5月5日(土)、KAAT 神奈川芸術劇場 中スタジオにて、KAAT×サンプル「グッド・デス・バイブレーション考」が開幕しました。2010年『自慢の息子』で、第55回岸田國士戯曲賞を受賞するなど、現代の歪みを象徴する人々のエピソードをサンプルの様に呈示し、現代社会のあり様をありのままに受け止める作風で人気注目を集める松井周が演出をつとめます。また、12年振りの舞台出演となる女優の戸川純さんをキャストにむかえ、活躍目覚しい個性派の俳優たちとともに、現代の「家族」「死」のあり方を問いかけます。
初日を終えた、松井周さんよりコメントが届きました。
KAAT×サンプル「グッド・デス・バイブレーション考」松井周さん初日コメント
初日が開けて、幕が開けてみないと分からないような、お客さんの視点でどういうイメージが広がるかが少し分かって、俳優やスタッフも作品のイメージを、より共有できたと思います。
戸川さんは存在感を発揮してくださって、期待していた以上のものを持っている方です。今回は老人役なんですけど、それを越えていく部分を自在に演じてくださって、それはびっくりしました。
この作品をみて、大前提として、もう自由にみていただきたいです。今までより分かりやすかったり、ポップであったり、ベタだったりするかもしれません。ただ、テーマは重いかもしれません。基本的には『姥捨て』の話なので。人間はどんな環境でもしぶとく生きていくんだろうか?とか、シリアスな状況でもユーモアや笑いを見つけて生きていけるのだろうか?というのを考えてもらったり、感じてもらえれば、と思っています。今回は「人間が共生していく」ということを求めて作りました。こういう奇妙な形の家族がいましたよ、というのが印象に残ればと思います。
撮影:前澤秀登
Hideto MAEZAWA
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KAAT×サンプル 「グッド・デス・バイブレーション考」
【公演期間】
~2018年05月15日(火)
【会場】
KAAT 神奈川芸術劇場 中スタジオ
【作・演出】
松井周
【出演】
戸川純 野津あおい 稲継美保 板橋駿谷 椎橋綾那 松井周