【チケットぴあニュース】
ミュージカル『マイ・フェア・レディ』が5月5日、東京・日生劇場にて開幕した。ヒロイン・イライザは霧矢大夢(きりや ひろむ)と、真飛聖(まとぶ せい)。ヒギンズ教授役は寺脇康文。5月4日、初日に先がけ出演者が意気込みを語った。
『マイ・フェア・レディ』は下町の花売り娘・イライザが、言語学者のヒギンズ教授に正しい言葉と淑女としてのマナーを教え込まれ、レディとして生まれ変わるシンデレラ・ストーリーで、オードリー・ヘップバーン主演映画でもよく知られる作品。日本初演から50年の節目の年での上演となる今回は、キャスト、演出などすべてが一新して登場する。寺脇は「大劇場公演の持つセットやオーケストラの迫力という醍醐味はもちろんありながらも、今回の新バージョンは、G2さんの演出ということもあり、今までよりももっとイライザとヒギンズの恋愛模様が深く描かれている気がします。大劇場ならではの興奮と、小劇場で役者の顔を間近に見た興奮がないまぜになったような感想を持っていただけるのでは」と見どころを話した。
イライザは、ともに宝塚のトップスターとして人気を博した霧矢と真飛がWキャストで演じる。「緊張と不安でいっぱいですが、皆さまに楽しんでいただけるミュージカルに仕上がっているであろうと強い自信を持って挑みたい」(霧矢)、「イライザとして生きられることが本当に幸せ。お客様にも同じような時間を味わっていただけるように舞台を作り上げたい」(真飛)とそれぞれ語る。だが長年男役として過ごした彼女らならではの苦労もあるようで、「根本的にひとりの人間を演じる、その心情の作り方は一緒なんですが、表現方法が違う」(霧矢)、「今まで男心を追求してきましたので、元が女性なんだから素直にやればいいのに、鍵を掛けすぎちゃって、女心が出てこない(笑)。やっとこないだ鍵を見つけて、ようやく『あ、私も女だったんだな』と思いました」(真飛)。
そんなヒロインふたりについて、しかし共演者からは「いえいえ、ちゃんと女性でしたよ! ただセットの裏側を歩く時や早替えの時は、凛々しい男のようです(笑)。でもサッサッという動作が美しい上、落差が楽しい」(ピッカリング大佐役・田山涼成)、「私は初めてのミュージカルで、ほんとにもの覚えが悪い。そうしたら霧矢さんと真飛さんが協力して、iPadで僕が稽古しているところを録ってくれて、これを新幹線の往復の間に見なさいと渡してくれました。こんな優しい主役、いないですよ!」(ドゥーリトル役・松尾貴史)と絶賛の声。寺脇も「ふたりの魅力がまったく違う。商売抜きで、ふたりのイライザを観ないと損です!」とアピールしていた。
東京公演は5月28日(火)まで。チケットは発売中。その後、石川、福岡、愛知、大阪でも公演あり。