昨年10月にスタート、現在も好評放映中のアニメ『TRICKSTER』が早くも舞台化!
『TRICKSTER~the STAGE』が4月に開幕します。
日本の探偵小説の父、江戸川乱歩の『少年探偵団』を原案に、舞台を2030年を移し、少年たちが力を合わせ事件解決に立ち向かう物語。
世紀の犯罪者・怪人二十面相が起こす怪事件、
謎の探偵・明智小五郎のもとに集う少年探偵団、
そして探偵団のメンバーのひとりである小林少年は、正体不明の"モヤ"によって、"死ねない"身体に......。
めくるめく乱歩的妖しい不可思議と、SF的要素が絡まり、謎めいた物語が紡がれていきます。
「TRICKSTER PROJECT」はアニメ化、コミカライズ、舞台化、実写映画化とメディアミックスで展開、今回の舞台版は、そのプロジェクトのひとつ!
舞台版でも「近未来現代劇」というアニメの世界観を踏襲、ダンス・音楽・アクションを使ったダイナミックな演出で魅せていきます。
ストーリーは舞台オリジナルということで、アニメファンも新鮮に作品を観られること間違いなし。
キャストは細貝圭、鳥越裕貴、赤澤燈、赤澤遼太郎、輝山立、古谷大和、今川碧海、斎藤准一郎、山口大地、鯨井康介といった注目の若手俳優が揃いました。
3月21日は報道向けに稽古場の様子が披露されました。
その模様をお届けします。
披露されたのは3シーンです。
世の中では世紀の犯罪者・怪人二十面相が怪事件を起こしています。
世界的に有名なカメラマン・和田が何者かに拉致された。
その手がかりをといた明智が宮西刑事とともに現場に踏み込む。
犯人は一体...
いきなりの緊迫シーン!
そして怪人二十面相と明智小五郎がさっそくぶつかります。
怪人二十面相=細貝圭さん。
「私は人殺しを好まない」という主義を持ちながらも残忍な犯罪を繰り返す、大泥棒で変装の名人。
細貝さんのミステリアスなムードが、二十面相をどう彩っていくのか、注目です。
明智小五郎=鯨井康介さん
名探偵。ですがこちらもちょっと謎めいた人物です。
元傭兵ということで、ワイルドな雰囲気を鯨井さんが上手くかもし出しています。
明智と協力しあっている刑事、宮西琢巳=山口大地さん。
アニメでは語られない、怪人二十面相と明智小五郎の闘いに注目してください!
細貝さん、鯨井さんという実力派ふたりが、火花を散らします。
次の披露シーンは、小林少年たち・少年探偵団の人間模様が描かれていました。
舞台版オリジナルキャラクターである少年ルイトは、メンバーのひとり・花崎健介(赤澤燈さん/残念ながらこの日の稽古場には不在)のおかげで探偵団の仲間入りを果たします。
さっそくメンバーたちでサーカスに行く約束をしたのですが、それを断った小林を気にかけ、ルイトは小林の寝泊りする壊れた観覧車を訪れます......。
小林芳雄=鳥越裕貴さん。
「死ねない」身体を持ち、それがゆえに他人に心を開かない小林を、若き演技派・鳥越さんがシリアスな空気を纏い演じます。
少年ルイト=輝山立さん
輝山さん、ピュアな少年という雰囲気です!
余談ですがこの公開稽古の司会という大役を務めていた輝山さん。
場面紹介などを滞りなく説明したあと、共演者たちから「がんばった、輝山!」とねぎらいの拍手が贈られていました。
一方、かつて少年探偵団のリーダーとして明智の助手をしていた井上了は、幼馴染の勝田雅治をサーカスに誘いにいきます。
過去の事件のために、杖をついている井上了=赤澤遼太郎さん
同じく元少年団メンバー、勝田雅治=斎藤准一郎さん。
ふたりも過去にどうやら何かあったよう。
勝田は井上に負い目を負っているようで、「俺はお前のピンチには絶対駆けつける、一生」としぼり出すように語りかけます。登場人物たちが背負う過去、気になりますね!
最後はうってかわって、ダンスシーンの披露でした。
テーマ曲に合わせてスーパーダンサーズを従えた二十面相と新たな敵・ヘルクラウンの戦いが描かれます。
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のRJダンサーも多数いるスーパーダンサーズのダンス、迫力満点です!
ダンス中に赤澤遼太郎さんのアピールが飛んできました(笑)
公開稽古後には、キャストが公演に向けて意気込みも語りました。
細貝圭
「『TRICKSTER~the STAGE』はもともとアニメから始まった作品の舞台化です。舞台版はオリジナルストーリーで、アニメにはない物語です。より怪人二十面相と明智小五郎についてフォーカスされています。初めて観るお客さんにも、アニメをもともと知っているお客さんにも楽しんでいただける舞台になっています。
フレッシュな座組で、稽古も中盤に差し掛かりました。僕たちに今できる最大限をし、みなさんにお披露目できたらと思っています」
鳥越裕貴
「この役のお話をいただいて、アニメを見ました。鳥越裕貴を知っている人は、まさかこの「死にたい、死にたい」と言っている役を僕がやるとは思いもよらなかったでしょう! 本当にずっとずっと死にたい死にたいと言っている小林がどう変わっていくんだろうということが気になってこの仕事を仕事を受けさせていただきました。
小林芳雄が「死にたい、死にたい」と言っているその理由は何なのか、小林はどう生きていくのか、花崎とどうなっていくのか、鳥越裕貴は演じきれるのか。小林の生き様に、ご期待ください!素晴らしいカンパニーで千秋楽までぶち抜いていきます!」
赤澤遼太郎
「アニメで井上くんは車椅子を使用していますが、舞台では車椅子ではなく、杖を使っています。また新たな井上くんの一面を見せられるのではないかと思っています。"杖の井上了くん"をよろしくお願いします(笑)。そして、アニメのファンの期待にそえるような素敵な舞台にできればと思います」
古谷大和
「ご覧のとおり仲の良いカンパニーです。舞台は歌、ダンス、殺陣と盛りだくさん。ただでさえその世界観や、アニメのキャラクター(に近づけるなど)を考えながらやらなくてはいけない。その上での歌やダンスをするというのが本番までにもっと深めなければいけない課題だと思っています。話もオリジナルですし。楽しい舞台になるんじゃないかなと感じています」
斎藤准一郎
「みどころはたくさんありますが、舞台はアニメと違い、オリジナルストーリーです。そこに殺陣とダンスと歌も入っているので、迫力満点の舞台になること間違いなしです。アンサンブルが、アクションアンサンブルとスーパーダンサーにわかれていて、みんなの得意分野が結集したチームになっています。そこが見どころです。
素敵な舞台を目指して、精進します」
山口大地
(司会の輝山さんに「最近おこった稽古場での面白エピソードを」と振られ、まわりのメンバーから「あるんだろうなー」「5倍くらいにして面白く語るんだろうなー」「話すの上手いからね!」とひとしきりハードルを上げられる山口さんです...)
「......話にくいわ(笑)! 今日いない山根たすく役の今川碧海くんは、初舞台の18歳なんですよ。彼、舞台の上で手を広げるポーズをするんですよ。そのとき腰がギューン!ってなってお尻プリーン!ってなるので、「どうしたどうした」ってみんなで言ってます。(「どうしたはこっちのセリフだ!」等々やんややんやとなる一同)。...という話じゃなくて! 先日鯨井君と細貝君と2日連続カレーを食べたんですが、「えー昨日もカレーだった!」という超面白くない話もありますが...(「伝わらない!」「今のじゃ伝わらない!」とまたもダメ出し)...これだけ盛り上げたので許してください!
いい作品はいい座組からしか生まれないと思っています。みんなで力を合わせて、いい作品にしていきたいと思うので楽しみにしていてください」
▽ わちゃわちゃと楽しそうな男子たちです
鯨井康介
(鯨井さんには「お気に入りのキャラクターは?」というお題が...)
「自分以外には興味ないので...(笑)。ここにいるメンバーみんな、それぞれ模索しながらやっています。ここにはいませんが花崎役の赤澤燈くんもとてもキャラクターにぴったりで、明るくてムードメーカー。個人的に彼は役にぴったりだなと思っています。みんなは意外とキャラクターと個性が違うところもあるよね? 本人と役のギャップも見どころのひとつになってくるのかなと思っています。(「質問に答えてなくない?」という一同の声に応え)...答えたでしょ!だから、お気に入りは燈!! ここにいるお前らじゃないの!(一同爆笑)...じゃあ、しゅん君!准一郎くんとは僕は同い年ですが、彼は少年役をやっています。現場では「こどもおじさん」と呼ばれています、こどもおじさんにご期待ください(笑)。
...アニメファンの方にも、この作品を初めて見る方にも、ひとつの作品として喜んでいただけるように僕たちは精一杯頑張っていきますので、お楽しみにお待ちください」
輝山立
「オリジナルキャラクターとして出演させていただきますが、原作のキャラクターである皆さんとどう絡んでいくのか、個人的には作品をかき回して、いい意味で盛り上げられるように頑張りたいと思いますのでご期待ください」
囲み取材の司会まで務め上げたこの日の功労賞、輝山さんでした!
取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)
【公演情報】
4月12日(水)~16日(日) Zeppブルーシアター六本木(東京)