『カム・フライ・アウェイ』完全ナビ! vol.9

| トラックバック(0)

チケット情報はこちら

●トワイラ・サープが語る その2●

前回に続いて、『カム・フライ・アウェイ』の構成・振付・演出を手がけたトワイラ・サープのコメントを紹介いたします。


彼女は、フランク・シナトラの歌を使った舞台をこれまでにも多く手がけてきました。一番最初が、1976年の『ワンス・モア・フランク』です。

「デュエット作品でした。メトロポリタン歌劇場でたった2回の上演。アメリカン・バレエ・シアターのガラ公演で、ミハイル・バリシニコフと私が踊ったんです」

そして、チャンスは1982年にふたたび訪れます。

「今度は、私のダンス・カンパニー(トワイラ・サープ・ダンス)のために、7組のカップル用にデザインし直して上演しました。それが『ナイン・シナトラ・ソングズ』です。常にカップルのダンスによって展開する作品で、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのような、ハリウッド映画のスタイルを反映しました」

アメリカン・バレエ・シアターのために『シナトラ組曲』が作られたのは、その2年後、1984年のことです。

「ミハイルがギグで公演できるような作品を、との依頼があり、先の2作を凝縮したバージョンを作りました。1組のカップル(出演はエレイン・クドウとミハイル・バリシニコフ)が織りなす舞台ですが、ミハイルがソロで踊る場面も登場します。『ワン・フォー・マイ・ベイビー』という曲です。夜の社会で誤解されている孤独な男性、という設定も考えました」

そして、いよいよ2010年に『カム・フライ・アウェイ』の発表となるわけです。

「『ナイン・シナトラ・ソングズ』の7組のカップルが演じたそれぞれの人生や、『シナトラ組曲』のキャラクターを整理して生まれたのが、『カム・フライ・アウェイ』です。通常、ダンス作品の場合、物語の時や場所を設定しなくても成立するんですが、『カム~』に関しては、演劇作品のように、"いつ""どこで"というのを明確にしようと思いました。それで、ある夜のクラブでの出来事、ということに決めたんです。また、各キャラクターはどんな性格の人物なのか。『ナイン~』では登場人物に名前がありませんでしたが、今度は役名も考えたんです」

主に4組8人の男女が、物語を担います。

「たとえば、マーティーというキャラクターは、『マーティ』という映画でアーネスト・ボーグナインが演じた役がモチーフになっています。女性と恋に落ち、永遠に幸せになりたいと願うのですが、周囲は彼らに嫉妬して、なんとか引き離そうとする。別れてはよりを戻す、という状況を繰り返します。一方で、シドとベイブというキャラクターには、シナトラとエヴァ・ガードナーの夫婦関係が反映されています。双方が大スターであったため、自分こそが話題の中心でありたかったふたりです。劇中で、別々に登場した彼らが、エンディングでどのような関係になっているのか。まるでゲームを見る感覚です。簡単に物語を説明するならば、誰が誰とやって来て、誰が誰と帰っていくか、それだけです」

twyla_0608_1.jpg(C)Shino Yanagawa

以上のキャラクター設定や物語展開を支えるのが、シナトラの歌です。どのように選曲されたんでしょう。

「シナトラは40年以上の間に1000曲以上の録音をしているのですが、そのうちの多くを聴いて、ベスト・パフォーマンスを選びました。その一方で、カップルのダンスと噛み合う曲でなければいけないし、アップテンポの曲とスローな曲をバランス良く構成しなければなりません。また、歌詞や歌がシチュエーションやキャラクターをサポートしてくれるという観点でも選曲しました」

未発表音源も使用されています。

「『Stardust』はオーケストラと一緒に録音されたものだったのですが、それに手を入れてア・カペラに加工しました。カナダのロッキー・マウンテン警察の科学捜査班の協力のおかげで実現できたんです。彼の娘のナンシーは、『カム・フライ・アウェイ』が開幕したときにこれを聴いて、感激で泣き出してしまいました。シナトラのア・カペラを聴いたのが初めてだったようで」

最後にサープは、日本の伝統芸能に関心があると話してくれました。

「私にとって、演劇的に強い影響を与えてくれたのは、歌舞伎です。まず、舞台への登場や、退場のインパクトが素晴らしい。ほかにも、舞台の設営の仕方、ゆっくりした動作、道化役が出てくるタイミング、舞台転換の早さ、特殊効果、笑いの感覚、観客をまやかす手法など、どれをとっても魅力的です。美しいと思うのは、その正確さです。舞台上のあらゆる物に意味があり、その置き場所、色、きめ細かさなど、すべてが計算されている。その美意識は、私たちの舞台にも大きな影響を与えていると思いますね」


****************

最後に、『カム・フライ・アウェイ』の関連TV番組情報です。

・番組名    『イベ検』
・放送局    テレビ朝日
・放送日時   6月10日(日)朝4:00~

綾戸智恵さんがフランク・シナトラゆかりの地を訪れ、『カム・フライ・アウェイ』を観劇した様子が紹介されます。
お楽しみに!

チケット情報はこちら


トラックバック(0)

トラックバックURL: http://community.pia.jp/mt/mt-tb.cgi/6003

前の記事「『ルドルフ ザ・ラスト・キス』スペシャルイベントに4人のルドルフが登場!」へ

次の記事「『ルドルフ ザ・ラスト・キス』稽古場レポート」へ

カテゴリー

ジャンル

カレンダー

アーカイブ

劇団別ブログ記事

猫のホテル

文学座

モナカ興業

谷賢一(DULL-COLORED POP)

劇団青年座

劇団鹿殺し

 はえぎわ

柿喰う客

ONEOR8

M&Oplaysプロデュース

クロムモリブデン

演劇集団 円

劇団チャリT企画

 表現・さわやか

MONO

パラドックス定数

石原正一ショー

モダンスイマーズ

ベッド&メイキングス

ペンギンプルペイルパイルズ

動物電気

藤田記子(カムカムミニキーナ)

FUKAIPRODUCE羽衣

松居大悟

ろりえ

ハイバイ

ブルドッキングヘッドロック

山の手事情社

江本純子

庭劇団ペニノ

劇団四季

演劇チケットぴあ
劇場別スケジュール
ステージぴあ
劇団 石塚朱莉