井上芳雄「ブロードウェイの風と日比谷の風を吹かせます」――トニー賞コンサート in TOKYO いよいよ開催! ミニ会見レポート

米ブロードウェイの、そして世界最高峰の演劇賞、トニー賞
その授賞式の模様を毎年生中継しているWOWOWが、開局25周年記念イベントとして日本で初めて開催する、トニー賞公認のミュージカル・コンサート「トニー賞コンサート in TOKYO」がいよいよ明日・3月18日(土)に迫ってきました。

3月16日には、出演キャスト4名による会見が開催。
その模様をレポートします。
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出演には、日米を代表するミュージカルスター4名が集いました。

渡辺謙との共演が話題になったブロードウェイミュージカル『王様と私』で第69回トニー賞ミュージカル主演女優賞を受賞したケリー・オハラ
ケリーさん、初来日!です。
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「私は一年間ほど、『王様と私』という作品で渡辺謙さんとご一緒させていただきました。今回、実際に日本に来て、彼は本当に日本の皆さまを象徴するような方だったんだなということがわかりました。彼は本当に親切で、美しくて、勤勉で、クリエイティブで才能豊かな人。日本の皆さまに会いたいなと、渡辺さんとご一緒したことによって思って、今回のコンサートのお話に飛びついたのですが、本当に日本は私の想像どおり。皆さん美しくて、親切で、綺麗で、勤勉で、才能豊かな方々。このような機会に呼んでいただいて嬉しく思っております。そしてその感謝の気持ちを表現し、ありがとうというために、私は土曜日の舞台を一生懸命務めたいと思います」

ちなみに前述した『王様と私』は、渡辺謙さんがトニー賞にノミネートされたこともあり、日本でも大きな話題になっていましたが、その中のナンバーもありますか?との質問について、ケリーさんは

「『王様と私』へのトリビュートの部分というのは、あると考えていただいていいんではないかなと思います。私も作品から歌を歌わせていただきますし、もしかしたらスペシャルメッセージ的なものも...あるのではないかな!? なんて思っております。ビデオもあったりします。なので、王様と私という作品をしっかりと、舞台上で表すことが出来るのではないかと思います」

とのこと!

さらに「NYで公演をやっている際には、たくさんの日本のお客さまが駆けつけて観てくださって、客席の半分が日本人のお客さまなのではというくらいだった。本当に感謝の気持ちです。...もしかしたら、(作品が)東京に来ることなんかがあるかも、しれないですよね?」というひと言も。
いや、実現して欲しいですねー!

▽こちら、何をしているかと言うと、通訳さんが訳しているあいだ、ケリーさんがその日本語を話している風に口パクをしていたのでした。お茶目!
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日本でも大ヒットしたアメリカのTVドラマ『glee/グリー』のウィル・シュースター先生役で人気を博し、『ライト・イン・ザ・ピアッツァ』で第59回トニー賞ミュージカル助演男優賞にノミネートされたマシュー・モリソン
マシューさんも、初来日。とっても気さくな方のようです!
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「私は本当に若い頃に、自分のパッションがどこにあるかということに気付けて(=音楽、ミュージカルに向かっている)幸運でした。そして今回、日本に来て、日本の皆さまのために歌い、そして自分のパッションを皆さんと共に分かち合うことができて嬉しい。
そのパッションは、ケリーさんも持っていらっしゃいますし、日本のおふたり(井上、濱田)もお持ちだと発見したところです。
私たちが愛してることを皆さんの前でやることが出来るというのは、本当に恵まれていること。ぜひ、楽しみにしていてください」


そして、日本ミュージカル界のトップスター、井上芳雄
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「とにかく、まず、ケリーとマシューが日本に来てるんだということを声を大にして、日本の全国民にお知らせしたい! このコンサート、チケットが幸いソールドアウトしていますが、WOWOWで生中継するというのが画期的。僕、生中継でコンサートって初めてです。(濱田さんに)したことあります?(濱田「あるわけないじゃない...) ねぇ?
僕たちはもうひっそりと劇場でやってるのが生業なのに(笑)、それを中継しちゃう、それもすごく大きな目玉。今からでも遅くないんでWOWOWに加入していただいて、一緒に体験してください(笑)。素晴らしいミュージカルの名曲をたくさん僕たちで歌います。生なので、歌詞を忘れたり、ちょっと尺がはみ出て、途中でぶつっと切れて終わるかも知れませんが、それも含めて生の面白さを皆さんと一緒に体感、共感できたらと思っています」

...井上さんのご挨拶にマシューさん、大ウケでした。。
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こちらも日本を代表する歌姫、濱田めぐみ
「実は私が今一番、誰よりもワクワク楽しみにしているのではないかと思いながらお三方のお話を聞いていました。今出来る限りの自分のエネルギーとパワー、そして愛を舞台上に注いで、楽しい、素敵な舞台になるように、頑張りたいです」
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もう少し、質疑応答の様子をお伝えしましょう。

――初来日のご感想をお願いします。

ケリー「初めての来日ですが、本当に日本は美しい国だなと思っています。細かいところまで心が行き届いている。築地には行きました。あとはお寺にも行きましたし、文化そのものに完全に魅了されています。日本のみなさんも本当に美しくて、優しい方たちばかりだと思います。日本食は、お寿司もお刺身もてんぷらも食べました。あとまだ3日ありますので、3日の間に食べられるもの全部食べたいと思っています」

マシュー「私も日本に来るのは初めてですが、本当に素晴らしい国だなと感じています。きめ細やかで、心が行き届いたものが多く、建物に入ったりしても物の配置といったようなものが完璧に考え抜かれている。妻と一緒に京都に数日行ってきましたが、そこでは着物を着たり、街の中をたくさん観光しました。伏見稲荷にも行きました。日本は豊かな歴史ががあり、人々も文化もとても美しい国だなと感じています」


――井上さんと濱田さんに会った感想はいかがでしたか。

ケリー「最初の印象が、もううわっと驚くぐらい本当に美しく素敵な方々だなと思いました。さらにいろいろお話をしたり、一緒に歌わせていただく中で、彼らの声や歌い方が本当に美しく温かく、見た目の美しさと内面の美しさがマッチされている方々だと思いました」

マシュー「もうすでに、めぐみさんにちょっと恋をしてしまっています(笑)。今ここで告白しておきます。芳雄さんに関してはちょっとライバル心を感じています(笑)」
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△「この、このぉ~」「なんだよー」的なくだりも(笑)

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△ 仲良さそうで、いいですね~!


――逆に井上さん、濱田さんは、おふたりにお会いした印象は?

井上「まず最初にお会いしたときは、「本物だ!」って感じがしました。「本物が来た!」って。別にそっくりさんが来るとか、疑ってたわけじゃないんですけど(笑)。本当におふたりが来てくださったんだという喜びが増しました。そして一緒にお話したり、特に一緒に歌わせてもらうとわかることが多くて。これから一緒に4人でコンサートができるんだっていう実感が湧いてきて、すごく嬉しいです」

濱田「昨日の夜からすごく緊張してたんですけれども、お会いしたら、すごく温かくて、すごくフレンドリーに接してくださって。一気に打ち解けました。歌ってる時はやっぱりすごく楽しいので、明後日のコンサートがすごく楽しみです」


――明後日のコンサートは、どんなものになりますか。

ケリー「今回私たちは、トニー賞というものがいったい何なのかというところを代表して、コンサートさせていただくという思いがあります。それが何かと言いますと、舞台で行われている芸術というものを祝って、それに対する愛情を表現するということではないかと思います。たとえば我々が出演してきたもの、日本のおふたりが出演してきたものがあり、その中からデュエットやソロナンバーがあり、または昔の作品、新しい作品があり。たくさんの楽曲を聴いていただき、そしてそれに対する愛情というものを表現していきたいなと思います」

マシュー「来日する前にEメールでこのコンサートに関してやりとりしたり、楽譜をいただいたりして、こんな風になるのかなという情報はあったのですが、実際稽古場で皆さんの声を聴き、一緒に歌い、お会いすることで、本当に生き生きとしたコンサートになるのではないかなと思っています。そして我々が常にやっていることを、みなさんの前で代表して見ていただけるといいなぁと思っています」

井上「まずこれ、画期的なコンサートだと思うんですね。トニー賞が公認してくれて、日本でコンサートが出来るというのは初めてのこと。それに本当にブロードウェイのトップスターであられる、おふたりが来てくださっている。ちょっと稽古場でおふたりがデュエットしてるの見ただけでもう、ものすごいブロードウェイの風が......タイムズスクエアの風が...ぶわ~っ! と吹いてて、スゴイ(笑)。ですので、まずそれを日本のお客さまに感じていただきたい。そして僕たちもね、日比谷の風を(笑)、吹かせて。一緒にコラボレーションすることに意味があると思います。また、僕の個人的な願いなのですが、WOWOWさんと共にずっとトニー賞と関わらせてもらって、いつかやっぱりトニー賞のような大きな賞を日本にも生み出したいっていう願いがあります。その足がかりになる、とても大事なコンサートだと思います」

濱田「まずこの場に自分がいられること、素敵な3人と共演させていただけることに、すごく感謝しています。今回、舞台と音楽を通じて、やっぱり世界はひとつ...言葉が通じなくても、ひとつの愛で包まれてる世界を舞台上で表現できたらなと思っています。絶対楽しく、ワクワクするコンサートになりますので、楽しみに待っていていただければ」


会見ではケリーさんとマシューさんに、提灯のプレゼントが贈られました。
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マシューさんは「今回の僕のミッションは、日本語で自分の名前が書けるようになること。これを見て練習します!」と仰ってました。
ケリー「どうやって持って帰ればいいのかしら」
井上「これ、折りたためるんですよー(提灯を畳む)」
ケリー「wow!」
といったやりとりも...。

取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)

【公演情報】
「トニー賞 コンサート in TOKYO」
・3月18日(土)18:00  東京国際フォーラム ホールA
・出演:ケリー・オハラ、マシュー・モリソン、井上芳雄
3月18日(土)18:00より、WOWOWにて生放送

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