井上ひさしのせりふの世界へ ~ちょっと、せりふに、会いにいく。

東京・新宿にある紀伊國屋画廊にて、井上ひさし「せりふ」展が8月28日(火)まで開催されます。

2012年を通して開催中の"井上ひさし生誕77フェスティバル2012"のもうひとつの顔である井上ひさし「せりふ」展。
井上ひさしが綴りつづけた70作におよぶ戯曲の中から切り取られた77個の「せりふ」を展示。劇場で観る、聴く「せりふ」とはまた違う、井上ひさしの「せりふ」の楽しみ方がここにあります。
切り取られた「せりふ」の断片を、聴く、観る、さらに心に響く「せりふ」を探す。
生前井上ひさし自身が「自分の大事なメッセージを話し言葉のなかに笑いとともに忍び込ませたい」と語っていたように、丁寧に額装された「せりふ」が壁一面に展示され、そのひとつひとつに井上ひさしのメッセージが込められています。
さらに今回の展示では目で見るだけでなく、「せりふ」を"音"で楽しむことができます。
これまでに井上ひさしの舞台に出演してきたさまざまな役者自身による「せりふ」の数々
がスピーカーより流され、会場を井上ひさしの「せりふ」の世界へ引き込んでくれます。

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<井上ひさしの言葉より>
美しい日本語というのは普通の言葉でいいんです。日常使っているようなごくありきたりな言葉でも、その言葉のもつほんとうの力を戯曲のなかで発揮させることができれば、その局面においては、それが美しい日本語になるということです。
――『話し言葉の日本語』(小学館刊)より抜粋

井上ひさしを知らない方、演劇に触れたことのない方でもふらりと気軽に楽しんでいただけます。自分の心と照らし合わせながら、ごゆっくりと「せりふ」をお楽しみください。なにか、心の中に、新しい感情が芽生えるかもしれません。心のどこかにある、自分の感情と共鳴するかもしれません。この夏の思い出に、井上ひさしの「せりふ」を感じてみませんか。

■井上麻矢のコメント(こまつ座代表取締役社長・井上ひさしの三女)

「ちょっと、せりふに、会いにいく。」という言葉の通り、戯曲の中の77個のせりふが展示された空間に身を置いていただき、しばし、その時間を楽しんでいただくことができたならと考えました。
言葉の持つ魅力を堪能していただきましたならこの上ない喜びでございます。どうぞごゆっくりお楽しみください。


井上ひさし生誕77フェスティバル2012特別企画
井上ひさし「せりふ」展

会場:紀伊國屋画廊
(新宿区新宿3-17-7 紀伊國屋書店新宿本店4階)
入場料:無料
期間:8月16日(木)~8月28日(火)〈会期中無休〉
時間:午前10時~午後6時30分(最終日午後6時まで)
主催:株式会社こまつ座、有限会社井上事務所
77フェスティバル特設ホームページ http://inouehisashi77.jp
※展示されている額装「せりふ」は、すべて購入可能です。
額装「せりふ」1点5,000円(税・送料・振込手数料別途)

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<77フェスティバルとは>
2010年4月9日、井上ひさしは、少し永い、眠りにつきました。2011年11月16日に、77歳の誕生日を迎えることを祝い、2012年に喜寿のフェスティバルの開催を予定していました。
「それは、大変おもしろいね」と、井上ひさし本人も楽しみにしていたのです。
その想いを胸に、少し趣向を変え、生誕77年のフェスティバルとして開催させていただきます。
井上ひさしは、1969年の『日本人のへそ』から2009年の『組曲虐殺』まで、40年にわたり70作にも及ぶ戯曲を世の中に生み出しました。
1984年には自身の劇団「こまつ座」を旗揚げするなど、本当に演劇を愛した人でした。生前、とある詩を引き「悩みごとや悲しみは最初からあるが、喜びはだれかが作らねばならない。
この喜びのパン種である笑いを作り出すのが私の務めです」と語った井上ひさし。
その想いを受け継ぎ、舞台のチカラ、演劇のチカラで喜びを未来へとつなげていきたいのです。
蜷川幸雄、栗山民也、鵜山仁に加え、井上戯曲初挑戦となる長塚圭史。
名だたる演出家による、8作品を、一年を通じて、公演。名作は、喜びを、未来まで届けるのです。

<77フェスティバル 公演ラインナップ>
第1弾「十一ぴきのネコ」 1月10日~ 1月31日 演出:長塚圭史  出演:北村有起哉、山内圭哉 ほか

第2弾「雪やこんこん」2月19日~ 3月11日 演出:鵜山 仁 出演:高畑淳子、キムラ緑子 ほか

第3弾「闇に咲く花」4月19日~ 4月29日 演出:栗山民也 出演:辻 萬長、石母田史朗 ほか

第4弾「藪原検校」6月12日~ 7月1日 演出:栗山民也 出演:野村萬斎、秋山菜津子 ほか

第5弾「しみじみ日本・乃木大将」7月12日~ 7月29日 演出:蜷川幸雄  出演:風間杜夫、根岸季衣 ほか

第6弾「芭蕉通夜舟」8月17日~ 9月2日 演出:鵜山 仁  出演:坂東三津五郎 ほか

第7弾「日の浦姫物語」 11月10日~12月  2日 演出:蜷川幸雄 出演:大竹しのぶ、藤原竜也 ほか

第8弾「組曲虐殺」12月7日~12月30日 演出:栗山民也 出演:井上芳雄、石原さとみ ほか

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