●ヒラノの演劇徒然草●
1月21日、東京・帝国劇場にて「ファンの集い~新たなキャストを迎えて~」と題した舞台『レ・ミゼラブル』のイベントが行われました。
本日はその模様をレポートします。この日のイベントには1000名のオーディエンスも参加したのですが、応募総数は約1万通、だったそうです。
すごい!
現在、映画『レ・ミゼラブル』も上映中、こちらもとても評判がいいので、『レミゼ』、例年以上にアツいですね!
キャスト勢は65名が参加。
バルジャン役のキム・ジュンヒョンさん、マリウス役の山崎育三郎さん含め3名が欠席でしたが、ほぼ全員が集合!
華やかです。
出演者の多さはやはりどの作品よりも『レミゼ』がずば抜けてますね。
それだけ大作なんです。
昨年10月に行われた製作発表時より、キャストが一部変更になっています。
残念ながら山口祐一郎さんが不参加となり、
新たにジャン・バルジャン役とジャベール役の2役に福井晶一さんの参加が決定。
また、ジャベール役で発表されていた吉原光夫さんは、バルジャン役でも登板することになりました。
つまりバルジャン役はキム・ジュンヒョン・福井晶一・吉原光夫の3名、ジャベール役は川口竜也・吉原光夫・福井晶一の3名、です。
こちらが、バルジャン&ジャベールの2役を演じる、福井さんと吉原さん。日本の『レ・ミゼラブル』は、初演時は鹿賀丈史さんと滝田栄さんがバルジャン&ジャベールを交互出演していました。
この上演形態、ちょっと、懐かしい形です。
イベントでは、5名の方によるトークショーもありました。
まずは2役を演じることになった吉原さん。
前回2011年公演で『レミゼ』初参加、この時は史上最年少でバルジャン役を演じていました。
「またこの舞台に戻ってきたなと緊張しています。前回はすごい緊張でした...今回も緊張するんですが。いま2役を稽古していますが、どっちをやっているかわかんなくなったりと、混乱する面もあるんですが、ひとつの役にふたつの面...バルジャンにも闇があり、ジャベールにももしかしたら過去に光があったのかもしれないと思うと、2役をやるというのはひとつの役に対してもすごく大事なことかもしれないと思っています」と言葉を選ぶように丁寧に話していました。こちらは知念里奈さん。
知念さんは2005年にコゼット、2007年にエポニーヌ、2011年からはファンテーヌと、主要女性キャラクターを3役も演じています。
「年齢や自分の置かれている環境と同じようにその時その時で違う役をやり、自分も『レ・ミゼラブル』と進んでいるような気がしています。(次はマダム・テナルディエ?の質問に)どうですかね(笑)。また(森)公美さんや(浦嶋)りんこさんや(谷口)ゆうなさんに教えてもらったら出来るかな。無理かな(笑)。そのキャラクターができるくらいの内容がある人間になれたら、と思います」。お次は原田優一さん。
原田さんも、子役時代にガブローシュ、その後マリウス、アンジョルラスと3役を演じています。
「僕は1994年にガブローシュ役を演じました。ミュージカルというものを知ったのが『レ・ミゼラブル』だったので、ミュージカル、『レ・ミゼラブル』、というのはあの旧演出版、と刷り込まれていますので、まずは自分のメモリを取り外して、また新たに演出を受けたいと思っています。まだ歌稽古の段階で、(新演出の全貌は)わかってないのですが、歌稽古の段階でも結構前とは変わっています。ワクワクです」とのことでした。マダム・テナルディエ役の浦嶋りんこさん。
「初参加させていただきます。こんなに公然と子どもをいじめられて、楽しみです(笑)。...ほんとは(自分は)優しいんですが、めったにこういう濃いキャラクターがないので、楽しんでやりたい。大きい作品で長い歴史があるので、参加できる喜びをかみしめ、吸収したいと思います」とのことでした。
この浦嶋さんの笑顔!テナルディエ夫妻は作中数少ないコミカルなシーンもありますので、浦嶋さんがどんなマダム・テナルディエになるのかも楽しみです。最後にコゼット役、若井久美子さん。
東宝ミュージカルアカデミーの卒業公演でコゼットを演じたという若井さんですが、「帝国劇場、『レ・ミゼラブル』は私にとって夢でしたので、今ここに立てていることが夢のようです。私も客席で観させていただいた身だったので、幸せです」と喜びを口にしていました。
そしてトークショーで原田さんも「譜面上も(旧演出と)変わってきている」と仰っていたように、楽曲は同じながら、音楽面もリニューアルされています。
音楽監督の山口琇也さんが、そのあたりの解説をしてくれました。「オーケストラのアレンジがまったく新しいものになりました。24年やってきた中で今までもマイナーチェンジはありましたが、これほど大きく変わったのは今回初めてです。細かいことをちょっとお教えすると、今まではベースはエレキベースでしたが、今回はコントラバスになりました。そのことによってオーケストラに重厚感が加わった。また、ガブローシュという少年が出てきますが、彼のためにしか使わないドラムが置いてあります。彼が出てくると必ずそのドラムがなる。そんなところも気をつけていただけると興味が2倍も3倍もわいてくるんじゃないかと思います。
また、演出面では盆(ターンテーブル)がなくなりました。ですから、(盆が回る演出にあわせなくて良くなるので)曲のイントロの長さが今までと比べ物にならないくらいに短かったり、まったくなくなってしまったりと、色んなところで大きな変化があります。
もうひとつは逆に、初演を覚えている方もいらっしゃるかと思いますが、「プリュメ街」のシーンのあとにコゼットとジャン・バルジャンと会話があるんですね。その部分で、以前はやっていたんですがその後カットされたコゼットの長い一節が復活しました。ですのでその会話がより緻密なものになったという印象があります。
芝居もですが音楽面でもかなりリアルな音響設定、音の強弱などでリアリティをさらに追求しています。パーカッションが非常に活躍します。そのあたりも注目して見ていただきたい。
それから、今まで全員で歌ってたところがアンサンブルのひとりひとりに割り振られたところもたくさんあります。アンサンブルの皆さんは今まで以上にひとりひとりが責任を持ってやらなくてはならない。そういう部分で、ひとりひとりを注目していただければと思います。大いに新しい『レ・ミゼラブル』を期待してください」とのことでした。
そんな山口"ビリー"琇也さんの興味深いお話のあと、今回初参加のキャストを中心に劇中歌6曲が披露されました!
まずはアンサンブルの皆さんで『一日の終わりに』
続けてファンテーヌ・里アンナさんの『夢やぶれて』。
映画版のCMでも使われているナンバーですね。
スーザン・ボイルが歌ったことでも知られています。
里さんは「ファンテーヌがどういう女性だったのかを考えながら稽古しています。お稽古続けていく中でもっともっと掘り下げて、ファンテーヌをみなさんにお届けできたらと思います」とご挨拶。
続けてジャベール・川口竜也さんによる『スターズ/星よ』。
川口さん、厳しい表情が、すでにジャベールです。
川口さんは前回の映画キャスト来日イベントに続いての『スターズ』披露でした。
「前回のイベントでも歌わせていただいたんですが、緊張しまくりで、今日はあがらないようにと思って歌わせていただいたんですが、意外と落ち着いてできました。制作発表では"夢のような"とという言葉を使いましたが、もう夢ではありません。現実なので、しっかり見据えてかみ締めて演じていきたいと思います」と話していました。
エポニーヌ役・平野綾さんは『オン・マイ・オウン』を披露。
劇中を代表する、大名曲。
「このステージに立つのが初めてだったので、本番が始まる前に(今日)立てた事、すごく嬉しかったです。とても緊張してうまく歌えてなかったので、本番ではもっともっと素晴らしい歌をきかせられるように頑張りたいと思います」と平野さん。
そして今月に入って参加が発表になり、この日一番の注目でしょうか、バルジャン・福井晶一さんの『彼を帰して』。
劇団四季で実力・人気を伴う主要メンバーとして活躍した福井さん。
この日が帝劇初登場ながら、ハイトーンでバルジャンの心情を歌う難曲を情感たっぷりに歌い上げました。
最後にキャスト全員で『民衆の歌』です。
センター・アンジョルラス役は、前回はマリウスで出演していた野島直人さん。
アンジョルラス・カラーの赤いシャツで登場です。
オーケストラではなくピアノ2台をバックにした歌唱披露でしたが、十分作品の世界が伝わるステージでした。
最後に代表して数名がご挨拶。
『彼を帰して』を熱唱した福井さんは
「緊張しました(笑)。でも帝劇の舞台にこうやって立てることができて本当に嬉しいです。そしてこのレミゼの一員として参加できることが本当に幸せに思っています。4月からこのメンバーで頑張っていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします」とにっこり。
おなじみテナルディエ役、駒田一さんはなんと男性最年長らしいです。
「これから稽古で、どうなるかというのは僕自身も不安ですが、不安に思ってても前に進んでいかないので、みんなで力を合わせて頑張っていきたいと思います。みなさんのお力添えがあっての『レミゼ』ですので、ぜひ応援お願いいたします」。
ジャベール役からテナルディエ役への華麗なる転身、KENTAROさん。
「いまちょうど稽古中でして、すごく難しいですが、すごくやりがいを感じているので、これからの稽古で僕にしかできないテナルディエというのを必ず創り上げて、みなさんに喜んでいただけるよう精一杯頑張りますので応援よろしくお願いいたします」と話していました。
前回に引き続きファンテーヌを演じる和音美桜さん。
「私たちもまだ演出をうけていないので、新演出がどうなるか、正直、私もも訊きたいなというくらいなんですが、映画も参考にしつつ、新しいものをみんなで作っていけたらいいなと思います」とご挨拶です。こちらはファンテーヌお三方。
前回も思いましたが、同じ役を演じるみなさん、仲良さそうですよね。
こちらもエポニーヌ役でおなじみ、笹本玲奈さん。
笹本さんのエポニーヌは10年目という節目の年でもあります。
「新演出の『レ・ミゼラブル』。『レ・ミゼラブル』を一から作るのは初めてなので、エポニーヌは昆さん平野さん、三人六脚でがんばっていきたいと思います」と笑顔で。
最後に、マダム・テナルディエ役の森公美子さんが
「新しいメンバーといっしょに『レ・ミゼラブル』が出来るという素晴らしい日に来ていただきまして本当にありがとうございます。映画の方も見せていただきまして、本当にに映画がすごく良くできていますが、それを超える私たちのパワーを4月の舞台で観ていただきたいなと思っております。...個人的には少々ダイエットに成功いたしましたので、4月、皆様にお目にかかるときにはわたくし、もしかしたらファンテーヌになっている可能性もございます(笑)。知念里奈がマダム・テナルディエをやっていることになるかもしれません! 4月の開幕、皆さん楽しみに。メンバーがこれだけおりますので何回観ても楽しい『レ・ミゼラブル』になると思います。ぜひみなさんご覧になってください」と締め、イベントは終了しました。
新演出版の音楽の魅力、そして新しい顔ぶれでの新生『レ・ミゼラブル』への期待が高まるイベントでした。
公演は5月3日(金・祝)から7月10日(水)まで東京・帝国劇場(4月23日(火)よりプレビュー公演あり)にて。
その後福岡、大阪、愛知でも上演されます。
東京公演のチケットは4・5月分が2月9日(土)、6・7月分が3月16日(土)に一般発売を開始です。
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受付:1月19日(土)10:00~1月29日(火)18:00
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受付:1月20日(日)10:00~1月29日(火)18:00