皆さん、こんにちは。
劇団青年座 黒岩亮です。
今回は作家の中島淳彦氏との出会いについてお話したいと思います。
※写真(『タカラレ六郎の仇討ち』稽古の様子。写真左より:小暮智美、小林正寛)
中島氏との出会いは劇団道学先生の『無頼の女房』という作品を演出したのがきっかけです。古くからの芝居仲間が道学先生のメンバーだったので、その関係で『無頼の女房』を演出したんです。
その前に観ていた道学先生の、というか中島作品の印象というのは、一つのアパートを舞台にして、割とむさくるしい哀しげな男たちがボソボソとわびしく、ほろ苦く、そこはかとなく可笑しいという世界がとても魅力的でした。
うちの劇団の湯浅実さんが以前から「道学先生っていう面白い劇団があるから、青年座にも書いてもらったらどうだ」という事を言っていたんですね。そうしている内に縁あって道学先生の演出をすることになったというわけです。
劇団道学先生では『無頼の女房』の他に『男子一生の仕事にあらず』~キネマのジョニー~という映画会社の撮影所の話をやり、そのあと『エキスポ』の再演を演出しました。
中島作品の可笑しいだけじゃなくて面白哀しい部分が演出していて楽しかったですね。
それでいよいよ青年座に書いてもらおうという事になり、お願いしたのがまず『夫婦レコード』になります。前述の湯浅実さんをメインに娘たちとの家族の絆を描いた作品でした。
道学先生とは違って女性を中心とした話だったんですけど、ほのぼのした可笑しさをかもし出す舞台が出来たんじゃないかと思います。
その次の『あおげばとうとし』では、ちょっと規模を大きくして教師の群像劇を書き下ろしてもらいました。丁度、中島氏が小学校時代の1971年。子供の目に映る両親以外で一番近い大人が先生だったという郷愁溢れる作品でした。
今回の『タカラレ六郎の仇討ち』は一体どういった作品になるのでしょうか。
皆さん、是非ご期待ください。