、部員を募集して、本格的な部活が始まるのかもしれません(笑)。

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ライター:黒瀬朋子
カメラマン:大橋仁
ヘアメイク:大和田一美
スタイリング:髙木阿友子

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