現在、帝国劇場で上演中の『ルドルフ ザ・ラスト・キス』。
デヴィッド・ルヴォーによる繊細な演出で、日本初演版とはまったく違う魅力を放つ舞台になっています。
特に、真紅の舞台セットが印象的!
ちょっと、今までの日本のミュージカルにはない感じのスタイリッシュさです。
そんな舞台の裏側のあれやこれやを見ることができる「バックステージツアー」が7月20日に開催されましたので、今回はそのレポートをお届けします!
このバックステージツアーに参加されたのは、当日の抽選で当選された10名のお客さま。
もちろん10名全員参加です。
ツアーは楽屋口からスタート。
入り口すぐそばには、「着到盤」があります。
...いまだに皆さん、ローラースケートのお稽古されてるんですね。
舞台に上がると、劇中で最も印象的なセットと言ってもいいかもしれません、大階段とフランツ・ヨーゼフ像がお出迎え。そしてこの日の案内役・坂元健児さんが「今日の観劇は楽しんでいただけましたかー?」とご登場!「ウィーンで行われた『ルドルフ』のセットをほとんどそのまま持ってきています。が、このフランツ・ヨーゼフ像だけは日本で作りました」
「この大階段は、ウィーンで上演するときにイタリアの職人さんに発注したそうなんですが、イタリアの職人さんが張り切ってしまって、本気で作ってなんと3トンあります! 普通は舞台では、運びやすくなるべく軽く作るんですけどね...(笑)。スタッフさんが苦労されてます」
など、坂元さんが解説していきます。
フランツ・ヨーゼフ像、アップで見るとこんなかんじ。ちなみにプロデューサーさんによると、これらのセット、ウィーンから持ってきた時点で結構傷んでいて、修復・補強に新しく作るのと同じくらいのコストがかかったそうです。
そんな話をしているとサプライズゲストが!
ルドルフ役の井上芳雄さんです。お客さまも「...あ!え? きゃー!!」と一気にテンションアップ!
「すべてを知り尽くしたうちのターフェが、今日は皆さんをご案内します!」と井上さん。舞台上では火花を散らしているルドルフとターフェですが、実は裏では篤い信頼関係にあった!?
さて、バックステージツアーは続き、実際にお客さまが大階段の上にあがって、盆を回してみたり...(階段も結構な高さがありますが、『ルドルフ』では床自体が通常の帝劇の盆の上に組まれていてそもそも高いということもあり「かなり高いです。乗ると、目線が2階のお客さまくらいになる。高所恐怖症の人は無理ですね」と坂元さん)
舞台袖においてあるほかのセットを見たり...
袖にある早替えルームを覗いたり...
※こちらは女性用。※こちらは男性用。女性用の3分の1くらい...。「男性は、たまに中に入れない人もいます(笑)」と坂元さん。ホント?
坂元さん、内緒ですが○○さんがこのセットで転んだんですよ、とか、ウィーンのターフェは大きい方がやっていたので、僕がターフェの椅子に座ると実は足が浮いてしまうんです(笑)...などなど、裏話もたっぷり織り交ぜて解説してくれて、楽しいー!
袖に貼ってある香盤表を食い入るように見つめるお客さまたち。
その上にはモニター。ここには指揮者が映し出されます。
袖は全部似た感じなので、このように番号が振ってあります。ここは「2ソデ」です、と坂元さん。
斜めのラインは、ここから出るとお客さまに見えてしまう、ここから出ると演技エリアですよ、という線です、という解説に「へぇー」と声を揃えるお客さま一同でした。
後ろに見える灰色の部分は、実際の劇場の壁です。
『ルドルフ』は舞台セットが大掛かりなので、「舞台裏」がないんです、と坂元さん。
壁ギリギリまでセットが来ているんですね。
「下手にいる人が舞台の裏で上手に移動するときは、舞台の下の「奈落」を通っていくんです。普段は、『レミゼ』でも『ミス・サイゴン』でも、裏は自由に通れるようになっているんですが」と話していました。
舞台からセット越しに見る帝劇の客席は、こんなかんじです。
実際はこんなにきれいに鮮やかに客席は見えませんよ、と坂元さん。この時は客席にもライトがついていましたので、キレイに見えました。
上を見上げると、こんなかんじ。「柱も、客席からだと丸く見えるかと思いますが、半円なんですよ」と坂元さん。
こういったセットから、2幕冒頭でバーン!と落ちてくるアレ(舞台ご覧の方はわかっていただけますよね?)なども全部吊ってあるそうです。
高さは「●メートル、構造上は●階分」とのことでした。...かなり高い。お客さまからも「えー!!」と驚きの声が。
(ここ、2回目のバックステージツアーが終わったあとに更新しますね)
(追記→24メートル、8階分 とのことでした...高いっ!)
アレも実際、吊り下げてあるそうですが、高すぎて見えませんでした...。
ひととおり舞台裏を見たあとは簡単な質問コーナー。
プロデューサーさんによると、このあと小道具の一部は韓国(11月上演予定)に持って行くそうですが、韓国版はルヴォー演出ではないので、大道具はおそらく日本で破棄することになるそう。「...千穐楽にこれ(フランツ・ヨーゼフ像)も、抽選でプレゼントにしようか(笑)」なんて話も出ていました。
坂元さんの軽快なトークと、普段は見れない舞台裏を堪能されたお客さま方、みなさん楽しそうでしたよ。公演は7月29日(日)まで、東京・帝国劇場にて上演中です。
チケットはチケットぴあにて発売中!
バックステージツアーは、7月27日(金)にあとワンチャンスあります。
27日(金)の案内役は、青山航士さんとひのあらたさんが決定しました。