この夏初演となる『ワンピース音宴 〜イーストブルー編〜』に、これまで『ブラスト!』シリーズや『Endless Shock』で活躍してきた石川直さんの出演が決まった。マーチングドラムの第一人者でもある彼が意気込みを語る。
——『ワンピース』は仲間たちが各自の目標に向かって冒険をする物語。どこかマーチングバンドと似ていますね。
確かに マーチングバンドは人数が多いので、 様々な人間模様が見られます。 大会には 130名くらいで出る学校が多く、実に大所帯。 打楽器、木管や 金管などの管楽器、旗を振るカラーガードなどのパートがあり、いわば 異なる専門の人たちが集まって、一つの演奏を作り上げるわけです。
例えば サッカーなら ボールを蹴ってゴールに入れるなど、大体 同じスタイルでプレイできるわけですが、マーチングは違う特性を伸ばす人たちが 共存しなければいけない。その上、大きな部活では 10名以上の外部コーチが教えにきますし、 作品を作るアレンジャーや 振付師、ドリルデザインなどの大人の制作チームも加わります。生徒の中にも 部長、各セクションのリーダー、先輩後輩がいる。つまりマーチングは、社会に出る前に経験できる 小さな社会 なんですね。とても深く 良い社会勉強ができる場です。
——最近は 一人でも生きていける社会になりつつありますが、やはり 麦わらの一味みたいに仲間と一緒の方が豊かになれる気がします。
僕が『ワンピース』から考えさせられたのは、人間同士の繋がり、悩みや葛藤。 個々の問題にそれぞれが逃げずに向き合い、全員が力を合わせることで 大きな壁を超えてゆく。そこは 人間誰しも必要な感覚だと思います。
また ルフィと仲間たちが互いの個性を認め合い、受け入れるのも素敵なこと。マーチングでも ドラムを叩いている人間は、トランペットの音色を生かすことを考えて 演奏しなければいけない。お互いの味を引き出すことが大事で、塩加減が強すぎても、出汁を入れすぎても ダメ。絶妙なバランスが絶妙な空気感を生み出す。それは 人間関係も同じですね。
——生の演奏だと、誰かが調子悪くて それをフォローしたり もあるのでは?
全体的にはいつもと同じように見えても、人間ですから 場合によって一人一人の調子は変わってきます。それを感じ取りながら、お互いにフィードバックし合うことで、良い流れを維持することができる。そのために 仲間同士のコミュニケーションと共通の理解は不可欠。ルフィたちみたいに。
——新たな『ワンピース』のブラス・エンターテイメント として立ち上がる『音宴』ですが、『ワンピース』のファンには何を伝えたいですか。
こういう楽しみ方もある ということ。
『ワンピース』の良さを倍増させながら、新たな発見や可能性を感じていただけたら。二次元だったものが三次元になると、漫画や映像からだけでは感じ取れない 別の刺激が出てくるはずです。
なおかつ、空想の世界で作られた 二次元の世界と 人間社会を、僕ら生身のパフォーマーたち繋げることで、より『ワンピース』の世界をリアルに感じられ、メッセージが届きやすくなるのではないでしょうか。また 観客の皆さんの生活に、『ワンピース』をどう反映させることができるのか、より鮮明に感じていただけると思います。
——最後に 読者の方々に メッセージをお願いします。
世界的ヒットのアニメ『ワンピース』と ブラス・エンターテイメントは共通点がたくさんあります。この組み合わせ に 役者の演技を加えて、3つの要素からなる 新しいエンターテイメント が誕生します。まだ誰も観たことのない、新しい チャレンジ。
冒険、葛藤、友情と希望、人生とは何か。『ワンピース』のメッセージを 僕らのパフォーマンスで、新たな空気感でお伝えします。僕自身のワクワクが止まりません。
ここでしか味わえない 特別なひと時を、ぜひご体験ください!
ワンピース音宴(おとうたげ)
イーストブルー編
2018 年8 月12 日(日)〜9 月2 日(日) 全28公演
東京国際フォーラム・ホールC(東京・有楽町)
■ 原作:尾田 栄一郎(集英社『週刊少年ジャンプ』連載中)
■ 演出・構成・振付 :金谷かほり
■ 音楽監督 :田中公平
■ 主催:キョードー東京/フジテレビジョン/東映アニメーション音楽出版
■ 協賛:伊藤園
■ 監修:集英社/東映アニメーション
■ 企画制作:キョードー東京
【お問合せ】キョードー東京
0570-550-799(平日11:00~18:00/土日祝10:00〜18:00)