2018年1月に上演される、ハダカ座公演 vol.1『ストリップ学園』。
全貌があまり明かされていないこの作品、ハダカ座??ストリップ???と、気になっている方も多いのでは!?
本作は、9月に上演された10周年記念公演『豪雪』も好評だったgood morning N゜5の澤田育子さんが脚本・演出を手掛ける、前代未聞のドラマチック&乙女チック&エキセントリックなストリップステージ。ストリップといえば女性のイメージがありますが、出演者はほとんど男性で、「常識禁!?常識なんか捨てて丸裸になれ!」をコンセプトに、"非常識人の非常識人による非常識人のための非常識なステージ"になるそうで...まったく想像がつきません。
というわけで、ビジュアル第一弾で清楚な女装姿を披露した、藤原祐規さん、古谷大和さん、芹沢尚哉さんにお話をうかがいました。
――まずは出演が決まっての感想を教えてください。
古谷 まず題材を知って、普通じゃないというか...世の中であまりやっていない演目になるんじゃないかなと思ってワクワクしました。踊りや歌もありそうなので、そこも楽しみですね。
芹沢 僕は、出演が決まって「よっしゃー!」ってめちゃくちゃ喜びました。役者として試される作品だと思うので、自分の今のレベルから1個、2個上のステージにチャレンジするんだろうなって気持ちでいますが、(急にキラキラした目で)今回、最年少ということで! 勉強させてもらえる最高の現場になりそうです!
藤原 ん?「最年少」を押していこうと思ってるね?
芹沢 (笑)。先輩に甘えます!
古谷 保険がすごいな(笑)。
芹沢 そのスタイルでいくつもりです! 引っ張ってもらいたい! ついていきます!
――最初の「よっしゃー!」というのはなんですか?
藤原 あはは! ほんとだよ! なんで「よっしゃー!」と思ったの。
芹沢 それはもうフッキーさんと大和くんと共演できると思って。
藤原 ......調子がいいな!
一同 (笑)
――藤原さんはどうですか?
藤原 まず「『ストリップ学園』、やってみない?」って言われて「一体それはなんですか?」というところから始まっているのですが(笑)。何もわからないところに飛び込んでいくのは、勇気もいるけど面白いことでもあるので、ぜひという気持ちでやることにしました。ただ僕は自分のことをけっこう普通の人間だと思っているので、そんな僕がこの"非常識"なことをやるんだなっていうおっかなびっくり感がまずあるんですけど、澤田さんの演出、物語、世界観に役者として飛び込むっていうのは楽しみでしかないです。
――澤田さんの作品というところは本当に楽しみですね。
藤原 『豪雪』は僕らと石田 隼くんで観たのですが、やっぱり「この人の舞台を僕らやるんだ」って思って観るじゃないですか。それであんだけめちゃくちゃだったらね?
古谷・芹沢 (笑)。
藤原 いい意味でですけどね。あの舞台をつくった人と一緒にやるんだっていう期待と緊張とはすごくあります。
古谷 観て圧倒されつつも、あの世界に埋もれていくんじゃなくて、僕がそこに出るから生まれる"何か"に挑戦したいと思いましたね。
芹沢 舞台ではお客さんが引いちゃうんじゃなくて乗っかっていくような一体感をすごく感じて。この作品もストリップをやるので、お客さんがどっちに転ぶかわからない状況も出てくるかもしれないんですけど、僕らが無理矢理にでも引っ張りこめる雰囲気をつくれたらいいなってすごく思いました。
女性役でも"人間をやる"ってことは変わらない
――第一弾のビジュアルでは、皆さんと石田 隼さん4人の女装が出てきて驚きました。
藤原 「僕に女装させるって正気ですか?」っていうところから始まりましたから。年齢的にも24歳(芹沢)、26歳(古谷・石田)、36歳(藤原)......これ僕大丈夫ですか!?って。先生役とかなのかなと思っていたら、チラシで一緒に並んじゃってますからね。まだ台本ができてないのでどうなるかという段階ですが、ドキドキします。
――撮影はどうでしたか?
芹沢 まず「まっすぐ立ってください」って言われたときからイメージが湧かなかったです。女の子がまっすぐ立つってどんな感じだっけ?と思って。ただ撮影中に「かわいい、かわいい」って言ってもらって、「あれ?かわいいの?」って嬉しくなってきちゃって(笑)、それで少し掴めたかなとは思います。
古谷 でも女性の恰好になると、ちょっとなんか入りません? スカートがスカスカして内股になったりして、メイクして女の子っぽくなって、みんなに「かわいい」って言ってもらえて、どんどん入っていくから。撮影のときは結構楽しかったです。
藤原 うん、色気が出てた。
古谷 色気はもう常に漏れてるので。
藤原 (笑)。今日の髪型もそうだもんね。
古谷 ヘアメイクさんが「どんな感じがいいですか?」って聞いてくれたので、「セクシーで」ってお願いしました。
――(笑)。古谷さんはおん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』での女装姿が記憶に新しいですが、おふたりはいかがですか?
芹沢 僕、初めての舞台でやってるんですよ(2011年『abc☆赤坂ボーイズキャバレー 3回表!』)。キャンギャルの恰好して、鈴木拡樹くんと一緒にティッシュ配りました。
古谷 じゃあもう片鱗はあったんだ。
藤原 なるべくしてなってるんだ。僕はふざけた女装みたいなのはやったことあるんですけど、こういうガチなのは初めてです。撮影でも、隼くんの後だったんですけど、見ていて「僕は無理だ...」と思ったんですよ。だから自分のときも「かわいい」ってチラッと聞こえてきたんですけど、「なわけねー!」って全部シャットアウトして。
古谷 (笑)。信じなかったんだ。
藤原 自ら「みんなかわいいから、僕はヤンデレ女子でいきます!」って言って3枚くらい撮ったらカメラマンさんが「わらってくださーい」って(笑)。
一同 (笑)。
藤原 それで、僕が最も避けたかったアイドル的な方向にだんだん寄っていきました。
古谷 でもこのチラシの仕上がり、めちゃめちゃいいですよ!
"ハダカ座公演 vol,1 『ストリップ学園』の公演ビジュアルより"
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――『ストリップ学園』ということで、脱ぐことにもなるのかなと思いますが、そのあたりはいかがですか?
芹沢 やっぱり脱いで恥ずかしがる部分って、男女で違うと思うんです。もちろんそもそもストリッパーはステージ上で恥ずかしがらないんですけど。でも男だったら上裸になっても隠すところはないけど、女の人だったらそこから出る色気があったりするので。そこで表現できるものがあるのかな、とは思います。
――そこに男性が女性を演じる面白さがありそうですよね。
古谷 ただ"女性をつくる"ためにいろんなフィルターをかけてしまうと、嘘っぽくなりがちなのかなとも考えていて。まずは"人間臭さ"を大切にできたらいいのかな、ということも思いますね。
芹沢 「芹沢が女装してたね」で終わったら役者としてもったいないと思うし。自分に与えられたキャラクターを楽しみたいですね。
――そういう意味では役作りってどうなりそうですか? 例えば藤原さんは、古谷さんも出演されたおん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』でヤク中のゲイという想像しにくい役を演じていたわけですが、性別が変わるというのは、それ以上のハードルなのでしょうか?
藤原 ひとつの物語で女性を演じ切るっていうことが初体験なので異次元です。でも根幹は変わらないと思いますね。"人間をやる"っていう。だから変わらないスタンスでいければいいなと思うんですけどね...でも何しろわからないんですよ。
――女性がですか?
藤原 カタチを似せることはできると思うんですけど、「そうなるよね」とかっていう共感をつくりだすのがなかなか難しいんじゃないかと思いますね。
藤原さんみたいな常識人はいない...つまり非常識人
――お互いの印象も聞いてみたいのですが、芹沢さんはおふたりと初共演ですね。
芹沢 ただ、ありがたいことに最年少なので!
古谷 また保険出してきた!
芹沢 かわいがってもらう、っていうのがあるんですけど。
藤原 なんなんだよ(笑)。
芹沢 でも逆にこのメンバーに入れてもらうっていうのは、しっかりやらないと本当に悪目立ちしちゃうし。そこはプレッシャーでもあるので。先輩方に食らいついて、しがみついていきたいですね。
――藤原さんと古谷さんは以前共演してどんな印象ですか?
古谷 藤原さんは、共演前から噂にも聞いてましたし、実際に一緒に仕事しても思ったのですが、素晴らしい方で。人当たりがいいし、誰とでも仲良くできるし、やさしくて、大好きなんです。僕はこの作品に出ることになって「果たして常識とは」って考えるようになったんですけど、その中で「藤原さんこそが常識人かもしれない」と思ったんですよね。でも、それができる人ってほとんどいないから、つまり「非常識人」なのかな、みたいな。
藤原 深すぎてよくわからないよ(笑)。
――そんな常識的な藤原さんが「常識禁」な作品に出るっていうのは?
古谷 だから藤原さんがどんなお芝居をされるか、今から楽しみでしょうがないです。
藤原 ......本心だよね?それ。
一同 (笑)。
古谷 本心です! なんでですか!
――(笑)。どうして疑ったんですか?
藤原 ちょっとね、何考えてるかわからないところがあるんです(笑)。でもこの作品に大和と隼くんが出るよって聞いたときは「ああ、あのふたりなら」って思いました。ベクトルは違うけど、こだわりを持っているふたりなので。あとは芹沢くんも今日話してて、独特のワールドを持ってるなと思ったから。「よっしゃー!」くらいから思ってたんですけど。
芹沢 あはは!
藤原 この作品ではきっとこの4人がよく絡むことになると思うので、楽しみですね。
――ここにはいらっしゃいませんが、石田 隼さんはどんな印象ですか?
芹沢 僕、隼くんは4年くらい前に共演してるんですよ。
藤原 4年前から隼くんってあんなにぶっこむタイプなの?
芹沢 いや、そんなことなかったですよ。どちらかというとクール系で。
藤原 ってことはこの4年間で、彼の中で何か革命があったんでしょうね。「石田 隼っていう人間をちゃんと刻み付けるんだ」っていう意識みたいなものがとても見える人で。おん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』で共演したときは「どんだけぶっこむんだ」ってくらいいろいろやってたんですよ。
古谷 しかもそのぶっこみかたがセオリーに無いというか、見たこともないような...(笑)。
藤原 「それ、よくやったな!」みたいな。
古谷 今回もそこが出れば、もうそれだけで面白い気がしますよね。楽しみだな。
まずは自分がかわいいと思う女性を演じてみる!?
――最後に女性役としてどこにこだわっていきたいかを教えてください。
藤原 今はまだ役柄もどんな作品になるかもわからないのでなんとも言えないんですけど、女性役をやるにあたり、一番はじめに思うのは「自分のかわいいと思う女子をやる」ということですよね。
――なるほど。ではみなさんの「かわいい」と思う女性を教えてもらえますか。
藤原 え、あ、ちょっと...そこだけは変わってるって言われるんですけど。家に帰ってきたら玄関の鍵が開いてて。僕がガチャって入ったら、黒い煙がもくもく出てくるんです。で、(彼女が)パタパタパタッて出てきて、「ごめんごめん、ハンバーグ作ってたんだけど、焦がしちゃった♡」みたいな...子。
一同 (爆笑)
芹沢 なにその子!
藤原 俺は「ぜんぜん食べるよ」って言う。
古谷 それってどの瞬間がかわいいんですか?
藤原 シチュエーションも含めて、そういう子。
古谷 え?ドジっ子?
藤原 ドジっ子。岩場とかはすげーアグレッシブに行くんだけど平地で転ぶ、みたいなさ。
古谷 天真爛漫?
藤原 みたいな子。計算してたらダメ。
――(笑)。芹沢さんはどうですか?
芹沢 僕は天然系が好きですね。
古谷 ハンバーグ焦がすような?
芹沢 それもありだし、砂糖と塩を間違えちゃうようなのもいい。
古谷 (藤原さんに)同じでは?
藤原 うん、いいね! 電子レンジから出す瞬間に全部落としちゃうとかさ。
芹沢 せっかく作ったのに!?
藤原 で、泣いちゃう、みたいな。
古谷 自分でやったのに?
藤原 俺は「いいから、いいから」って食べる。
芹沢 そんなおっちょこちょいな天然な子はかわいいです(笑)。
――古谷さんはどうですか?
古谷 あまり女性のことを「かわいい」と思う瞬間はないんですけど。でも僕のことを好きって言ってくれた瞬間、その瞬間だけは、とてつもなくかわいく見えます。
藤原 どういうことだよ(笑)。
芹沢 相手が誰でもってこと?
古谷 そうです。
藤原 それってどういう言い方でもいいの?
古谷 好きってわかればいいです。ファンレターでもそうですから。愛おしくなっちゃうんですよ。
――もはやシチュエーションですね。
古谷 あ! 僕みたいに「好き」って言われるとキュンとしちゃうような女の子がかわいいかもしれない。
藤原 ...何言ってるんですかね、あいつ。
一同 (爆笑)
芹沢 楽しみだ!
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ハダカ座公演 vol.1『ストリップ学園』は、2018年1月12日(金)から20日(土)まで、東京・新宿FACEにて上演。チケット一般発売は11月18日(土)12:00~。
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【公演情報】
ハダカ座公演 vol.1『ストリップ学園』
日程:2018年1月12日(金)~1月20日(土)
劇場:新宿FACE
脚本・演出:澤田育子
音楽:金子隆博、竹森徳芳
出演:石田 隼、古谷大和、芹沢尚哉、藤原祐規/千代田信一、藤田記子、久保田南美、境 秀人、野口裕樹、岩男海史、ロッキン=ヨーコ/中村 中(特別出演/歌)/小林顕作ほか