ミュージカル『プリシラ』山崎育三郎×ローラン・バン(仏版ティック)による豪華アフタートークレポート

チケット情報はこちら


現在、東京・日生劇場にて日本初演が上演中のミュージカル『プリシラ』
3人のドラァグクイーンが、1台のバス「プリシラ号」で旅をするドタバタ珍道中を描いた、派手で華やか、かつハートフルなミュージカルです。
劇中に登場する、往年のヒット・ソングの数々も楽しい一作!

この作品の中で、ドラァグクイーンとして華やかなショーに立ちながらも自分のジェンダーに悩み、妻と別居し息子と対面する勇気がもてない主人公・ティックを演じているのが山崎育三郎さん。

12月12日、その山崎さんと、来年開幕するフランス版でティック(※フランス版ではDick)を演じる"フレンチ・ミュージカル界の貴公子"ローラン・バンさんのアフタートークが開催されました。
その模様をレポートします!

priscilla1212_00_2971.JPG
終演後、すぐに開催されたこの日のトークショー。
観劇されたお客さまがそのまま参加されました。


「今日はスペシャルイベントということで、なんとフランスからお客さまがいらっしゃっています。この『プリシラ』は世界中で上演されていますが、日本では今回が初上演。そしてこの日本の次に上演されるのが、2017年2月、フランス・パリの公演です」という説明のあと、山崎さんが客席にいたローラン・バンさんを呼び入れました。
priscilla1212_02_3212.JPG

山崎さん曰く「フランス・ミュージカル界の貴公子」というローランさん。
映画『オペラ座の怪人』のフランス語吹き替え版でファントムを務めているほか、『ノートルダム・ド・パリ』『ゾロ』『ロックオペラ モーツァルト』など数々の舞台にひっぱりだこ。
アジア圏でもとっても人気の高い俳優さんです。
山崎さん、「今日の公演はいかがでしたか?」と訊きながら、それに答えるローランさんの声をきいて「...いい声~!」と感嘆の声を上げていました。
priscilla1212_04_3319.JPG

で、ローランさんの感想はこちら。
「実は、すでに5日ほど日本に滞在しているのですが、時差をくらってしまって、まったく寝ることができなかったんです。せっかく応援に来たのですが、公演中寝てしまうんじゃないかととっても怖かったんです。ところが時差はどこへやら、踊りまくってしまいました!」
...と、楽しんでくださった様子。
priscilla1212_05_3231.JPG

その後、山崎さんと、作品についてのトークを。

山崎「フランス公演も来年始まるとのことですが、お稽古は始まっているんですか?」

ローラン「来年2月25日からパリで上演されます。ですのでまだ稽古は始まっていないのですが"女性ってどんなものか"というのを勉強しているところ。今日の山崎さんのように完璧に行けばいいのですが...」

山崎「ティックという役はどういうふうに作っていきたいと思ってますか?」

ローラン「まずは山崎さんの真似をしようと思っています」(場内笑)

山崎「じゃあ...前髪パッツンで(笑)」

ローラン「まずは髪型から真似して(笑)。そのあたりは山崎さんには絶対勝てそうもありません。でもすごく素晴らしかった。ティックという役は、はしゃいだりみんなを楽しませる一方で、自分の内面にこもってしまうような、ふたつの反する面がある。すごく役者にとってはやりがいがある役。山崎さんが今日、笑って、同時に泣いていらっしゃって、素晴らしいと思いました」

山崎「ティックという役は、稽古がはじまったときから(演出の宮本)亜門さんと相談しながら作ってきたんですが、自分の内面的な部分がすごく大きくて、あまり自分を表現する人じゃない。バーナデットとアダムは、ものすごいキャラクターなので(笑)、その間に挟まれながら、どういう自分を出していこうというところがすごく悩みました。ティックはふたり(バーナデットとアダム)に対しても自分の性別をはっきり言えないとか、色々なことが複雑なんですね。ティック自身も、自分自身って何なのよ、僕にとっての幸せって何だろうということを、この旅の中で探していく。彼の成長のストーリーでもあるんじゃないかなと僕は感じています。
......ローランさんがティックを演じるとき、ぜひ観たいなあ」

ローラン「電話してくださればいつでもすぐご招待します。僕のうちに来てくださってもかまいません」

山崎「じゃあバーナテッドとアダムを連れていきます!」

ローラン「バスで来てくださいね」(場内拍手)
priscilla1212_03_3259.JPG

...と、作品について語る一方で、山崎さんの「ぼく、フランスのミュージカルといえば『ロミオ&ジュリエット』でロミオをやったことがあるんですが」という話から、ふたりで『ロミオ&ジュリエット』の「エメ」をひとふし、アカペラで歌い上げたりも!

▽ ♪エーメー♪と立ち上がって歌いだす山崎さん...。ローランさんも「じゃあ僕がジュリエットをやりましょうか(笑)とノリノリでした。
priscilla1212_06_3246.JPG



そして劇中歌、「TRUE COLORS」(もともとはシンディ・ローパーの歌ですね)をふたりで披露!
「僕が日本人でローランさんがフランス人。日本語とフランス語のどっちでやろうかなって悩んだんですよ」(山崎)、「じゃあ間をとって英語はいかがでしょう」(ローラン)...ということで、英語版となりました。
priscilla1212_11_3274.JPGpriscilla1212_12_2993.JPGpriscilla1212_13_2989.JPG

最後にローランさんが
「日本の方はとても幸せだと思います、こんなに素晴らしいミュージカル俳優がいらっしゃるんですから! 僕、別のミュージカル(『ロックオペラ モーツァルト』)でサリエリをやってたことがあるんですが、(『モーツァルト!』でモーツァルトを演じている山崎さんとは)敵対していた役どうし、モーツァルトさんとサリエリが、仲良く同じティックとして歌えてとても嬉しかったです。
僕、これで日本は6回目なんです。ぜひあと2000回は来たいと思ってます(笑)! 来年の2月25日からパリで『プリシラ』を上演します。山崎さんはもちろんご招待いたします、皆さんもご招待しますので自前できてください(笑)」

山崎さんが
「この作品は本当にお客さまの反応がすごくて、お客さまとともにこの作品を作っているんだなと毎日実感しています。日々カンパニーも成長しています。もっともっと面白くなっていくと思いますので、ぜひまた劇場で皆さまとお会いできることを楽しみにしています。本日はありがとうございました」

とご挨拶して、この日のイベントは終了しました。
公演は12月29日(木)まで。
演出の宮本亜門さんのツイッターによると「再演はなし」とのことですので、お見逃しなく。
priscilla1212_14_3283.JPG
取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)



【『プリシラ』バックナンバー】

【『プリシラ』公演情報】
12月8日(木)~29日(木) 日生劇場(東京)

チケット情報はこちら

前の記事「「今まで聞いたことないような"あの台詞"になると思います」橋本さとしが鬼才マイケル・メイヤー版『お気に召すまま』を語る」へ

次の記事「開幕中の『プリシラ』稽古場レポート・その1」へ

カテゴリー

ジャンル

カレンダー

アーカイブ

劇団別ブログ記事

猫のホテル

文学座

モナカ興業

谷賢一(DULL-COLORED POP)

劇団青年座

劇団鹿殺し

 はえぎわ

柿喰う客

ONEOR8

M&Oplaysプロデュース

クロムモリブデン

演劇集団 円

劇団チャリT企画

 表現・さわやか

MONO

パラドックス定数

石原正一ショー

モダンスイマーズ

ベッド&メイキングス

ペンギンプルペイルパイルズ

動物電気

藤田記子(カムカムミニキーナ)

FUKAIPRODUCE羽衣

松居大悟

ろりえ

ハイバイ

ブルドッキングヘッドロック

山の手事情社

江本純子

庭劇団ペニノ

劇団四季

演劇チケットぴあ
劇場別スケジュール
ステージぴあ
劇団 石塚朱莉