5月29日、東急シアターオーブ(渋谷)でブロードウェイミュージカル「HAIR」が開幕しました!
1967年に産声をあげてから、その革新的なパフォーマンスによって、その後のミュージカルに決定的な影響を与え、数多くのフォロアーを生み出してきた本作ですが、ブロードウェイ版は初めての日本公演。
舞台はベトナム戦争真っただ中のアメリカ。デモや集会などの反戦運動によって、己の意志とアイデンティティを証明しようとするあるヒッピーたちのグループの姿が描かれます。長いものに巻かれ、横並びをよしとする保守的な風潮を打破しようとする果敢な個の叫びがあるからこそ、このミュージカルには普遍的な息吹きがあり、現代まで語り継がれてきました。
そんな現代にも通じる要素があるものの、
当時のキーワードが溢れる「HAIR」は事前または事後にそれらを調べ、知ることで更なる作品理解ができるかと思います。
例えば冒頭から始まる「アクエリアス」(=水瓶座)。たくさんのアーティストがカバーしているこの楽曲は聞いたことがあるという方は多いのでは。しかし「なぜ、水瓶座の時代?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
<水瓶座の時代とは?>
これはまさに「HAIR」の時代に盛り上がりを見せたニューエイジ・ムーブメントのこと。
(wikipediaから引用)
この呼称は西洋占星術に由来し、地球の歳差運動によって黄道上を移動し続けている春分点が、ちょうど20世紀の後半に、黄道十二星座のうお座からみずがめ座に入る、との主張による。この主張では、春分点がうお座にあった時代は、ほぼキリスト生誕から現在までの約2000年間と重なる。さらに、キリスト教には、イエスを魚によって象徴させる慣わしがある。このことから、「ニューエイジ」という言葉には、今こそ既存の西洋文明・キリスト教の支配する時代が終息し、自由で解放された「新時代」(=水瓶座の時代)の幕が開いた、という意味が込められている。
まさにミュージカル「HAIR」はニューエイジの到来を歌うところからスタートするのです!
また、歌詞にもたくさんの人名が出てきます。1幕でシーラの台詞に登場する「ティモシー・リアリー」は、1960年代のカウンターカルチャー・ムーヴメントのアイコンとなった人物。2幕でのディオンヌたちの台詞「Turn on, Tune in, Drop out」は彼女のスローガン。
公式パンフレットには当時のキーワード、キーパーソンについて記載されたページがあります。こちらで作品に散りばめられた言葉をチェックしてみてはいかがでしょう。