宝塚歌劇団で男役トップスターを務め、絶大な人気を博し、2012年7月に惜しまれつつも退団した大空祐飛。
男役トップスターだった彼女が、初めて母親役を演じる舞台に注目が集まっている。
6月8日(水)から、赤坂・草月ホールで上演されている舞台『冷蔵庫のうえの人生』だ。
原作は英国発の小説で、シングルマザーで産婦人科医でもある母と、15歳の娘との二人芝居。
娘役は、人気急上昇中の大野いとが務める。
多忙な母と思春期の娘。
いつも会話は"冷蔵庫の上のメモ"だった。
机と椅子、冷蔵庫、黄色のメモ、そして赤のグランドピアノ。
簡素なセットとは対照的に、母娘の人生と豊かな感情が、目に見えるかのように交錯してゆく一作品に仕上がっている。
移りゆく季節の中、母娘の何気ない日々の会話が一言一句、丁寧に読み上げられる。
そして、ある日、母の発病をきっかけに、2人の生活に徐々に変化が現れてゆく。
"音楽朗読劇"と謳われている、この舞台。
実際はその域を超えているといっても過言ではない。
朗読に込められた感情はもちろん、細やかな芝居、生演奏のピアノの旋律、そして歌唱。緩急がついた展開であっという間に90分が過ぎてゆく。
特に、ホールに響き渡る大空祐飛の伸びやかな歌声は、宝塚時代の男らしく響く歌声とはまた違い、優しく甘美で心にしっとりと染み入るようだ。
言葉と音楽が交わり、織りなす世界観が、普段忘れかけているピュアな感情を心の底から呼び起こすような、そんな舞台に感じられることだろう。
更に、ピアノの生演奏はWキャストとなっている。
レ・フレール、林正樹が生演奏で、情緒あふれる舞台に音の華を添える。
音楽朗読劇「冷蔵庫のうえの人生」
[作]アリス・カイパース
[演出]謝 珠栄
[音楽]笠松泰洋
[出演]大空祐飛 / 大野いと
[演奏]レ・フレール(p) ・林正樹(p) ※日替わり
【東京公演】
草月ホール(東京都)
2016/6/8(水) ~ 2016/6/12(日)
【兵庫公演】
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール(兵庫県)
2016/6/25(土) ~ 2016/6/26(日)
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