栗山千明×溝端淳平×浅田美代子×中村雅俊×深川栄洋『ミッドナイト・イン・バリ』座談会

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9月に開幕する、栗山千明さん・溝端淳平さん・浅田美代子さん・中村雅俊さんの四人芝居『ミッドナイト・イン・バリ~史上最悪の結婚前夜~』。
本作は、バリ島での結婚式を翌日に控えたカップルとその母、父が暴風雨でコテージに閉じ込められ、赤裸々な言葉をぶつけ合っていくうちにある意外な真実が発覚するという"ハイスピード毒舌ラブコメディ"。

脚本は、脚本家・岡田惠和さんの書きおろし。『スタンド・バイ・ユー ~家庭内再婚~』以来、2作目のオリジナル戯曲です。ちなみに岡田さんは現在放送中のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」や「泣くな、はらちゃん」など数々のヒットドラマを手掛けた人気脚本家。名作ドラマ「最後から二番目の恋」をイメージすると、"ハイスピード毒舌ラブコメディ"がなんとなくイメージしやすいかも!? ※岡田さんと浅田さんの対談はこちら

演出は、映画『白夜行』や『神様のカルテ』などの監督を務めた深川栄洋さん。映画やドラマを手掛けてきた深川さんが今作で遂に舞台初演出に挑みます。

<ストーリー> ※公式サイトより
加賀美幸子(栗山千明)と木暮 治(溝端淳平)は明日、結婚式を控えたカップル。バリ島で式をあげるためコテージに宿泊しているが、外は暴風雨。幸子の気持ちは揺れ動き、フリーターである治への不満が噴出し、治はオロオロ。幸子の母親の敏子(浅田美代子)は、そもそもこの結婚が気に入らず、やめるよう促す。そこへ治の父親の久男(中村雅俊)が遅れて到着するが、その能天気ぶりにその場はさらに混乱。やがてそれぞれの意外な過去が明らかになり、事態は思わぬ方向へ......。
果たして無事に結婚式は挙げられるのか――。

というわけで、本作について出演者の栗山さん、溝端さん、浅田さん、中村さん、演出の深川さんにお話しいただきました!

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――皆さん、5人で集まってみていかがですか?
栗山キャストの皆さんとはスチール撮影のときに初めてお会いしたのですが、そのとき、フィーリングで「楽しくやらせていただけるんだな」と思いまして。それでけっこう安心できたといいますか。人見知り的なところはクリアできたかなと思っています。なのであとは稽古場で一生懸命できることをしなきゃな、という感じです。
溝端(共演者の中では)僕が一番後輩なんですけど、皆さんやさしくて。包み込んでいただきながらも引っ張っていただいて。僕はその胸を借りてがんばりたいなって。ただ仲良くなるだけじゃなくて、いい雰囲気の中で、集中して稽古できる素敵な稽古場になるんじゃないかなって思います。ワクワクが大きいです。
浅田会うのはこれで3回目だけど、なんか会う度ごとに(空気が)濃くなってきてる感じがするよね。
中村集まったとき、うまく化学反応していい方向にいくんじゃないかなって、直感的に感じましたね。俺自身はキャリアの割には舞台経験が少ないという不安材料が今回はとてもいいなって。そういうのがあるからこそがんばんなきゃって、慣れてないところで動き出すエネルギーを作ってくれているように感じるので。
深川スチール撮影のときに僕、見に行ったんですよ。どんな人たちだろうなって。皆さんそれぞれ出自が違うというか。俳優としてのキャリアも違えば、出方も違う。そういう人たちがどういう風に集まるのかなと思って。そしたらすごく収まりがよかったんですね。はたから見てて、この人たちは面白い組み合わせだなって。名前だけを見たときは、みんながみんな主張の強い役者さんたちなので、バラバラになっちゃうかなと思って。それをまとめるのが僕の仕事かな、なんて思ったんですけど、実際には演出家がいなくてもそれぞれがうまくいきそうで。じゃあもしかしたら僕のやることは、収まりのいいものをつくるんじゃなくて、毎日毎日事件を持ち込んでいくこと......皆さんが芝居をやりやすくするんじゃなくて、負荷をかけることかなって。
栗山・浅田:こわーい(笑)。
深川(笑)。もともといい相性なんだろうと感じましたね。

――映像でもご活躍されているメンバーですが、舞台ならではの楽しみってなんですか?
栗山:積み上げて、つくりあげていくということ。一か月くらい稽古をさせていただいて、どうなるか。その日まで想像がつかないのが面白さでもあり、怖さでもあり。そこが舞台ならではなのかなって思いますね。
溝端:やっぱライブだから。もちろん脚本通り、稽古で培った通りのものになりますけど、(毎公演)全く同じものができることはない。ちょっとした変化で物語が変わってきちゃったりするし、その変化も楽しい。演劇って生きてる感じがすごくするんですよね。今日できても、明日できるかわからない。一歩舞台に出たらそこからはもう帰れないし、「一回止めてください」もできないので。その緊張感とスリルがたまらなくて、僕は舞台が好きなんだと思います。
浅田:間(ま)がちょっと違うだけで、昨日めちゃくちゃ笑ってくれたのに今日はどうしてだろうとかね。本当に毎日微妙に違うから、その楽しさがありますね。今からつくりあげていくのも楽しみ。雅俊さんが一番年上で、失礼なんですけど、怖くないじゃないですか。
中村:(笑)。
浅田:難しそうな役者さんじゃないっていうのが。すごく私たちは、ね?
溝端:僕、浅田さんに対してもそうですよ!
浅田:私は怖いよ!(笑)でも、みんなでいろんなことを言い合いながら、できるんじゃないかなって思います。
中村:舞台にそんなに出ているわけじゃないのでなんとも言えませんが、テレビや映画でやる芝居と、舞台でやる芝居にはいくつか違いがあって。テレビや映画だと、"カット"がかかりながら芝居した映像をつなげて、ひとつの流れをつくっていくのですが、舞台はひとつの時間がずっと流れている。だから気持ちが途切れないんですよね。これは多分、映像をやる人が舞台で一番感じるところだし、そのよさってすごくあると思うんですよ。
浅田:それと全身観られてる、お客さんに。台詞があるときもないときも、全体がいつも観られてる状態っていう。
中村:映像で言う"引きの絵"とか"アップ"は、自分の芝居でそう見せる、みたいなね。
溝端:そもそも一か月近く稽古って、映像じゃまずありえないので。稽古場に毎日通って、みんなで共有して、みんなでつくりあげていく。ちょっとずつ苦しみながらやっていって、それが本番になって解放されて。それでも課題ができたりして。そういうモノ作りしてる感じがすごくわかりやすく伝わってくるのが舞台の良さなのかなって。お客さんによっても反応が違うし。これだけ地方を回ると、各地で反応も違うでしょうしね。


――本番はまだ少し先ですが(取材は6月末)、深川さんはどのような舞台にしようと考えていらっしゃいますか?
深川:劇中で、若いおふたり(栗山・溝端)は「これからの未来をどうしよう」ということと、(結婚前の)フワッとした不安で物語が進んでいくのですが、その親であるおふたり(浅田・中村)は昔(の記憶)と出会って今揺れる、ということが起きます。その中で、昔と今をつなげていく役割をするのが当時の音楽で。なのでじゃあ音楽をやってみようかなと思っていまして。となると、中村さんも音楽をやられているし、栗山さんもCDを出しているし、浅田さんはレコード大賞......
浅田:全然! 下手で有名だったんだから(笑)。私に歌わせたらお客さん、帰っちゃう!
深川:"屋根の上のミヨちゃん"にもう一回会ってみたいなって(笑)。そういう、"シアタークリエ(東京)でしか起きないこと"をお客さんに観ていただきたい。4人で歌うのか毎日違うのかはわからないし、一人が歌ったら踊りも必要だし、溝端くんはどんな声なのかなと思いながら...(笑)。ちょっと膨らませていきたいなって。(音楽担当の)荻野清子さんも生演奏できる方なので。

――では、最後に主演の栗山さんから一言お願いします。
栗山:これからみんなで作り上げていくので、私たちもドキドキしながら楽しみたいと思っています。脚本の面白さをきちんと見てくださる方に伝えられるように、精一杯楽しみながら頑張りたいと思いますので。ぜひ劇場に観にいらしてください!

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公演は9月15日(金)から29日(金)まで東京・シアタークリエにて。その後、静岡・愛知・大阪・福岡など全国12か所を巡演。

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