『ミュージカル「忍たま乱太郎」第8弾 再演 ~がんばれ五年生!技あり、術あり、初忍務!!~』が開幕!
初演から8年目を迎えたミュージカル「忍たま乱太郎」は、尼子騒兵衛著作の漫画「落第忍者乱太郎」、および1993年にNHK教育テレビ(現Eテレ)にて放送されたアニメ「忍たま乱太郎」を原作としたミュージカル。忍術学園の六年生や上級生たちを中心に、ギャグや殺陣、アクションなどを取り入れ、原作の世界観を活かしたオリジナルストーリーで大人気の舞台です。
今作は、今年1月に上演した第8弾の再演。これまでずっとメインで描かれてきた忍術学園の六年生ではなく、新たに五年生にスポットを当てたストーリーとなっており、手ごわいドクタケ忍者隊を相手に、上級生二人のアドバイスを受けながら初忍務を成し遂げようとする五年生たちの奮闘ぶりを描いています。
そんな本作で活躍する「兵庫水軍」の6名(北村圭吾さん、新田健太さん、杉江優篤さん、薫太さん、橘龍丸さん、倉本発さん)に、今作についてお話をうかがいました!(稽古開始から2週間ごろ取材)
――兵庫水軍はミュージカル「忍たま乱太郎」としては第7弾から2作目の登場となりますが、どんな集団ですか?
北村 見方によってはヒーローにもなりますし、悪にもなるような集団です。もともと兵庫水軍というのは武将とかが海に出るときに護衛して、それを稼ぎにしたりしている人たち。だから誰の手下とかではなく、すごく中立な立場なんですよ。そういう意味では忍術学園とドクタケ忍者隊、もしかしたらどっちに転ぶかわからないのですが、今回は第7弾でたまたま忍術学園の人たちに僕(兵庫第三協栄丸)がお世話になったということで、今回のストーリーにつながっているような感じです。つまり義理人情で生きてる人たちですね。今の時代にこそ必要だと感じる人たちです。
橘 間違ってることを「間違ってるぞ」とハッキリ言える集団だと思いますね。どうしても社会で生きてると、それが悪だってわかってても言えないことってあると思うんですけど、兵庫水軍はそれを言える。その逆もそうで。今まで悪って言ってたけどいいヤツだったっていうのも普通はなかなか言えないですよね。でも兵庫水軍は自分たちで納得できれば「いいヤツだ」って言える懐の大きさがある。「ごめん」「ありがとう」が素直に言える、ハートのある集団だなって思います。
――今作ではどんなポジションになるのでしょうか。
杉江 (本シリーズでは)第7弾で忍術学園の六年生たちと出会って、今回の第8弾で初めて一緒に戦います。ただ今回のメインになる五年生とは初めて知り合うので、そんな彼らとどう関わり合って戦っていくのかっていうところが見所になると思います。
――皆さんの武器も特徴的ですよね。
杉江 船の上ならではの武器なんですよ。僕(鬼蜘蛛丸)だったら敵船にひっかけるだけじゃなくて、わかめも取れる。
一同 わかめ...(ざわざわ)
北村 漁師寄りになっちゃった(笑)。
杉江 (笑)。でも蜉蝣の兄貴だったら鯨もさばける武器だったりするし。
北村 二つ三つ使い方がある。「え!それをそう使うの?」っていう面白さもあります。
――それぞれの役柄も教えてください。
【兵庫第三協栄丸(ひょうごだいさんきょうえいまる)/北村圭吾】
北村 兵庫水軍の総大将ですが「なんでこの人が?」っていうタイプなんです。何かを主張して下を引っ張るタイプとは違って、周りが「俺たちがいなかったらあの人は」ってついてきてくれるような人で。そうやって普段は頼りないんですけど、大事な瞬間にはいい言葉を言うし、敵だろうが何だろうが一度何かを交わしたら認めることのできるし、実は熱い。見習いたいなと思いますし、演じていて楽しいです。
【蜉蝣(かげろう)/新田健太】
新田 船中四功のひとり、「舵とり」を努める役です。眼帯とひげが特徴のたくましい海の男という印象ですが、陸酔いしてしまうのが弱点です。
【鬼蜘蛛丸(おにぐもまる)/杉江優篤】
杉江 船中四功のひとりで海の状態や風を読み取り、舵の方向を告げる「山立」を努めています。基本的に紳士で礼儀正しい人物だと思います。でも戦いのときだったりドクタケ忍者隊と対峙するときは"海の男"らしさをどんどん出していけたらなと思ってますね。蜉蝣と鬼蜘蛛丸は陸に上がると陸酔いしてしまうので"海の上とのギャップ"というかわいらしい面もありますよ!
【義丸(よしまる)/薫太】
薫太 鉤役(かぎやく)という敵船に鉤をかけて引き寄せるっていう、まず先頭に立って戦う人間です。いつ死んでもおかしくないような特攻隊長で、明日死ぬかもしれないから毎日を楽しんで生きてるヤツやなと思っています。僕もそうなんですけど!
【舳丸(みよしまる)/橘龍丸】
橘 水軍のなかで一番寡黙でクールなキャラクターかなと思います。ただクールだからと言って冷たいわけじゃなくて、ハートはめちゃめちゃ熱い。なにかあれば一目散に飛び込んで命懸けでみんな守るぞっていうキャラクターなので、僕も好きで、演じててすごく楽しいです。
【重(しげ)/倉本発】
倉本 原作では兵庫水軍はもっといるので、重より下の人もいるんですけど、この作品では一番下のポジションです。だからその分、お頭や兄貴から愛情を受けてる子だなっていう風には思っています。未熟だけどそれでもがんばるっていうエネルギーを持っている子だと思います。ちなみに舳丸と重は「水練」っていう泳ぎの達人なんですけど、そこは舳丸を尊敬しているので、水軍の中でもこの二人はちょっと違う関係性だなと思います。
北村 初演からもガラッと変わってきているのと、稽古場の熱量がどんどん上がっていて、すごくいい感じですよ。座長の五年生たちが初演からさらに覚悟を決めてきているので、それに引っ張られますし、稽古場はどんどん熱くなってますね。
橘 五年生、初演のときは初めての参戦だったんですよ。僕らも初めてのときはあまり動けなかったり遠慮したりしたのでわかる部分もあって。
薫太 馴染んできた感じがあるよね。
新田 いい意味で余裕が出てきた感じがある。がんばれるベクトルがいっぱい出てきたというか。って僕もそうなんですけど(笑)。五年生とは同期なので。
――他のみなさんは第7弾からですが、新田さんだけ第8弾からですもんね。
橘 そんな感覚なかったですね(笑)。
北村 ずっといたような。
新田 それはみんながつくってくれたものですよ。
――兵庫水軍で一人だけ新キャストというのは大変でしたか?
新田 プレッシャーとかはありましたけど、今言ったみたいにみんなが迎え入れてくれたので大変ってことはなかったです。一生懸命できる環境をつくってくれて。だからミュージカル「忍たま乱太郎」っていいなってすごく思いましたね。
杉江 (キリッと)ファミリーですよ!これが!
一同 (笑)
橘 ここぞとばかりに入れてきたね(笑)。
――でも確かにミュージカル「忍たま乱太郎」ってそんな空気があるなと感じます。
倉本 第1弾からずっと受け継がれてきた雰囲気があるね。
新田 長くいる方たちが背中を見せてくれるというか。何かガツガツ言われるわけじゃないんですけど伝えてくれてる。そういうものを感じます。
杉江 それをまとめると"忍たまファミリー"です!
一同 (笑)。
――今回は再演ですが、初演を振り返るとどうでしたか?
倉本 作品のタイトルにも「がんばれ五年生!」って入ってますけど、それはやってる僕らも感じながらやってたというか。初めて入って急にメインでやってるから、そこでプレッシャーもあったでしょうし、どうしていいかわからないだろうなって。それは(初めて兵庫水軍が入った第7弾のときに)僕らも感じてたことなので。そういう意味で、ある意味お客さんと同じような目線で見れた現場だったかなという印象があります。それが再演になって五年生もさっき言ったように、しっかり引っ張ってくれるなって。その辺が変化かなと思います。
薫太 パワーアップしてますよね、五年生。
――兵庫水軍は今回、初演より出番が増えるそうですね。
橘 原作の先生から頂いた追加エピソードと詩があって、歌も一曲増えるんですよ。水練(舳丸と重)としての活躍シーンとか、水軍のみんなで海の男感を出せる場面も増えたので、お客様には楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。
――アクションも増えるんですか?
薫太 劇場が違うのでいろいろ変わりましたね。ワイヤーがない分、また違うアクションが見せられると思います。
橘 絡み方も変わるんですよ。
――アフターイベントの「アナザーストーリー」も新たなエピソードですよね。兵庫水軍が関係するのは【不破雷蔵・鉢屋三郎 & 兵庫第三協栄丸・兵庫第四協栄丸・重】、【久々知兵助・竹谷八左ヱ門 & 舳丸】、【尾浜勘右衛門 & 蜉蝣・鬼蜘蛛丸・義丸】という3つの組み合わせです。
倉本 これ、グループによってカラーが違うんですよ。
薫太 笑いもありつつ、深い関係性も見えてきますよ。
橘 僕らのは笑いもありつつゾッとします。
新田 ゾッとするの!? 気になる!
倉本 僕らはあまり本編で見せられないような絡みだし、そこは見どころかなって思います。
北村 ドタバタしてるけどほんわかしてる、一番わかりやすい話になるかもね。
新田 僕らもわかりやすいですからね!
薫太 なんで張り合うんですか(笑)。
――(笑)。みなさん本当に仲よさそうですね。どんなチームですか?
北村 各々が自分の役割をわかっているので自ずと動く感じですね。
薫太 あとは(北村)圭吾さんの目を見てね、「これやばいな」「やらないかんな」と。
一同 (笑)。
薫太 普段の関係性もお頭やなって感じがあるのでね。
北村 こんなこと言いながらすごいいじってくるんですよ!
薫太 (笑)。
北村 でも舞台上でもこの感じは自然と出るので、そこは忍術学園とはまた違うおもしろさかもしれないです。
――その仲の良さは大事にしてるところでもあるんですね。
薫太 うん、そうですね。
杉江 (キリッと)やっぱり一緒の船に乗って俺たちは戦いに行くわけなので...。
倉本 もう大丈夫です!
橘 おつかれさまでした!
一同 (笑)。
――皆さんの様子を見ていると舞台がより楽しみになります。最後に末っ子の倉本さんから読んでくださる方に一言お願いします!
倉本 五年生もパワーアップして、兵庫水軍も絆を深めて、新しい風のようなものを今稽古で一生懸命つくっています。ミュージカル「忍たま乱太郎」の新たな一面を観に、ぜひ劇場に足を運んでください!
公演は6月16日(金)~7月2日(日) に東京・サンシャイン劇場、7月21日(金)~23日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。