最近、ひさびさにヴェンダースの「まわり道」を見たら、とても面白かった。
男が旅に出る話で、ほとんど詳細を忘れていた。
忘れていても、なんとなくいい映画だったことは覚えていた。
そういう映画が私にはいっぱいある。
それは、でも、間違っている。
映画は見なければ意味がないと思う。
あなたの好きな映画をいくつかあげてくださいと問われることがあるが、それなりに答えたとしても、たとえば、私の唯一の映画は小津の「東京物語」だったりするが、いま、見ないで、ずいぶん昔に見たものを、それがいい映画だったと思い出して答えることに躊躇があるのだ。
映画ほど、受容者の知覚が重要なジャンルはないのかもしれない。
演劇もそうあるべきだ。
だから、面白い映画というのは、最近見たことを前提として選択するものだと思う。
まだ、その知覚経験の醒めやらぬうちに判断するのが本当である。
ハネケの「セブンズ・コンチネント」も面白かった。
これは、ブレッソンの「ラルジャン」のことを思い出させた。
なぜだろう、水槽を壊すシーンの斧のクロースアップが似ているように思えたからだろうか。
ブレッソンと言えば、「白夜」が近々上映される。楽しみでならない。
F/T12『アンティゴネ―への旅の記録とその上演』マレビトの会
11月15日~11月18日
にしすがも創造舎
チケット:日付指定券
一般 前売 3,000円(当日 +500円)
学生 3,000円、高校生以下 1,000円(前売・当日共通、当日受付にて要学生証提示)
http://www.festival-tokyo.jp/program/12/marebito_antigone/
『アンティゴネ―への旅の記録とその上演』特設サイト
http://www.marebito.org/antigone/
「アンティゴネーへの旅の記録とその上演」第一の上演:南相馬の映画館・朝日座での上演の様子