歌舞伎俳優の尾上菊之助が座頭を勤める「松竹大歌舞伎」が11月1日、東京・日本青年館で初日の幕を開けた。
この巡業は、当初は坂東三津五郎と菊之助が中心となり公演を行う予定だったが、三津五郎はすい臓がんのため療養、舞台を降板している。
そこで配役を変更し、菊之助がもともとやる予定だった『野崎村』のお光と、『江島生島』の生島新五郎の二役を初役で演じる。
菊之助のほか、坂東彌十郎、坂東秀調、坂東巳之助、尾上右近ら華やかな顔ぶれが揃った。
初日の昼の部を終えた菊之助が会見に応じた。
――初日おめでとうございます。
今日が(この巡業公演の)始まりです。
全国のみなさまのところに伺いますので、日頃お芝居をご覧にならない方にも楽しんでいただけると思います。
――手ごたえはいかがですか?
一座一丸となってやっていきたいと思います。
――二役とも初役ですね。
初役は緊張しますね。
お光は祖父(七世尾上梅幸)が得意としていた演目ですし、もうひとつ(新五郎)は六代目菊五郎と縁のある演目ですので二役とも大事に勤めたいと思います。
――本来ですと三津五郎さんもご出演される予定でしたが。
今はご療養中ですが、お電話やお会いしてお話してもとてもお元気なんですね。ですから回復のほうに向かわれているので、三津五郎のおにいさんの気持ちと一緒にこの巡業はまわりたいと思います。
――旅先で楽しみにしていることはありますか?
芸術の秋、食欲の秋ですから各地でおいしいものをいっぱい食べて女形が太らないようにしたいと思います(笑)。
――この巡業が終わるとパパですね。
順調にいけば12月に生まれる予定ですので心待ちにしたいと思います。
――父親になるということで何か心境に変化はありましたか?
正直生まれてくるまでわからないのですが、ひとりの親としてこれからはもっと責任を持って仕事をしていかなければと思いますね。
――お子様の名前についてご夫婦で相談はされているんですか?
そうですね。やはり音羽屋に縁のある名前がいいんじゃないかとか、ふたりで考えてますね。
――性別はもうわかってらっしゃるんですか?
エコーをみると男になったり女になったりするんですよ(笑)
(じゃあはっきりしたことは?)わからないんですよ。
――座長としての責任みたいなものはありますか?
季節の変わり目ですので健康には注意したいと思います。
――最後にファンへのメッセージをお願いします。
本日より巡業が始まりました。全国をまわらさせていただきます。輪を大事に、お客様に感動を与えられるように勤めたいと思います。劇場の近くにお住まいの方、ぜひ公演を観にいらしてください。宜しくお願いいたします。
公演は11月25日まで、全国を巡業。
チケットは一部を除き発売中。