現場はこんなかんじで、キャラクターごとの衣裳が、そこここに。
カツラも山ほど!
今回の衣裳は、前田文子さんのデザインです。
数多くの舞台作品の衣裳を手掛けている前田さんですが、作品の時代感を出しつつ、スタイリッシュでとにかくシルエットが美しい前田さんのデザイン、げきぴあユーザーさんにもファンは多いのでは?
この『二都物語』は、チラシやポスターの写真を見る限りでは、グラデーションがとても綺麗な衣裳が印象的ですが...。
前田さんに少しお話を伺ったところ、
「グラデーション、というより、"脱色されている"というイメージなんです。
貴族たちにスポイルされている民衆、というものを、脱色カラーで表現しています」とのこと。
カラフルなもの=生きている、
脱色カラー=スポイルされている、
という対比なのだとか。
「失くしてしまっている記憶、失ってしまった愛、そういったものを衣裳に反映しています。
貴族たちにスポイルされていることから始まる、革命前後のフランスの民衆たちの姿ですね」
...なるほど!
そのあたりも、舞台を観ながら少し意識すると、より物語に深みを感じられそうです。
ちなみにこちらは、大量のボタンの前に何事かを考えている前田さん。
さて、まずお伺いしたのは井上カートンの衣裳あわせ。
写真では分かりづらいかもしれませんが、この白い衣裳も、裾の方にいくに従い色が変わっています。
そして、同時にカツラ合わせもするのですが...
井上さん、上の写真のように、ポスター同様、ハーフアップっぽい髪型だったのですが、演出の鵜山さんから「カツラ、女性っぽすぎない?」という指摘で...
こんな髪型になっていました。
おぉ、カッコイイ!
この衣裳は仮の生地で、実際はこれです、と鵜山さんに説明をする前田さん。
実際の生地を当ててみたりも。
この白い衣裳は、前田さん「ちょっと綺麗すぎるかな...最後に"汚し"を入れるかも...」と悩んでいらっしゃいました。
「浦井さんの衣裳との比較で、こっちは皺があったり。...アイロンがけ、絶対しないでね」
「逆に裾のフレアはもう少し出してもいいかな...」
とスタッフさんに指示。
鵜山さんは、この衣裳はどこからどこまでのシーンで使って...というようなことを、スタッフさんと確認。
こちらは、ポスターでも着用している衣裳ですね。
井上さん、足、長っ!(←このフレーズ、以前も使ったような...)
前田さん曰く「カートンの衣裳は、"ワンサイズ大きいんじゃないの?"くらいのラフ加減で」とのことです。
あ、視線を頂いてしまいました。
「法衣は袖を通すんじゃなく、切れ目から手を出してね」と言われた井上さん、
「そうなの!?」と感心していました。
弁護士用のカツラを装着。
「ぐしゃっと被れるようにしてください」と鵜山さん。
何を着てもバッチリ似合ってしまう井上カートン、衣裳あわせはテンポよく進み、小一時間で終了です!
続いて、浦井ダーニーの衣裳あわせにも潜入!
先ほども「比較」という言葉が出てきましたが、井上カートンの衣裳に比べ、浦井ダーニーの衣裳は全般的に光沢があります。
生地からして、貴族、です。
ふたりの対比はほかにもあるのですが...先日のイベント「二都の夕べ」で、井上さんがちょっと話していましたね。
この衣裳では小道具の手紙があるということで、手紙サイズのポケットをどこに付けるかを話し合い。
前田さん、「右肩下がってるんだね、パット1枚多く入れる?」。
「極力(真っ直ぐになるように)頑張るので大丈夫です!」と浦井さんです。
こちらは、ポスター着用衣裳。
生地・カラーなどが変わっても、形が同じなのは、前田さんによると「(キャラクターごとの衣裳は全部)コンセプト的には同じ。一緒のものが、どんどん変化していくんです」ということでした。
コートをつけました。
「わーお、カッコイイ!」と満足気な前田さんの言葉!
しかし「ここはもっと上に...あとケープの部分は裏地いらないです、あると私のイメージどおりにならない」等々、細部の指示がスタッフに伝えられていきます。
帽子も、あまりみない三角帽子ですが、カッコよく被りこなす浦井さん。
スタッフさんの間からも「...カッコイイじゃん!」と、少し意外そうな声が!?
ひとつの衣裳の調整がおわり、「OK!」となると、スタッフさんが写真を撮るのですが、いちいちお茶目なポーズをとる浦井さんです。
ちなみに井上さんはこんなかんじで、ナチュラルに立っていました...。
手錠をつけて、またまた顔を作ってしまう浦井さん。
最後に、げきぴあカメラにも視線をいただいたので、こちらのカットで衣裳あわせレポート、終わりとします!
公演は7月18日(木)から8月26日(月)まで、帝国劇場にて。
チケットは発売中です。