宝塚歌劇版『ルパン三世』、開幕!

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宝塚版『ルパン三世』、原作者も驚き
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宝塚歌劇雪組東京公演『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!-』『ファンシー・ガイ!』が2月20日、東京宝塚劇場で開幕した。国民的人気マンガの舞台化であるとともに、雪組新トップコンビ早霧せいな、咲妃みゆのお披露目公演ということで大きな話題を集めている。

『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!-』は、アニメ、映画、ゲームと様々なメディアで展開されている、日本国民なら誰もが知るモンキー・パンチによる傑作マンガが原作。時は現代のフランス。展覧会に出品されている"マリー・アントワネットの首飾り"をルパン一行が盗もうとした瞬間、革命前夜にタイムスリップ。そこで一行は王妃マリー・アントワネットに出会い...。ルパン、不二子、五エ門、次元、銭形警部といったおなじみの面々が起こす大騒動に、宝塚の代名詞『ベルサイユのばら』を彷彿とさせる世界が見事に融合、コミカルかつロマンチックな、宝塚らしいルパンの物語が誕生した。ルパンに扮する早霧せいなは軽妙な語り口にくるくると変わる表情で、原作やアニメのイメージを損なわないキャラクター作りで客席を大いにわかせる。ルパン・ファミリーに扮するスターたちのなりきりっぷりも楽しい。それでいて宝塚らしいスタイリッシュさ、品の良さは残し、宝塚歌劇の懐の深さをも改めて感じさせる意欲作だ。

初日の舞台は原作者のモンキー・パンチ、「ルパン三世のテーマ」などを手がけた作曲家・大野雄二も観劇、初日後に早霧、咲妃らとともに会見を開いた。ふたりとも「びっくりした」と口を揃えつつ、「僕が描いた漫画とはまったく違う世界を見せていただいた。これからの作品の中でもヒントとして活かせる部分がずいぶんある」(モンキー)、「宝塚の独特のやり方と『ルパン三世』がすごくいい具合にミックスされていて、とても楽しく観ました。音楽のアレンジも「お、やるな」という感じでした(笑)」(大野)と絶賛。また誰もが知るキャラクターに扮した早霧は「やはり山田(康雄)さんの声がとても印象深い。あの声を、モノマネをするわけではなく自分色に染めて、宝塚の舞台に出来ないかなということは意識しました」とキャラクター作りについて話し、「ルパン三世ファン、そして宝塚ファン、どちらのお客さまにも楽しんでいただける公演になれば」と意気込みを語った。

公演はエネルギッシュなショー『ファンシー・ガイ!』と同時上演。東京公演は3月22日(日)まで。

==『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!-』==
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げきぴあでは、初日公演後に行われた囲み取材の模様を詳しくお伝えいたします。
登壇者は、早霧せいな、咲妃みゆ、モンキー・パンチ(原作者)、大野雄二(作曲家)、小柳奈穂子(演出)

原作のモンキーパンチ氏は
「本当に驚いています。もとは漫画だったので、まず観て驚いたのは、三次元の空間。立体的で迫力があった。また、今まで僕が描いた漫画とはまったく違う世界を見せていただいたので、僕自身もこういう描き方があるんだと勉強になりましたし、これからの作品の中でもヒントとして活かせる部分がずいぶんあるんじゃないかと思っています。今回の宝塚さんの作品に負けないようなオリジナルな漫画も描いてみたいと思っています」とまず感想を。
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またどこに驚いたか、という点については「まずどういう風になるのかというのがまったく見えなかったんです。これを舞台にするのはどういうことなんだろうなと、半分興味があり、半分「どんなものかな...」という気持ちで、半信半疑でしたので、今年の1月1日に宝塚(大劇場)で観て、まず、『ルパン三世』が意外と宝塚の美意識とうまく一致したのかなと、そこがまず驚きでした。驚きはたくさんあったのですが...ちょっと頭を整理しないといけないくらい(笑)」と、驚きだらけだったようです。


ルパンと言えば...の、「ルパン三世のテーマ」などの作曲者、大野雄二氏も
「とりあえずびっくりしました。なるほどこういう風に作るんだなと。宝塚の独特のやり方と『ルパン三世』がすごくいい具合にミックスされていて、とても楽しく観ました。こんな風になるんだなという「びっくり」が第一印象でした。というのは、宝塚を観た事がなかったので、まったく想像つかず、自分の中では「すみれの花~♪」みたいなイメージしかなかったんですね。それとはだいぶ違う感じでした。こういうのもできるんだと、ミックスの仕方、取り入れ方がすごいなと思った。それに『ルパン三世』は本来フランス的な形なので、ある意味、目の付け所が良かった。『ルパン三世』ってモンキーさんの作り方が上手かったので、どこにでも合うんですよ。それがたまたまフランスの、宝塚で良くやっているところに入っていって、より面白くなった、両方の意味で上手くいったなという驚きと、初めて観てのびっくりと。まあ、首が疲れましたけどね、色んなところから(登場人物が)出てくるから(笑)」と感想を話します。
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また演出家の手腕が光った、「銭形マーチ」のシーンについての質問も飛びます。
この名曲にのせ、8年の時間経過と、さらには『ベルサイユのばら』のパロディ(パロディといってもギャグに走るのではなく、でも宝塚ファンはクスリくる、ホントに名シーンでした!)も織り込む秀逸なシーンでしたが...。
「一番びっくりしたのは、(銭形マーチの)サビの部分。これは、アレンジをした青木(朝子)さんが素晴らしいと思った。サビは突然"和"になるんですよ、あそこでチャンチキが鳴る。三波さん(オリジナルで歌っていた三波春夫)をココで活かそうと思って作ったようなところがあるので、そこがビート感が違って、「お、やるな」って思いましたね(笑)」と、満足気なコメントです!


その、演出を手掛けたのは小柳奈穂子
「宝塚ファンでご覧になる方もいらっしゃるでしょうし、『ルパン三世』ファンで初めて宝塚歌劇をご覧になる方もいらっしゃるでしょうし、皆さんに楽しんでいただきたい。やっぱりこれをきっかけに初めて宝塚を観たという方に今後宝塚を興味持っていただければいいなと思っていますので、そういう作品になっていればいいなと思いますし、生徒の力、原作、音楽の力を借りてそういう作品になっていると思います」とご挨拶。
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そして新雪組トップスター、早霧せいな
「国民的人気作品である『ルパン三世』を雪組が公演できるということでとても光栄に思っています。ルパン三世ファン、そして宝塚ファン、どちらのお客さまにも楽しんでいただける公演になるよう、千秋楽まで心を込めて務めていきたいと思います」と意気込み。
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同じく新娘役トップ咲妃みゆ
「本拠地・宝塚大劇場での1ヵ月の公演を経て、さらにパワーを増した雪組の舞台を、たくさんの方に楽しんでいただけるよう、私自身も一生懸命頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」とご挨拶でした。
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さらに早霧さんは、両先生が観る前での初日公演の気持ちを
「『ルパン三世』は映画になってもテレビアニメになっても、どういう形になってもルパンはルパンであるべきだと思っています。その部分で、ルパンになれているのだろうかという緊張感を抱きながら、でも大劇場で1ヵ月やってきましたので、お客さまに楽しんでいただけたという自信を胸に...謙虚な気持ちでやりました(笑)」と話し、

役作りの上で参考にしたものについては
「テレビシリーズの特に前半を、(イメージを)掴むために観ました。やはり山田康夫さんの声が私にとってもとても印象深かったので、あの声を、モノマネをするわけではなく自分色に染めて、宝塚の舞台に出来ないかなということは意識して作りました」とのこと。

そして新生雪組については
「ひとりひとりが舞台に対してとても自立していて、自分がやるべきことを明確に意識してやっているところが強みだと思いますし、その瞬間瞬間でお客さまの空気、場面の空気を感じ取る力を持っていると思います。さらにその周りへの意識が、お互いを思いやる心にも繋がっていて、雪組としてすごくまとまりがあるんじゃないかなと思っています。「宝塚を観るなら雪組がいいな」と思っていただけるような組に、そして作品を作っていきたいですので、そのためには組子の輝きが一番大切。私や咲妃だけではなく、雪組のひとりひとりをお客さまにも意識していただきたいなと思いますので...雪組全体がアピールポイントです!」と力強く話していました。
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宝塚版『ルパン三世』、想像以上に上手くふたつの世界がミックスした、大傑作ですよ!


取材・文・撮影:平野祥恵


【公演情報】
3月22日(日)まで上演 東京宝塚劇場

==『ファンシー・ガイ!』==
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