役者としてのみならず、クリエイターとしても注目を集めている池田純矢さんが作・演出を手がける「エン*ゲキ」シリーズ。その待望の第2弾『スター☆ピープルズ!!』が2017年1月に幕を開けることになりました。今作も舞台は宇宙。描かれるのは、ある重大な危機に直面する惑星から、その危機を乗り切るために地球へと出発した7人と、地球の科学者の物語です。役に立ちそうにない"特殊能力"を備える7人が、地球人と出会うことで何かが起きる!? という笑いと奇跡が詰まったエンターテインメントに、強力なキャストも揃いました。そのなかから、惑星人のスター役を演じる鈴木勝吾さん、ライト役の赤澤燈さん、ビーム役の井澤勇貴さんが揃い、シャイン役で出演もする池田さんとともに、作品について語ってくれました。
(前列:池田純矢、鈴木勝吾 後列:赤澤燈、井澤勇貴)
──キャスティングも池田さんが担われていますが、この顔ぶれはどう決まったんですか。
池田「自分で演劇作品を作るうえでは、やっぱり自分のやりたい人としかやりたくないという思いがあって。本はキャスティングを考えずにただただ書きたいこと、作りたい役を作ったんですけど、そこにハマる人たちで、自分の大好きな人たちを呼んだら、結果、こうなりました(笑)」
池田純矢
──池田さんから声がかかって3人はいかがでしたか。
鈴木「単純にうれしかったです。池田純矢が自分のやりたいことを押し通してる姿っていうのはすごくまぶしく思ってましたし、それを実現するためのひとりに選んでくれたのはすごく光栄だなと」
赤澤「純矢くんとは面識はあったんですけど、共演経験はなかったので、まずびっくりしました。でも、自分で作、演出するっていうことは、いろんなことを賭けてるだろうし、簡単にできることではないと思うから。これはやらなきゃなって思いましたね」
井澤「僕のなかで池田純矢っていうのは、簡単な言葉で言うと、すげーヤツなんですけど」
池田「本当に簡単だな(笑)」
井澤「いや、でも、そう言うしかないぐらいカッコいいんですよ。役者としても、自分にも周りにも厳しく、妥協をせず、ストイックに突き詰めていく。その人が声をかけてくれたっていうのは、本当にうれしいですよね」
鈴木勝吾
──3人に池田さんが求めるものは?
池田「しょうちゃん(鈴木)には主人公のスター役をお願いしてるんですけど、今まで評価されてきた部分や、僕がステキだなと思う部分を全面的に出す役ではないところが、すごく挑戦的だと思ってるんです。鈴木勝吾をそんなふうに使う演出家がいないんだったら、親友でありライバルである近しい僕がやってやろうと思って(笑)」
鈴木「確かに、僕自身、トリッキーな役とか飛んでる役のほうが楽しいから好きで、こんな普通の役はほとんどやってないんですよね。でも、どんな役でも僕は物語の世界を生きることが楽しいので、純矢の言うことを聞いて、物語を楽しみたいです。演出されたら腹立つのかもしれないけど(笑)、普通な分、色をなくして、スタンスを広く取っていきたいかな」
池田「赤澤くんはスターの親友のライト役をやってもらうんですけど、何を考えているのかわからないミステリアスな役で、そこが赤澤くんのキャラクターに重なるなと思ったんです。対面したときにあまり内面を感じさせない。彼の舞台を観たり、食事をしたりしたときに、そこが好きだなと思って」
赤澤燈
赤澤「キャラクターとしてはけっこう難しいなと思うんですけど、物語の道筋を指し示していく役でもあるとも思うので、主人公のスターを輝かせる"ライト"でありたいなと思います」
池田「上手いこと言った(笑)。あと、井澤は、器用で何でもこなせるからこそ、器用さだけでは通用しないビーム役をやってもらって、壁を与えたいなと思ってます」
井澤「まさしくやったことないからね。こういう強いというか、発散するような役は。じゃあ、試練を与えてくれるんだったら、その恩返しに、壁を乗り越えて、『見たか』って、言ってやりたいと思います(笑)」
井澤勇貴
──この作品で目指すところは?
池田「それは第1弾のときと変わらないんですけど、貴重な時間とお金を割いて観に来てくださる方に『あー面白かったね』って帰ってもらえるエンタメを提供すること。誰が観ても面白くて、笑ってちょっとホロリとなって、というものを作っていこうと思ってます」
鈴木「脚本を読んでるだけで面白いし、笑いもちゃんと計算されて書かれてるから、信じて乗っかれるし。お客さんで観たい(笑)」
井澤「それ、すごくわかる。でもとにかく、この作品にとっていいスパイスになれたらなと思います」
赤澤「純矢くんの世界がちゃんと描けるように、ホント、一生懸命やるしかないですね」
(取材・文:大内弓子)
赤澤燈、鈴木勝吾、池田純矢、井澤勇貴
エン*ゲキ#02『スター☆ピープルズ!!』
2017年1月5日(木)~1月11日(水)
東京・新宿東口・紀伊國屋ホールにて。
作・演出 池田純矢
出演 鈴木勝吾 透水さらさ 赤澤燈 井澤勇貴 吉田仁美 オラキオ 池田純矢 酒井敏也
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