■新しい『RENT』がやってくる! 第34回■
先日更新分に続いて、今回も『RENT』トークショーの模様をお届けします!
11月4日に行われたトークショーに登場したのは、マーク役の賀来賢人さん、ロジャー役のジュリアンさん、そしてコリンズ役のTAKEさん。
日本版演出担当のアンディ・セニョール Jr.も加わり、楽しくも深いトークが繰り広げられました。
近年、演劇界では"アフタートーク"というものが開催される機会も多くなってきましたが...
もしかしたら、キャストの皆さんは"アフタートーク"初?
なんだか照れ臭そうな表情で登場。
「Hi!」と客席に手を振るジュリアンさん、賀来さんは「なんか変な感じですね...」。
そして椅子に座ったとたん「これ(進行は)どうなってるのー?」と発言するジュリアンさんが、実は司会担当だと明かされ、客席から「え~」の声(笑)。
「"えー"って、聞いてないよぉ...」と呟くジュリアンさんに、TAKEさんが「ジュリアン、"MC"やで!」と持ち上げ(?)、ご機嫌で進行をスタートするジュリアンさんでした。
まず最初の話題は「賢人君、稽古場でのマル秘エピソードとかをお願いします!」
とジュリアンさんに振られた賀来さんがこんな話を。
賀来「まる2ヵ月くらい稽古があって、最初歌稽古が1ヵ月、それからアンディと振付のマーカスが動きをつけるという稽古が1ヵ月あったんですね。とにかく、キャストは最初の歌稽古の時点で相当仲良くなってたんです。...ジュリアン以外は。ジュリアンはその歌稽古の終わる間際までアメリカにいて途中合流だったんですが、それまでにみんな団結力が高まっていて。で、ジュリアンが来る前日かな?に、『ジュリアンって本当にいるんだろうか...』って...」
TAKE「都市伝説みたいにね(笑)」
賀来「撮影したポスター見て、うわーカッコいい。ジョニー・デップみたいだね。...ほんとにジュリアンってこの世に存在してるのかな?って」
TAKE「実体がなかったもんね」
賀来「だから、ジュリアンと初対面の時はこうしようとか、みんなでシミュレーションとかしてました!」
ジュリアン「マジで!」
TAKE「だってジュリアンだってさ、絶対緊張するわけやん。俺らはもうみんな仲良しで、そこに入るんだから。だからとにかく緊張を解きほぐそうと思って、僕は関西人なんで、関西人って「賢やん」「TAKEやん」って言うじゃない。だからジュリアンのとこと「ジュリやん」って呼ぼうって思いついたの。...で、「Hey! ジュリやん!」って言ったら「Hey! What's up?」と返された(笑)...めちゃめちゃいいヤツだったんですけどね」
もともとの「ジュリアン」と発声似てますからね。気付かなかったんでしょうね...(笑)。
その後ひとしきり、カンパニーの仲良しエピソードが語られ(TAKEさん曰く、「家族というか、少なくとも親戚やね、絶対どこか血が繋がってる!」だそうです)、このキャストを選んだアンディがすごい!という話題に。
みんなに褒められてアンディ、「すごい今、楽しい!」と大喜びでした。
そしてアンディはこのキャストを選んだ理由を
「キャストには非常にこだわりがありました。作りたいカンパニーのイメージが具体的にあったので、皆さんの写真を床に並べて念入りに選びました。今まで5つのRENTカンパニーに属していた経験から、どういった人物だとうまくいって、どういった人だとうまくいかないか、というのを明確にわかっていましたので。それは才能があるというわけではなく、ジョナサンのメッセージを受け継いで伝えられる人物であるかというところ。今回のキャスティングは大成功だと実感しています。『Seasons of Love』のラインで整列するところのひとりひとりを見て、本当に自分の選択が間違いなかったと実感していますし、ひとりひとり、ちゃんとジョナサンのメッセージを伝えてくれているということに感謝しています」
と話していました。
その後、お客さまから募った質問コーナーへ。
一番盛り上がった質問は「お互いのここがすごいということを教えてください!」。
まず皆さんが「一番訊きたい!」というアンディ評は
「TAKEさんはとても寛大なところがすごい。賢人のすごいなと思うところは、とても心が広いところ。それから少年の心を常に持っているというところ。ジュリアンも、すごく強い中にも非常に繊細なところがあって、そのコンビネーションがとてもいい」。
賀来さんは「ジュリアンは、すっごいマイペース。憎めないマイペース。毎日アップ(準備運動)を皆でするんですけど、絶対にジュリアンはどこにもいない。アップが終わった3秒後くらいに現れるの」。
でも実はジュリアンさん、ひとりで別の場所でアップしているそうです。
「アップをみんなでやるのはすごい楽しいんですけど、ワイワイやるじゃないですか。ロジャー、一幕はじめはテンションがちょっと違うので、できるだけ誰もいないところを探してやってるんです」
と、知られざるその理由が明かされて、賀来さんも「なるほどね~」と感心しきり。
ロジャー、最初は引きこもり青年ですからね。
そしてTAKEさんについては「TAKEさんは歳もけっこう違うじゃないですか。結構若いメンツがいっぱいいるからわちゃわちゃ騒ぐことが多いでしょ。それにTAKEさんも同じレベルで混ざってくれる。僕たちがいくら馬鹿やっても、それに乗ってくれる。本当にすごく助けられてます」。
またTAKEさんはキャストについて、「みんな本当にバラっバラなんです。似ている人がひとりもいない。稽古場で、稽古のスケジュールを突然変えて、みんなで『I'll cover you』を歌ったときに、みんなで流した涙が俺にはいろんな色の涙に見えた。虹のように。年の差とかも関係なく、ああ美しい人たちだなと本当に感動したの。俺もその涙を見て、ふたまわりくらい違うこの人たちと人間として一個になれるなと自信が持てた。こうやって選んでくれたアンディに感謝だし、みんなが生まれてきてくれたことが素晴らしいことだなって『RENT』を通して思った」と、少し照れ臭そうに、でも真剣に話してくれました。
途中、言葉を噛んで英語でごまかそうとするジュリアンさんに賀来さんとTAKEさんがツッコミを入れたりと、3人がじゃれあう様子からも、仲の良さ加減と、カンパニーの素敵さが伝わってきましたよ!
公演は12月2日(日)まで東京・シアタークリエにて上演中。
12月6日(木)から9日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて行われます。
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