動物電気20周年!政岡泰志&小林健一インタビュー

チケット情報はこちら

動物電気が今年、旗揚げ20周年を迎える。

明治大学の演劇サークルのOB政岡泰志と小林健一が中心となり1993年に結成した動物電気。

その作風は昭和の香りを残しつつ、人情喜劇をベースにしたストーリーで笑って泣ける舞台を展開。なかでもお決まりのパターンで登場する濃いキャラクターは観客の人気を集める。看板俳優・小林のやられ役&ふんどし姿や、一度みたら忘れられない辻修による全身タイツ衣装と奇妙な動き、森戸宏明のうさんくさい男役、政岡のおばさん役など、登場する人物がどれもインパクトが強いのが特徴だ。

作・演出を務める政岡は「お客さんを"笑わせて"いるのでもなく"笑われて"いるのでもなく、お客さんと一緒に"笑って"いるのが動物電気の目指す笑い」と語る。

そんな劇団結成20年の記念公演が6月に下北沢・駅前劇場で開幕する!

タイトルは
『どっきり!成人式 ~オレもお前も~』


げきぴあでは、政岡泰志と小林健一を直撃!
本作への意気込みと旗揚げから20周年を迎えるにあたっての心境を訊いた。

gekipia_IGP8268.jpg

――今作は、「結婚生活とは?」「人生計画って?」というテーマで中年男女の恋愛モノだそうですね。どんなお話になりそうですか?

政岡
「今、考えているんですけど行き詰ってます(笑)。劇団内の既婚者をモデルにしているんですが、ひとりバツイチの人がいて。それで結婚って何だろう?って思ったのがキッカケなのかな。当たり前ですけどいろんなカップルがいて、それぞれ様子が違っていて面白いなーって。金妻みたいな恋愛モノにしたいと思ってます(笑)」

小林
「動物電気で、がっつり恋愛ものとか、色恋、浮気、不倫ってやったことがないので、楽しみでもあり、実際やるとなったらテレくさいんだろうな~と」

政岡
「そうそう!"好きな人ができたの"みたいなセリフすら書けないかも。テレくさ~と思って。『セックス・アンド・ザ・シティ』ばりに"素敵じゃない"なんてセリフがまず書けるか(笑)」

gekipia_IGP8177.jpg

――アクティブな女性が出てきそう(笑)

政岡
「スポーツのような恋愛ものにしようと思ってます。その中でリアルな感じを出せればいいかなと。結局、男が書くから女の人のことは分からない訳ですよ。なので自分なりに想像したことを堂々と書こうかなと」

――ストーリーは?

政岡
「東京で暮らす夫婦がいまして。でも夫が病気がちになったので夫婦そろって田舎に移住するんです。その田舎で借りた一軒家が舞台になる予定です。そこで近所の庭師と交流があって、奥さんが浮気して、夫は病弱だから妻に強く言えずみたいな感じ。そんな中、夫はその家に住んでいる妖精と話ができるようになって、妖精が夫にその家の歴史を教えるんですよ」

――妖精が登場するんですか!?

政岡
「そうなんです。妖精は辻にやらせようと思って。小林が病弱な夫で、奥さんはゲストで出ていただく帯金ゆかりさん。さすがに不倫ものでおれが奥さん役だとちょっと違うかなと(笑)。あと、庭師が森戸宏明ですね。
恋愛の話をみせつつ、裏テーマじゃないですけど家の話になると思う。いま、田舎に空き家がいっぱいあるでしょ、あれを取り上げようと思って」

gekipia_IGP8181.jpg

――後継者のいない農家をイメージしている?

政岡
「子どもが都会に行ってると空いちゃうんですよね、そいう家が。農家は人材不足だから、もっと空き家を利用すればいいのになって」

小林
「都会から農業をやりたいために移住する人もいますからね」

gekipia_IGP8222.jpg

――6月が楽しみですね。ところで今度の舞台は"20周年記念公演"です。20年目を迎えていかがですか?

政岡
「旗揚げしたのは22歳の時で、ずっと続けようとは思ってたんですよ、たぶん。でも20年やるとは思ってなかった(笑)。タイムスリップして20歳の自分に会って"今も芝居やってるよ"って言ったらビックリすると思うんだ。"あっ、やってんだ"って(笑)」

小林
「ずっとやりたいことをやってきた積み重ねでこの20年やってきましたからね」

gekipia_IGP8234.jpg

――20年続けてこられた原動力は何だと思いますか?

政岡
「やっぱり、動物電気みたいな芝居は他では味わえない面白さがあるからやっているんですかね。あと、おれの健康維持もある(笑)。稽古をやっているとよく笑うんですよ。こんなに笑うかっていうくらい。自分で書いたものをやってもらって、それを見ると格別面白いんですよ」

小林
「劇団員みんなそうだと思うんだけど、泰志さんの作る世界が好きで、舞台が好きで 笑いが好きで。付き従ってついていくぜっていう感じ」

――「笑い」のアイディアはどんなところから?

政岡
「笑いのツボが、人が苦しい顔をしているとか、ガンバルマンとか、白目をむくとかが面白いって思うんですよ」

gekipia_IGP8204.jpg

――そこから小林さんのお決まりのキャラクターができた?

小林
「まさか自分が全裸になる人になるとは思ってなかったですけどね(笑)。いま、劇団以外のカンパニーから、男らしいとか胸毛を出してふんどしになるキャラで重宝されるのも、動物電気で得たものだから。そういう意味では、ひとりだったら今の自分はいなかった気がしますね」

gekipia_IGP8244.jpg

――続けてきたからこその強味ですね。

政岡
「最初の5年は何のお芝居をしたらいいのか分からなかった。笑いをやりたいというのはあったんですけど。その次の5年間でなんとなくの形だけ見えて。ここ最近の10年間で、おれらの特色みたいなものができたのかなって気がします。はじめから劇団のキャラができてたら10年でやりきったかもしれないし。結局、20年かかってようやくキャラが出来てきたのかな」

gekipia_IGP8194.jpg

――この20年でお客さんの顔ぶれは変わってきましたか?

小林
「たぶん、そんなに演劇ばっかりみている人じゃないお客さんがきているんじゃないかな。単純に前のめりで笑いたい人たち」

政岡
「動物電気を観に来る人たちって誰なんだろうって(笑)。いつも使わせてもらっている駅前劇場の方が面白いこと言ってたんですよ。入場する時、他の劇団だとそうでもないんだけど、電気のお客さんはピシッと並んでるって。あと、劇場のモニターを聞いてると電気のときだけ"うんぎゃー"って客席がうるさいって(笑)」

gekipia_IGP8258.jpg

公演は6月8日(土)から16日(日)まで東京・駅前劇場、6月21日(金)に大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。チケットは東京公演は4月18日(木)11:00まで先行予約を受け付け中。大阪公演は発売中。


取材:ぴあWeb編集部(金子珠美)


【プロフィール】
政岡泰志
動物電気の作・演出を担当。河原雅彦が率いるHIGHLEG JESUSにも2002年末の解散まで役者として参加。主な出演舞台にネルケプランニングプロデュース「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」(脚本・演出も担当)、猫のホテル「峠越えのチャンピオン」(作・演出:千葉雅子)、映像作品では、テレビ「ゲゲゲの女房」(NHK)、「ドクターX ~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日)、映画「パンドラの匣」(監督:冨永昌敬)「目を閉じてギラギラ」(監督:冨永昌敬、出演:哀川翔、綾野剛)、CM「森永ハイチュウ/ハードボイルド編」「朝日新聞社/ジャーナリスト宣言2」「ジョージア/着メロ篇」など。その他、ENBUゼミ、池袋コミュニティカレッジ、ドワンゴ主催ニコミュワークショップにて講師も務める。

小林健一
動物電気の看板俳優。近年では劇団公演のほか、外部公演や映像作品でも活躍している。主な出演舞台にパルコプロデュース「ぼっちゃま」(作:鈴木聡、演出:河原雅彦、出演:稲垣吾郎、白石加代子)「ドリームジャンボ宝ぶね~けっしてお咎め下さいますな」(演出:板垣恭一、出演:植草克秀、左とん平)、映像作品では、テレビドラマ「新選組!」「オトコの子育て」、連続テレビ小説「瞳」(NHK)、映画「交渉人真下正義」(監督:本広克行)「隠し砦の三悪人」(監督/樋口真嗣)「ハッピーフライト」(監督:矢口史靖)、CM「キリン秋味/ガマンの秋篇」「カルビー堅あげポテト/免許皆伝篇」、昭和シェル石油「スターレックスカード」「TOYOTA/今なんじゃない?ミニバン買うの!」ほか。


チケット情報はこちら


前の記事「山本裕典主演!『私のホストちゃん』が舞台化」へ

次の記事「まもなく、とくお組「近未来パーク」が開幕! 主宰:徳尾浩司さんよりメッセージ」へ

カテゴリー

ジャンル

カレンダー

アーカイブ

劇団別ブログ記事

猫のホテル

文学座

モナカ興業

谷賢一(DULL-COLORED POP)

劇団青年座

劇団鹿殺し

 はえぎわ

柿喰う客

ONEOR8

M&Oplaysプロデュース

クロムモリブデン

演劇集団 円

劇団チャリT企画

 表現・さわやか

MONO

パラドックス定数

石原正一ショー

モダンスイマーズ

ベッド&メイキングス

ペンギンプルペイルパイルズ

動物電気

藤田記子(カムカムミニキーナ)

FUKAIPRODUCE羽衣

松居大悟

ろりえ

ハイバイ

ブルドッキングヘッドロック

山の手事情社

江本純子

庭劇団ペニノ

劇団四季

演劇チケットぴあ
劇場別スケジュール
ステージぴあ
劇団 石塚朱莉