来年、創立30周年を迎える演劇集団キャラメルボックス。
1985年の結成後から、一度も留まる事なく挑戦をしながら走り続けています。
そんな劇団が、今回史上初めて2本立てで上演するのが"アコースティックシアター ダブルフィーチャー"。
2月21日に大阪で開幕した舞台は、少しづつ練り上げられながら、いよいよツアー最終地・東京で初日の幕を開けます。
げきぴあでは、先に開幕した大阪公演の観劇レポートをお届けいたします。
★・・・・★・・・・★ 開幕レポート ★・・・・★・・・・★
派手な演出を抑え、登場人物の心情の揺れを繊細に描き出す、演劇集団キャラメルボックスの「アコースティックシアター」シリーズ。今回は初の回替わり上演で、『ヒトミ』『あなたがここにいればよかったのに』の2本立てでお届け。2月21日、大阪・サンケイホールブリーゼにてその幕を開けた。
『ヒトミ』は1995年に初演、2004年に再演されて好評を博した、劇団の代表作とも言える作品。交通事故で頸髄を損傷し、全身麻痺となったピアノ教師・ヒトミが、開発中の医療装置のモニターとなり、ふたたび動ける身体を取り戻そうとする姿が描かれる。
絶望と希望、期待と不安......。ヒトミが抱えるさまざまな想いが、胸が痛くなるほどに伝わってくる。そんな彼女が最後に踏み出す1歩、そして彼女を支える周囲の人たちの温かさに観客は涙。重いテーマでありながら、笑いを散りばめた絶妙なバランスで、テンポ良く展開していく。劇団員の熱演に加え、唐組・稲荷卓央の出演でステージにより厚みが増している。
キャラメルボックス『ヒトミ』 撮影:伊東和則
一方、『あなたがここにいればよかったのに』は、真柴あずき脚本・演出による新作で、男性が主人公。恋人のプロポーズを受けた翻訳家を目指す女性、日高まひろの前に、「未来が分かる」と言う見ず知らずの男性・天野大志が現れ、結婚をやめるように告げるという、タイムトラベルものだ。
天野の言葉に疑いを持ちつつも、揺れ動くまひろの心情。そして、まひろの結婚を何としてでも食い止めたい天野。ふたりの想いのぶつかり合いに最初はもどかしさを感じるかもしれないが、そこから感じ取られるのは、「人を信じること」や「幸せとは何か」というキーワード。ファンタジックな要素と現実とがうまく混ざり合った作品だからこそ、より深く伝わってくる。
キャラメルボックス『あなたがここにいればよかったのに』 撮影:伊東和則
どちらの作品も、"人が人を想う気持ち"というキャラメルボックスの一貫したテーマのもとに作られ、登場人物の心情を役者たちが丁寧に表現。切なさと優しさと笑いが入り混じった展開と、熱を帯びた役者の演技に観客はグイグイと惹きこまれ、心を揺さぶられるだろう。普段、当たり前になってしまったり、忘れてしまいがちな"人の温かさ"を改めて感じさせてくれる両作。劇場を出るときには、ほっこりとした気持ちに満たされるだろう。
取材・文:黒石悦子
★・・・・★・・・・★ 東京公演日程 ★・・・・★・・・・★
キャラメルボックス「あなたがここにいればよかったのに」
2014/3/6(木) ~ 2014/3/23(日) サンシャイン劇場(東京都)
キャラメルボックス「ヒトミ」
2014/3/7(金) ~ 2014/3/23(日) サンシャイン劇場(東京都)
【おトク情報】
●その1
☆東京公演限定!
初めてキャラメルボックスを観る方はとってもおトク!
「ため★チケ(1000円)」限定20枚発売中!
※平日2階自由席をご案内します。
詳しくはこちら⇒チケット情報をみる
●その2
☆ハーフプライス・チケット(当日半額券)
公演当日の10:00から開演の1時間前まで、下記のチケットぴあで当日まで余ったお席を3,500円でお求めいただけます。
(販売する席はS席だけとは限りませんが、料金はすべて3,500円です)
【池袋】ちけっとぽーと池袋パルコ店6階
【有楽町】東京国際フォーラム・チケットセンター
⇒詳しくはぴあ各店舗へGO!!