海老澤健次×斉藤秀翼『コンチュウジャー』昆虫戦士対談「顔圧でいく!」

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『昆虫戦士コンチュウジャー~ただの再演じゃ終わらない、そうだろみんな!?~』が5月に上演されます。サブタイトルからもわかる通り(!)、本作は昨年6月に上演された『昆虫戦士コンチュウジャー』の再演。一部キャストが新たになり上演されます。

劇団「犬と串」のモラルさんが作・演出の本作は、地球の味方・昆虫戦士コンチュウジャーたちと侵略者・爬虫類帝国四大幹部との戦いの物語。あの手この手を使って侵略を試みる爬虫類帝国に対し、ヒーローらしく戦いでケリをつけようとする戦士たち...に割って入り、これまたさまざまな方法で平和的解決を提案していく中年戦士(モト冬樹さん)のお話――かな~りシュールなヒーローコメディです。

そんな本作に今作から参加する海老澤健次さんと、初演に続き出演する斉藤秀翼さんにお話を聞いてきました!

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海老澤さんが演じるのは、万里チョウジ。コンチュウジャーのリーダーを自称する青年で、熱血漢だがあまり賢くなく、よく空回りする。昆虫戦士としてのモチーフはカブトムシ。「そうだろ、みんな!?」が口癖で、熱くないことが大嫌いなので、ゆるい雰囲気の時羽奏(モト冬樹/本田礼生)と対立するが...、という役どころ。

斉藤さんが演じるのは、エッフェル・トーマス。世界で自分が一番美しいと思っているナルシストで、そこが揺らぐと自我が崩壊する。コンチュウ戦士としてのモチーフはアゲハチョウ。生まれつき多才であるため「努力の力」を認めようとせず、また周囲に対しても一歩引いたような態度が目立っているが...、という役どころ。
――おふたり仲がよさそうですが、もともとお友達なんですか?
海老澤「二度共演してるんですけど、絡んではないよね」
斉藤「戦隊モノ(『獣電戦隊キョウリュウジャー』)では、えびちゃん(=海老澤)の演じた(御船)士郎を失ったことで僕のお話が進んでいく、すごく大事な相手でした」
海老澤「ただ現場はすぐ終わったしね」

――でも仲良さそうですね。
斉藤「だからなんで?って感じですよね(笑)。でもえびちゃんが出るってわかって、これは飲みに行っちゃうなあって思いました」

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――この作品はタイトルも戦隊モノだし、おふたりも経験者ですが、いわゆる戦隊モノとは違うシュールさがありますよね。
海老澤「初演を観ていて、最初に司会のお姉さんが出てきたときから『これはどういう展開になるんだろう』と思いました。芝居では団体芸というのかな(笑)、みんなのタイミング、バランスを合わせるものが多くて。そういう部分で、熱い人が集まったカンパニーなんだろうなっていう感じは伝わりました」
斉藤「この作品って劇団『犬と串』のモラルさんが作・演出で。その『犬と串』だったりモラルさんがやってこられたことって、僕らがやってきたこととはけっこう違う世界だったりジャンルのことで。そういう人たちが集まって一個の作品をやる、ということが面白い部分だったと思いますね」

――ご自身の役柄はどうですか? 海老澤さんは熱血漢で言ってしまえばウザい感じの役柄です。
海老澤「本当にレッドですよね。熱く、空回りしながらも、奥深くではなにか考えてるっていう」
斉藤「念願のでしょ?」
海老澤「念願の! レッドができるという驚きと喜びもありました」

――今作からの参加ですが、ご自身の色はどんなものになりそうですか?
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海老澤「基本、顔がうるさいので(笑)。その辺は(前作で演じた)馬場(良馬)くんよりはちょっと出せるかな」
斉藤「顔圧ね」
海老澤「顔圧。言葉よりも顔圧でいくタイプだと思う(笑)。それも年々強くなってるので、オリジナリティとして出していけたらいいかな」
斉藤「僕的にえびちゃんはあのキャラクター性に対してすごくしっくりきてる。前に共演したとき、ほぼ全部アドリブのシーンでめちゃくちゃおもしろかったんですよ。だからきっと今回もおもしろいお芝居をしてくれるだろうなって」
海老澤「うん、顔で(笑)」
斉藤「(笑)。でも難しいですよね、前に演じてる一個の形があるって。そこに引っ張られたくないって言っても影響は受けるだろうし」
海老澤「あるだろうね。オリジナルで作られたものなので。でもまだ時間はあるし、とりあえず"熱く"毎日生きて(笑)、そこからなにかを見つけたい!」

――斉藤さんは初演で演じてみてどうでしたか? ナルシストな役柄ですが。
斉藤「一見クールなあまりいろんなことに対して動じない役なんですけど、そういう立ち位置でありながら団体芸もやらなきゃいけないというところは、おもしろくもあり難しくもありでした。ただ全体としてあんまり違和感はなかったです」

――ご自身との共通点が?
斉藤「僕は基本的に人が好きなんですよ。人付き合いとかも好きだし。だけどこの役のあんまり他人に関心がない、僕は僕だからいいじゃないっていうのもすごく理解ができて。そのさじ加減がトーマスの場合は極端ではあるけど。そこは共通してるところかもしれないですね」

――この座組の面白さにモト冬樹さんの存在があると思うんですけど、モトさんってどんな方なんですか?
海老澤「それ、知りたい!」
斉藤「フラットにいてくださる。最年長で大ベテランなんですけど『俺もみんなと一緒だし、なんなら友達って感じでいいから。俺もみんなから学ぶことあるしさ』みたいなことを普通に言ってくれて。そうなると僕らもディスカッションできるし、お芝居で困ってたら『こうやってみたらいいんじゃない?』って言ってくれたりもして。僕、すごく素敵だなって思ってます」

――大先輩として影響を受けた部分はありましたか?
斉藤「モラルさんがやりたいこととか、僕らがやろうとしてることとかに対して、役者として当事者ではあるんだけど、ちょっと違う目線でポンと言ってくれたりとか。そういうのってやっぱり経験から出てくることだし、言葉だったり言うタイミングも選んでおっしゃってたと思うんですよ。すごく勉強になりましたね」

――モラルさんの演出はどうでしたか?
斉藤「チーム感。いろんなキャストがいろんな事務所から集まってやる作品の一体感もあるんですけど、やっぱりこの作品で一個肝になってるところに『劇団』というものがあって。僕は劇団のノリが初めてだったので、団員の方がいて、僕らがいて、その中で生まれる笑いだったりは新鮮でした。それと、もちろんプランとして『こうやりたい』ってのもあるんだけど、基本足すのが好きな人なので、僕らも『こういうのどうですか?』って出し甲斐があった。膨らませる作業を好意的に受けてくれる方なので、やりやすかったです」
海老澤「意見をどんどん出しながら作り上げていくっていうのは楽しみだな」
斉藤「モラルさんとはけっこういろんなことを話しましたよ。だいぶ熱い想いも聞いちゃって、居酒屋で。モラルさん、泣いてましたから。ずっと小劇場でやってきた方だから、いろんな想いもあって。そのときに『また来年やりたいんです!』って言っていたので、今回は『できたね!ハッピーだね!』っていうのもあると思う」
海老澤「うわーそうなんだ!」
斉藤「去年ブログに熱いこと書いてたんだよ。本人には(読んだって)言わないよ? でもさ、それ読んで、現場での居方というか意識はちょっと変わった。この人はこの作品にこんだけの想いを乗せて、背負ってるんだっていうのがわかったから」
海老澤「とりあえず帰ったらブログ見ます...!」
斉藤「(笑)。まだあるかな。ジーンときますよ」

――海老澤さんは楽しみにしてることはありますか?このカンパニーで。
海老澤「はじめましての方が多いので。新しい演出を受けたりとか、新しい環境っていう中で、自分が学んできたことも出しつつ、新しいものも取り入れつつ、いろいろ試せるのはワクワクしますね。現場はピリピリしてる?」
斉藤「基本的に作品が明るいからね。芝居で言ったことが面白くて笑いが起きて、そこから派生して、みたいなことも当然あるし。楽しいですよ」
海老澤「もう不安はないです。全力でいくだけです!」

――最後に一言お願いします!
海老澤「初参加ですが、僕の持ってるものを全部出し切って、初演のよさも残しつつ新しいものをつくれるように全力でがんばりたいと思います!」
斉藤「再演やるからにはさらに面白くなきゃっていうのを絶対忘れないように、取り組んでいけたらいいなと思ってます!」

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公演は、5月10日(水)から18日(木)まで東京・あうるすぽっとにて。

取材・文:中川實穗
撮影:石阪大輔

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