目の前で起こる"不思議"。
マジックの既成概念を壊し、その不思議を目にする人すべてに衝撃と驚きを与える、テレビでもおなじみのスーパーマジシャン、セロ。
昨年12月に開催された『マジック新世紀 セロ IMAGINATION WORLD TOUR』ではたくさんのオーディエンスを熱狂と興奮に巻き込んだ彼が今月、ふたたびライブを開催します。
約1年ぶりのステージ『セロ WORLD TOUR 2015 THE SECRET』を目前にしたセロさんに、話を訊いてきました。
◆ セロ INTERVIEW ◆
――テレビでもよく拝見しますが、今回はステージでのショーですね。ステージとTVショーでは、違うものなんでしょうか?
「大きく違うところがあります。テレビの世界でお見せするのは、3~5分のシーンだけ。すごく短いです。ライブは2時間かけて、僕との魔法の旅を体験するパフォーマンス。ひとつの物語になっています。音楽と振付があり、ストーリー性があり、僕が生まれてからやり続けてきたパフォーマンス・マジックの世界。大掛かりなマジックもやりますし、皆さんが見たことのない、もうひとつのセロの顔が見られます」
――ステージは約1年ぶりですね。
「去年の12月に、東京国際フォーラムで5年以上ぶりにやりました。その前はずっと、東南アジアやブラジルでテレビ番組を作り続けていて、ライブからちょっと離れていたんです。でも去年久しぶりにライブをやって、もっとやりたくなって、今回11月の東京公演を皮切りに『セロ WORLD TOUR 2015 THE SECRET』をやることにしました。まだ発表していない公演地も含め、世界各地に行きますよ!」
――気になる内容は...『THE SECRET』とのことですが。
「はい、皆さんが劇場に来てからのお楽しみ、です。少しヒントを言うと、<もちろん、テレビで見たことのあるマジックもやります>、<皆さんが見たことのない新マジックもあります>、<僕の中から生まれたパフォーマンスの世界です>、そして今回は<皆さんが、自分の手でマジックを体験できるものも考えました>!」
――私たちが、自分の手でマジックを体験できる...? どういうことでしょう。
「それは、「ザ・シークレット」です!(笑)」
――「僕の中から生まれたパフォーマンス」...と仰いましたが、演出的なこともすべてセロさんが手がけているのでしょうか。
「このショーは<100パーセント>僕の世界から生まれたショーです。コンセプトから内容、演出、音楽の編集、映像作り、全て僕がプロデュースしています。もちろん協力して頂いている色々な人たちがいますが、その方たちと連携をとり、全部細かいところまで、僕が作っているショーになります」
――その物語、世界観はどこから生まれてくるんですか?
「僕が世界を旅して、色々なインスピレーションを受け、影響されたものを、マジックを通してストーリーにします。具体的には僕、すごく"人が好き"なんです。人に会うのが好きで、色々な文化を味わうのが好き。この世界ではこういうことをやるんだ、こういうことが流行っているんだ...そういう経験からインスピレーションを受けます。それらを僕のマジックで表現して、まだ皆さんが経験したことのないものを味わっていただきます」
――セロさんはそもそも、なぜマジックの世界に入ったのですか?
「僕のマジックとの出会いは、6歳か7歳の時。家族の友だちラスベガスに連れていってもらったのですが、当時はラスベガスは大人の町で、未成年はショーに入ってはいけなかったんです。でもドアマンにチップを渡して入れてもらった(笑)。見たのはバラエティ・ショーで、ジャグラーもいたし、ダンサーもいたのですが、そういうものよりも一番印象に残ったのは、マジシャンだった。僕はマジックというのが何かわからなかったので、それを手品とは思わなかったし、魔法だと思ってました。部屋に戻った僕はコップを動かそうとか、空中から鳩を出そうとか、頑張ったんですが出来なかった。それが原点です。その時の、心をくすぐられた感覚が強すぎて、その後3年間ずっとマジックが大好きで、そうしたら10歳になった時、そのラスベガスに連れていってくれた人が、誕生日のプレゼントとして1時間10回分のマジックのプライベートレッスンを与えてくれた。それがスタートですね」
――セロさんは人が喜ぶのが好き? 人が驚くのが好き?
「両方です!」
――それにしても、マジックって世間の進歩にあわせて、進化していますよね。例えばスマホが流通したら、スマホを使ったマジックがすぐ登場するのに驚かされます。セロさんは日々どんなことを研究しているんですか?
「僕はいつも、新しい流行を探してます。その流行を、マジックで表現するんだったらどういう風にすればいいんだろうと考えています。マジックって、その場で1時間で生まれる時があれば、10年たっても答えが出ないこともある。でもいつも、これは面白いなとか、こういう設定の中だったらこういうことが出来るんじゃないかとか、頭はマジックに走っています。僕、ちょっとオタクなんです(笑)。やっぱり時代が変わるとともに、マジックも変化していかなければいけない。僕はいつも"マジックの次"を考えています。特にこの2・3年、テレビの世界では、パフォーマー系のマジックはなくなってきています。視聴率をとるために、マジシャンを出すことより、種明かしの時代になってしまいました。これは僕にとってはものすごく残念なこと。自分がすごく愛している日本で、大道芸人のような扱いをされていたマジックの世界を、皆さんに夢と感動を与えるような見せ方をするために頑張って番組を作り続けてきましたので。でもそれは、時代にあわせた変化ですので仕方がない。でも僕のマジックは、種やネタが大事なのではないということを、ショーを観に来ていただければわかっていただけると思います」
――たしかに種明かしによる驚きはありますが、夢ではなくなりますよね。
「そうです。種を知ったからどうなんだ?と。サンタからプレゼントもらうのをすごい楽しみにしている子どもに、「サンタは本当はいないんだよ、お父さんが買ってるんだよ」と教えて夢を壊すのと同じ。マジックは歴史的にすごく守られてきた芸術の一部でしたが、インターネット、テクノロジーの時代によって、そういう情報が出てしまった。それはもう止められない。でもこのマジックはネタを買えば出来るんだ、という考えは違うんです。ギターがあるからギタリストになれるわけじゃないです。絵の具があるから、画家になれるわけじゃない。どういう風にその機材を使いこなすかが、アーティストだと思っています。僕のマジックには、もちろん全部仕掛けがあります。でもそれはただの道具。僕のショーは道具のことではない。お客さんが観に来て、体験を持って帰る。その体験が、何よりも僕にとって大事なことです」
――マジックは、仕掛けではなく"体験"。素敵な言葉です! 今回のショーでは、お客さんをどんな世界に連れて行ってくれますか。
「今回は、皆さんが僕のパーティに参加しているような気持ちにさせます。家族向けのショーで、子どもからおじいちゃんおばあちゃん、カップル、夫婦、どんな年齢でも、どんな文化から来た人だろうが楽しめる、世界共通のエンターテインメントで、みんなが元気になって帰れるショーです。せっかく劇場でライブをやって、テレビで見ている世界と変わらなかったね...とはしたくない。実は去年のライブは、客席と舞台の距離が残ってしまったので、今回はその壁を完全に壊します。皆さんもオープンマインドで、隣の人を気にせず、「えー!」と叫んだり、口笛もどんどん吹いてください。パーティに遊びに来る感じで来てくださいね」
取材・文:平野祥恵(ぴあ)
【公演情報】
・11月11日(水)~15日(日) 東京国際フォーラム ホールC
・12月25日(金)~26日(土) 森ノ宮ピロティホール(大阪)
★期間限定!セロ サイン入りポスタープレゼント★
【受付期間】11月5日(木)0:00~11月12日(木)23:59
【対象公演】東京公演のみ
※上記期間中、チケットぴあのWEBサイトよりご購入のお客様の中から、抽選で5名様にセロサイン入りポスターをプレゼント!ご購入時に<サイン入りポスター抽選権つきチケット>をお選びください。