6月某日、『ルドルフ ザ・ラスト・キス』の稽古場に伺ってきました。稽古場に入ると、大きな回り舞台がどーん!と組まれています。このセットの組まれた稽古場に移って約1週間、というタイミングでの取材。
カンパニーは1幕中ほど、舞踏会のシーンを稽古していました。
演出のデヴィッド・ルヴォー。
なんかもう存在自体がものすごく素敵。
こういう色気のある人が、ああいう色気のある舞台を作るんだなあ、と納得。まず最初にルヴォーが、「このシーンはワルツの動きのほか、階段の昇り降りもある。そのあたりきちんと確認していきましょう」とキャストの皆さんに説明。
設置した大きな階段を回り舞台で動かしてみます。
結構な迫力ですが、実際の舞台ではこの階段、さらに高さのあるものになるそう。皆さん、端によってその様子を見つめています。
ちなみに舞台セットはこんなかんじになる模様。
模型をパシャリ。
赤い。そしてピカピカ。
繊細で、この模型もそのままインテリアになりそうな美しさです。
先日の顔寄せでルヴォーがルドルフのことを「端的に言うと"眠っている人"。非常にロマンチックな眠りに」と説明していましたが、井上さん扮するルドルフを観るとなんとなくその言葉の意味がわかってきました。
ひとりだけ別世界に生きている感じ。
こちらはその井上ルドルフと、ルドルフの妻ステファニー役の吉沢梨絵さん。
こちらはルドルフの父である皇帝フランツ・ヨーゼフ役、村井國夫さん。
人物造形だけじゃなく、見せ方にもこだわるルヴォー演出。
話をしているルドルフや英国皇太子、ドイツ皇帝ウィルヘルムを女性3人がダンスに誘いに来るシーンでは、ひとりが腕をとり、ひとりが男性のまわりを弧を描くように動いて手をとり...と動きにバリエーションをつけたりと、細部にまでこだわっていきます。
ちなみにこの舞踏会のシーン、センターで踊っている青山航士さん&舞城のどかさん、村瀬美音さん&美鳳あやさんのコンビがすごいことになっています。
これワルツですか?アクロバットですよね!?
と言いたくなります。ぜひ本番でチェックしてみてください!
写真は青山さん&舞城さんのコンビです。
すこし場面は進んで、一路真輝さん扮するラリッシュが、ルドルフにマリーを紹介するあたり。
ルドルフとマリーは、ワルツを踊る中で出会います...。
こちらはマリー・ヴェッツェラ役の和音美桜さん。ラリッシュ役の一路さん。
ラリッシュはルドルフのいとこで、マリーの友だちという役どころ。ふたりを結びつけるきっかけになる人です。このシーンでは、皆さんがワルツをくるくる踊りながら、さらに盆が回り、最後にルドルフとマリーが向き合うところでふたりがぴったりセンターの位置にくるように、盆の回るスピード、盆が回りだすきっかけ、さらには回す方向を逆回しにしたり、とルヴォーはじめスタッフが四苦八苦。
軽く10回は通したでしょうか...。
そしてルヴォーから衝撃の発表が。
「盆を回すことによって得るものがそうは多くないということを悟りました...」
これには一同、大笑いです。
結局盆は回さないことになり、
「よい教訓になりました、ご協力ありがとうございました」
と言うルヴォーも、苦笑しちゃっています。
こういう積み重ねで、舞台は出来ていくんですね...。
さて、先ほどから述べていますが、この日の稽古はワルツシーンが中心だったので、ワルツ不参加組のターフェ役、坂元健児さんはちょっと手持ち無沙汰なかんじ...。
膝を抱えて可愛らしい感じになっちゃっている坂元さんを激写。
最後にオフショットをまとめてどうぞ!
公演は7月5日(木)から29日(日)まで、東京・帝国劇場にて行われます。
チケットはチケットぴあにて発売中!
6月20日(水)に行われるスペシャルイベントのご招待も現在受付中です。ご応募お待ちしています。※受付は6月13日(水)10:00まで※