こまつ座『きらめく星座』開幕!秋山菜津子、田代万里生らのコメント到着

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11月5日、東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにてこまつ座第120回記念公演『きらめく星座』が開幕しました。

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こまつ座第120回記念公演であり、2017年を締めくくる本公演は、井上ひさし自らが"私戯曲"と語る「昭和庶民伝三部作」の第一作として、こまつ座旗揚げ翌年の1985年に初演されたもの。

今回は、2014年の上演版で読売演劇大賞最優秀主演女優賞を獲得した秋山菜津子をはじめ、2014年キャストのほとんどが集結し、戦争の足音が聞こえる時代、星のようにきらめく庶民たちを描き出します。

また、「青空」「一杯のコーヒー」「月光値千金」など、当時の流行歌がふんだんに盛り込まれたこの舞台は、井上ひさし音楽劇の代表作としてファンに愛され続けています。
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明るく陽気な一家を描く笑いの絶えない舞台ながら、その幸せな時間が時代の波に流されバラバラになっていく様は、現代への井上ひさしからの強烈なメッセージと平和への祈りを感じさせることでしょう。


キャストの皆さんと演出の栗山民也さんから、コメントが届きました!




■演出 栗山民也
三年前と同じ顔ぶれの俳優が集まった今回の稽古場は、実に豊かな時間だった。言葉が俳優の肉体に染み込んだ状態でスタート出来たので、自然に開かれていく様は、あたかも日常生活の断面をそのまま切り取ったように柔らかだ。井上さんに見せたい、聞かせたいと、心から思う。日常のニュースのなかに平然と流れる、「排除」「選別」といった言葉が人間に対して平然と使われる今の時代は、『きらめく星座』で描かれる時代と怖いほどに重なる。こういう芝居が必要ないと「排除」されるのなら、もう私たちの生活から物語や文化というものが、どこかへ葬られてしまう事になる。ちゃんと守らなくては、と切実に思う。

■秋山菜津子
私が今までに出会った作品の中で、ベストワンの戯曲であると改めて深く感じさせられた、今日までの稽古の日々でした。
何度も本作品を観ている方も、初めての方も、若い方も、演劇がちょっと苦手という方も、とにかく"現在(いま)" この時代に生きているあらゆる方に観て頂きたい。
これ程 皆さんにお届けしたいと願う作品は、本当に稀かもしれません。それだけの魅力と力を備えた井上ひさしさんの「きらめく星座」。私も誠心誠意、心を込めて演じたいと思っています。komatsuza_seiza4.jpg


■山西惇
3年ぶりに高杉源次郎として初日を迎えられること、光栄に思います。
この名作戯曲を鯛の塩焼きに例えれば、夢中で食べた3年前と比べて、今回は一口ずつじっくり味わい、残った骨からも美味しいお出汁をとっていただいた位に更に充実した稽古が出来ました。初演から30年以上を経てもなお、益々輝きを増して今の私たちの胸に迫る「きらめく」台詞の数々を、素敵な共演者の皆様と共に精一杯お届けしたいと思います。
劇場にてお待ちしています。komatsuza_seiza5.jpg


■田代万里生
昭和15年の浅草の人々は、いったいどんな気持ちで、どんなきらめく星座を見上げていたのか。現代の私たちは、今【何を】見上げているのか。今回の舞台は、例外なく誰にとっても自らのルーツに繋がっているのではないかと思います。井上ひさしさんの力強いメッセージをこの作品を通して精一杯体現し、人間そのものである『ピカピカの奇蹟』を、より一層輝かせることが出来ますように。数ある井上ひさし作品の中でも、自身の「私戯曲」とまで言っているほど思い入れのある大傑作。全力でお届け致します。


■木場勝己
1992年、初こまつ座が『きらめく星座』。この時の役は、脱走兵・正一です。
2009年、2014年の再演では、広告文案家・竹田慶介です。自ら語っていた台詞を聞き、聞いていた台詞を、自らが口にする、奇妙で新鮮な経験でした。そして、もうすぐ初日の今回も、竹田慶介です。あの「人間広告」の台詞を、長年に渡って言わせていただきましたが、オデオン堂の居候も67才。今回が最後になるかも知れません。



◆あらすじ◆
昭和15年の浅草。小さなレコード店「オデオン堂」に四人の家族と二人の間借り人が仲良く暮らしていた。しかし、陸軍に入隊していた長男の正一が脱走して「非国民の家」扱い。追手がかかり憲兵が住み込みで見張りをする始末。ところが長女・みさをがたくさんの傷痍軍人と交わしてきた文通ハガキの中から選んだ源次郎と結婚するにいたって、今度は一転「美談の家」に。ジャズ(=敵性音楽)が好きで歌謡曲(=軟弱な音楽)が好きなオデオン堂の面々と、軍歌一辺倒の婿・源次郎は何かと衝突が絶えない。戦争へ向かう世の中に振り回されて、生活の小さな喜びを大事にしてきた普通の一家の行く末は、果たして。
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舞台写真 撮影:夛留見彩



【公演日程】

・11月6日(月)~23日(木・祝) 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京)
・11月30日(木) えずこホール(仙南芸術文化センター) 大ホール(宮城)


★「こまつ座のキセキ」展★

劇場ロビーでは、こまつ座のこれまでの軌跡を振り返る「こまつ座のキセキ」展も開催!
井上ひさし未発表作品「パズル」の原稿の特別限定公開などもありますので、来場の際はぜひチェックを。

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