1989年に立命館大学OBを中心に結成したMONOは今年で結成24年を迎えました。メンバーは代表で作・演出を務める土田英生さん、水沼健さん、奥村泰彦さん、尾方宣久さん、金替康博さんの5名です。
第40回となる『うぶな雲は空で迷う』は、そのメンバー5人が出演します。未来のとある世界を舞台に、窃盗団を名乗る男たちが繰り広げるダンディーな会話劇。
3月8日に大阪・ABCホールで開幕したばかりの本作について、作・演出の土田英生さんにお話を伺いました。
――大阪公演を終えての感触はいかがですか?
「現在、私が抱えている想いなどを割とストレートに描いているので、若いお客さんどう伝わるか......少し心配もあったんですが、思った以上に皆さん受け入れてくれたと思います。普遍性があったようで、安心しましたね。なぜか20代の女性で共感すると言ってくださる方が多くて驚きました。
後は......とにかく今回はメンバーの息の合ったズレを含む会話が見所の一つだと思っているんですが、よく笑ってくれたりしてましたのでそれも安心しました。早く北九州、東京でも上演したいという気持です」
――作品のあらすじやみどころなどを教えてください。
「設定は、ずっと未来の時代で、島だらけになった世界を飛行船が飛び交い、窃盗団が活躍している。そんな中で弱小窃盗団が飛行船に乗り込んで、仕事に向かう道中の話です。中々仕事が進まない苛立ちや、かなわない夢、過ぎて行く時間に対する哀切を描いている話です。
ただ、見所となると、やっぱり笑える会話ということになりますかね。いつも以上に笑いを意識して創りましたから」
――劇団結成から24年、40回目の公演ですね。長く続けてこられた感慨など、何か思いはありますか?
「感慨は特にありませんが、長い間活動しているからこそ、できる作品もあるんだなあと。今回は作品自体が自分達の姿に重なる部分も多くありますので、そういう意味では劇団活動そのものが作品を創っていることになるんだと思い知りました」
――土田さんにとってメンバーや劇団はどんな存在ですか?
「やはり一番信頼が置けますし、ベースキャンプのようなものだと思います。ここで色々試して、常に戻ってくる。そういう場所であり、存在だと思います。やっぱり一番やりたいことを理解してくれていると思いますし」
――4月の草彅剛さん主演舞台『二都物語』では脚本を手がけられ、6月には千葉雅子さんと二人芝居事業を始められたりと、相変わらずの多忙ぶり ですね。さらに映画やドラマのお仕事も。次々と新しい仕事を手がけられている今の状況をどう感じていますか?
また、相当なエネルギーが必要だと思いますが、その原動力は何でしょうか?
「仕事が途切れないことに関しては、単純にありがたいことだなと感謝しています。今年は舞台も何本もありますが、映画の公開もありますし、久しぶりに連続ドラマも書く予定です。いやあ......ホント、ありがたいとしか言えませんね。
原動力は......私は何もしていないと逆に元気がなくなるんですね。もちろん休みは欲しいですが、こうして色々とやらせてもらうことでまたエネルギーをもらう。だから私は割とエコですね、エコ」
――この先の予定や将来の展望があれば教えてください。
「予定は......さっきも言いましたけど、今年は映像も久しぶりに頑張るつもりです。で、将来の展望は......とにかく長くこうして活動し続けたいというだけですね。京都に住んで、東京で仕事して、時々ロンドンに遊びに行く。このサイクルでずっと行きたいです」
――最後に、お客様に向けてメッセージをお願いします。
「色々とやらせてもらっていますが、やはり劇団がホームであり、最も如実に現在の自分がやりたいことを実現できている場所なんだと思いますので、ぜひぜひ、『うぶな雲は空で迷う』を観に来てください!」
舞台写真 撮影:谷古宇正彦
取材:金子珠美(ぴあWeb編集部)
【公演情報】
MONO第40回公演
『うぶな雲は空で迷う』
作・演出:土田英生
出演:水沼 健/奥村泰彦/尾方宣久/金替康博/土田英生
3/16(土) ・ 3/17(日) 北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)
3/23(土) ~ 3/31(日) 赤坂RED/THEATER(東京都)