まだ"白い"キャラクターに挑む
原作ものではあるが、コミック一巻が発売されたばかりの本作。
主人公リッカ役の植田圭輔さんに想いを聞いた。
「一見かわいらしい外見が目につきますが、内心何かの闇を抱えていて、それがふとした表情に出るとか。
そういうキャラクターって実は芯が強くて、僕はすごく愛せるタイプのキャラクターだと思います。
今まで意外とこういう役をやったことがなく、まず品のいいおぼっちゃまなので、僕とは完全に違いますね(笑)。
でも足にハンデを抱えている所とか、自分が挑戦するところはいっぱいありそうです。
稽古の中で見つけることがたくさんあると思うので、作っていく上で楽しみです。」
――植田さんは色々なキャラクターを演じることが多いですが、役をもらった時にどういう作業からはじめるのですか?
「最初から自分でキャラクターを固めすぎないことを大事にしています。演出家はじめ、原作関係者や舞台のスタッフさんたちそれぞれの思いがあると思うので。それらを総合して僕らが前にでて演じるので、本当に共同作業ですよね。
元々ビジュアルがあって、アニメの場合は声もあって、それがあるからこそ、そのキャラクターが好きな人がたくさんいるわけで、
そういった方々の期待にも応えたい。それを考えたらまず広い視野で演じるキャラクターを研究します。」
――余白を残して、色々なメッセージを受けとっていく感じですね。
「そうですね、そうじゃないと受け入れられないし、自分もそれほど強い人間ではないので、そういう部分を残しておかないと、とは考えてますね。」
――そうなるとオリジナルキャラクターを演じるより難しい部分もありますね
「みなさんの中にすでにキャラクターのイメージがあるという意味では難しさはあります。
ただ、"2.5次元などの原作ものと、舞台オリジナルものの違いは何ですか?"とよく聞かれますが、役者としては本当に違いはないと思っていて、作品作りの基本は一緒です。
『2.5次元作品だからこうしよう』といった気負いはなく普通に取り組んでいます。
今まで多くの作品でいろいろな役に出会ったからこそ言える事なんですけど。」
――今回の共演者についてお聞きします。
「自分にしかないものを確立されてるる方ばかりですね。
以外と年齢幅があり、、自分も頼るところ、頼られるところがあると思います。」
――その中で今回は座長の立場になりますが。。。
「そうですね、舞台作品に出演する以上、真ん中に立ちたいとも思いますし、でも自分は必ずしも真ん中が似合うタイプではないとも思っていて、だからこそ、そういう自分にしかできない座長のあり方とか、振る舞いができればと思ってます。
今まで真ん中に立つ人の背中をたくさん見てきたので、その方々を参考にして、良いカンパニーになるよう気合いが入っています!」
――そして衣装についてですが、スーツやマントでビシッと決めたものが見られますね
「ゴージャスですよね!自分で見ても美しく見えます(笑)。
スーツ系はイベントとか以外ではあまり着てないですが、リッカはかなりフォーマルな衣装です。そして白髪のキャラクターは初めてなので楽しみですね。」
――ビジュアルの白髪姿はお似合いでした!
「もちろん!色白に生まれて良かった!色白の自分を生かせるビジュアルになると思います(笑)。
衣装やヘアメイクのスタッフさんや、それをまとめるプロデューサーや演出家がキャラクターのビジュアルをはじめとしたカンパニー全体の色を作っていくので、それに上手に染まることが役作りにもつながるのではないかなと思っています。
また、演出家の西森さんは今回初めてご一緒するのですが、色々お話ししていいものを作れればと思います。
実は今年で俳優生活10年目なのですが、一度原点に戻ってまっさらな気持ちになれる自分を意識したいなと思っていたんです。
そんな時期に初めての西森さんとご一緒できるのは嬉しいし楽しみです。」
――最後にメッセージをお願いします。
「連載が始まり、単行本1巻が出版されてすぐに舞台化されるのは、自分的に今までにない経験です。
『インフェルノ』という作品がますます世の中に広がっていって欲しいと思っているので、この舞台作品を絶対に成功させたい思いです。そして原作にもまだ語られてない余白部分があると思うので、舞台ではそれらもこれから全員で作っていけたらなと思います。
絶対お客様を楽しませますので、是非見に来てください。」
●植田圭輔(うえだ・けいすけ)/1989年9月5日生まれ、大阪府出身。
07年『少年陰陽師<歌絵巻>』で主役を務めた後、『弱虫ペダル』シリーズや『K』シリーズ、ミュージカル『ヘタリア』といった作品で高い評価を得る。今年も『ノラガミ』、『弱虫ペダル~総北新世代、始動』、『曇天に笑う』、『戦国無双~四国遠征の章~』など注目作への出演が続いている。
《公演情報》
■舞台「インフェルノ」
9/3(土)~9/11(日) 東京ドームシティ シアターGロッソ