【連載企画】舞台『華アワセ』演出家:西森英行インタビュー★第2回

「物語に新鮮で強烈なインパクトを与えるために、オリジナルキャラクターが必要だった」


DSC_0668.JPG


人気の乙女ゲームを原作にした舞台『華アワセ』は、
いかにして演劇として立ち上がっていくのか。

演出の西森英行が語る「乙女ゲーム舞台の作り方」の
第2回目は、キャラクターがテーマ。

まずは、橋本真一が演じる役名が伏せられているのはなぜなのか。

その謎をとっかかりに、ゲームのキャラクターを生身の人間が演じるにあたって、
どんな演出を試みていくのかを、紐解いていく。

                                    


──舞台化にあたってはゲームファンもキャスティングに注目したと思いますが、橋本真一さんだけは、役名が「???」となっています。その狙いはどこにあったのでしょう。

「実は、橋本さんには、ゲームに登場していない、舞台のオリジナルキャラクターを演じてもらうんです。ですから、ゲームファンの方には、『こんな役、ゲームにはいない』っていうような先入観を与えたくなかったといいますか。舞台の幕が上がったと同時に新たなプレーを始めるようなまっさらな気持ちで観ていただきたくて、役名を隠してるんです」

──では、オリジナルキャラクターを作った理由というのは?

「舞台にするにはやはり、強力なドラマが必要なわけですが、ゲームに登場している人物が何か大きな事件を持ち込むとなると、すでにキャラクターができ上がっているので色がついてしまう。それで、物語に新鮮で強烈なインパクトを与えるには、オリジナルのキャラクターを登場させたほうがいいだろうと考えたんです。ゲームにはないキャラクターですが、もちろん主人公たちと有機的に絡むよう脚本を練り上げたので。ゲームファンの方にも、ワクワクしながら観ていただけるのではないかと思っています」

DSC_0636.JPG

──オリジナルのキャラクターが登場することで、もともとのゲームのキャラクターも人物像が膨らみそうですね。ほかにも、舞台ならではのキャラクターの見せ方は何か考えておられますか。とくに、"華闘"において花札の特殊な力を引き出す能力を持つ"五光"と呼ばれる4人についてはいかがでしょう。

「蛟、いろは、姫空木、唐紅の五光の4人は、ゲームでは実はあまり接点がなくて、4人が揃うシーンもほとんどないんですね。なので、4人が顔を合わせるというだけでも、舞台版の大きな見どころになると思いますし。いろはのボケに蛟がツッコむなんていうコメディシーンは、それこそゲームでは観られない貴重な場面になると思います(笑)」

──二次元だったキャラクターを、生身の人間が演じて三次元にするときには、何が大事なポイントになると思われますか。

「まず今回、キャストのみなさんに華があるんですね。みなさん本当にキラキラしてるんです(笑)。なので、彼らが持っているその生身の肉体の魅力を、どうキャラクターと融合させていくか。そこは、慎重すぎるぐらい丁寧にやっていきたいと思っています。原作にぶつかっていくというよりも、原作の力を内側に取り込んで、キャラクターや物語を大きくしていくというイメージでしょうか。そういう意味では、体のキレるキャストも多いので、体ごと作っていけるといいますか。原作の力を大きなエネルギーにして、届けられるんじゃないかなと思ってます」

──カッコいい"華闘"の場面など、エンターテインメント性の高い作品になりそうですが、芝居面での演出プランは?

「僕はわりと、エンターテインメントな作品をやらせていただくときも、けっこう細かく作っていくタイプなんです。そのシーンを最大限表すためには、どんな台詞の言い方をすればいいのか、舞台美術はどうあればいいのか、照明は、音響は、映像は......と、その芝居空間を構築していくことが、演出として僕がやるべきことだと思ってるんですね。だから、本番に入ってからもずっとダメ出ししてるんですよ。『こうしたほうがもっと表情がよく見えるよ』っていうようなことを小姑のように言いながら(笑)、楽屋を巡るんです」

──ちなみに今回のキャストは、そのしつこい演出に耐えられそうですか(笑)?

「大丈夫。あのキラキラで跳ね返してくれると思います(笑)。で、そのキラキラがもっとキラキラになるように、僕はとことん粘着質にやっていきたいと思っています(笑)」

取材・文:大内弓子



公演:2014/1/21(火) ~ 2014/1/26(日)
会場:天王洲 銀河劇場 (東京都) 

原案・原作:プロジェクト月花 
演出:西森英行
出演:高木万平 / 中村誠治郎 / 飯塚大夢 / 根本正勝 / 安居剣一郎 / 橋本真一 / 八木将康
全席指定 6,800円

舞台終演後、出演者による替わりトークショーを開催
■トークショー出演者
1/21(火) 19:00 高木・飯塚・八木
1/22(水) 14:00 中村・根本・橋本
1/22(水) 19:00 高木・根本・橋本
1/23(木) 19:00 中村・八木・根本
1/24(金) 14:00 高木・中村・根本
1/24(金) 19:00 飯塚・八木・橋本
※トークショーは該当公演のチケットをお持ちの方のみ参加可能

チケット購入特典として1枚につき1点、
舞台「華アワセ」オリジナルSDキャラお守りを会場にてプレゼント
■オリジナルSDキャラお守りの配布スケジュール
 1/21(火) 19:00 蛟(学業成就)
 1/22(火) 14:00 姫空木(恋愛成就)
 1/22(水) 19:00 唐紅(商売繁盛)
 1/23(木) 19:00 いろは(開運招福)
 1/24(金) 14:00 いろは(開運招福)
 1/24(金) 19:00 姫空木(恋愛成就)
 1/25(土) 12:00 蛟(学業成就)
 1/25(土) 17:00 唐紅(商売繁盛)
 1/26(日) 12:00 唐紅(商売繁盛)
 1/26(日) 17:00 蛟(学業成就)


千秋楽公演は予定枚数を終了いたしました。
その他の公演はチケット発売中です。



チケット情報はこちら

前の記事「モダンスイマーズ/「死ンデ、イル。」8 津村知与支」へ

次の記事「モダンスイマーズ/「死ンデ、イル。」 お知らせ」へ

カテゴリー

ジャンル

カレンダー

アーカイブ

劇団別ブログ記事

猫のホテル

文学座

モナカ興業

谷賢一(DULL-COLORED POP)

劇団青年座

劇団鹿殺し

 はえぎわ

柿喰う客

ONEOR8

M&Oplaysプロデュース

クロムモリブデン

演劇集団 円

劇団チャリT企画

 表現・さわやか

MONO

パラドックス定数

石原正一ショー

モダンスイマーズ

ベッド&メイキングス

ペンギンプルペイルパイルズ

動物電気

藤田記子(カムカムミニキーナ)

FUKAIPRODUCE羽衣

松居大悟

ろりえ

ハイバイ

ブルドッキングヘッドロック

山の手事情社

江本純子

庭劇団ペニノ

劇団四季

演劇チケットぴあ
劇場別スケジュール
ステージぴあ
劇団 石塚朱莉