日中戦争のさなか、中国で一世風靡した歌姫・李香蘭の半生を描いた『ミュージカル李香蘭』。演出家の浅利慶太さんが「悲劇が繰り返された"昭和"という時代を決して風化させてはいけない」という思いから、1991年の初演以来、上演し続けてきた。その2018年公演が東京・自由劇場にて本日開幕する。開幕にあたり、昨日行われたゲネプロでの舞台写真と、演出の浅利慶太さんと李香蘭役の野村玲子さんからコメントが到着した。
演出家・浅利慶太 コメント
「李香蘭」は昭和の歴史の本質を描いた作品です。
今のお客様に理解していただけるように丁寧に作っています。役者たちは気分や感情ではなく、時代を実感して生きること、どんな苦しみや怒り、悲しみがあったのかを実感してやってくれています。それをご覧になって、きっとお客様も、あの時代がどうだったのかリアルに感じていただけると思います。
この芝居を観て「二度と戦争は起こしてはいけない」と思っていただきたいですね。
李香蘭役・野村玲子 コメント
李香蘭は毎回「これが最後」と思って作品と向かい合っていますが、こうしてまた李香蘭を生きることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。
演出家の「李香蘭は、昭和の戦争というタピストリーが織り上げられる中で出来上がっていった、赤くて綺麗な一本の線」という言葉が、私の役作りの原点になっています。そして、今回は新しいメンバーも多く、ゼロからそのタピストリーを一緒に作り上げてきました。山口(淑子)先生は、後に平和のための活動をされるようになりました。カンパニー一同その思いを受け継ぎ、祈りを込めて『ミュージカル李香蘭』をお客さまにお届けいたします。
劇場でその思いを受け取っていただければ幸いです。
公演は4/22(日)まで東京・自由劇場にて上演。チケットは発売中。