新国立劇場がセレクトした海外戯曲の秀作 世界の今を見つめるラインアップ

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新国立劇場開場20周年記念演劇公演の第二弾として、2014年の米ピュリッツァー賞で最終候補になった秀作、ジョーダン・ハリソン作の『プライムたちの夜』が11月、小劇場にて上演される。

新国立劇場開場20周年記念公演

『プライムたちの夜』
-世界の今を伝える現代演劇セレクション-

http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_009663.html

チケット一般発売は9月9日(土)から


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本作は「世界は今...」をキーワードに、現在の海外の演劇シーンから上質な戯曲を紹介するという、新国立劇場の企画。同劇場は過去にも、現代の海外戯曲をたびたび取り上げているが、それらはいずれも明確なコンセプトの元、演劇芸術監督の宮田慶子自らがセレクトしている。"日本初演"にこだわり、同時代の劇作家たちが世界の何を見、どんな切り口で問題提起しているかを日本に初めて伝える役割も担っている。

過去、同劇場がセレクトした作品は『負傷者16人-SIXTEEN WOUNDED-』『永遠の一瞬-Time Stands Still-』『バグダッド動物園のベンガルタイガー』『フリック』の4作品。

最初の3作品は、いずれも戦争が切り口。一作目となる『負傷者16人』は宮田慶子演出で井上芳雄が新国立劇場に初登場した。宗教に身を捧げたが故に、大切な人との心の交流をついに断ち切る男。人生の岐路に立たされた男は、最後に自爆テロという悲劇の道へと突き進む。2012年上演。まさにタイムリーなテーマを扱う作品で、全公演がほぼ完売するなど、反響も大きかった。

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戦場カメラマンが、目の前のひとりを救うべきか、世界を動かす一枚を求めるべきかで葛藤する『永遠の一瞬』は、やはり宮田慶子自身の演出。スタイリッシュな舞台セットでニューヨークのロフトを表現し、理知的な会話とジョークで4人の出演者に白熱した議論をさせ、問題を炙り出した。


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戦禍のトラが喋りだし、イラク戦争の様相をブラックユーモアたっぷりに語った『バグダッド動物園のベンガルタイガー』は、日本ではなかなか見ることのできない戯曲構造で目を引く。トラの亡霊に取りつかれた兵士は自殺、自分も亡霊になって仲間を悩ませるなど、舞台にいる役者が人なのか動物なのか、生きているのか幽霊なのか、観客の思考の混乱は紛争下の現実と非現実が入り乱れる極限状態を体感させた。来場者の年齢層もぐっと下がり、若い世代の関心を引く公演として話題になった。


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うって変わって昨年上演された『フリック』は、若者たちの葛藤を描く。何を言っても信じて貰えない"黒人"の青年。ホワイトカラーの"黒人"に劣等感を抱くブルーカラーの"白人"。勇気を出しきれないLGBTの仲間。バイトで最低賃金しかもらえず未来が見えない若者の閉塞感・・・。文化的な相違はあれども日本人の我々にも身につまされる「現代」を肌で感じる作品となった。


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今回上演の『プライムたちの夜』は、起こりうる近い未来の世界。死者の人格をアンドロイド(=プライム)にのせ、同居しているという設定は、それだけで"未来感"があるが、重要なのはそれに対する人の感情だ。死者のプライムと向き合って初めてわかる、自分の中にある愛情。親への想い。子どもを思う気持ち。必要な記憶。アンドロイドという、最先端の設定だからこそ実感を持って伝わるのかもしれない。ピュリッツァー賞戯曲部門のファイナリストになったのも納得といえる。


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日本にも秀逸な戯曲は数あるものの、海外戯曲はまた趣が違う。『プライムたちの夜』が、その魅力を再発見できる作品であることは間違いないだろう。


チケット一般発売は9月9日(土)から。




【公演情報】


新国立劇場開場20周年記念公演
『プライムたちの夜』
-世界の今を伝える現代演劇セレクション-


作:ジョーダン・ハリソン  
翻訳:常田景子  
演出:宮田慶子
出演:浅丘ルリ子、香寿たつき、佐川和正、相島一之
期間:2017年11月7日(火)~26日(日)
料金:A席6,480円 B席3,240円 Z席1,620円
会場:新国立劇場小劇場
一般発売:9月9日(土)

公演HP:http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_009663.html





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