現在、帝国劇場では『エリザベート』で大いに盛り上がっていますが、
その後、7月公演はその『エリザベート』とも縁の深い『ルドルフ ザ・ラスト・キス』が上演されます。
『ルドルフ ザ・ラスト・キス』はエリザベートの息子、皇太子ルドルフが主人公。
『エリザベート』ではわずか15分程度でありながら観客の心をガッツリ掴むルドルフの物語が、こちらの作品ではたっぷり全編にわたって語られています。
絶対主義的統治を信じて疑わない父、フランツ・ヨーゼフに対立し、自由と平等を求めるルドルフ。
妻との関係も冷え、孤立する彼は美しい男爵令嬢、マリー・ヴェッツェラに惹かれていく...。
映画『うたかたの恋』でも知られる、ルドルフとマリーの悲恋を中心に物語は展開します。
今回上演されるミュージカルは、日本でも人気のフランク・ワイルドホーンが音楽を手がけた作品。
日本では井上芳雄主演、宮本亜門演出で2008年に初演されていますが、
今回は主演の井上さんはそのままに、2009年にウィーンで上演されたデヴィッド・ルヴォー演出の新バージョンで登場です。
3月に行われた会見の模様はコチラ。
その『ルドルフ ザ・ラスト・キス』の顔寄せが5月28日に行われました。
顔寄せとは、稽古はじめに関係者一同が顔をあわせるイベントです。
...稽古はじめ、といってもそれまでにもキャストの皆さん、それぞれレッスンを積んでいるわけなのですが(今回は某遊園地でローラースケートの稽古、なんてものもあったそうですよ!)。
こちらは主人公、ルドルフ役の井上芳雄さん。
井上さんはデビューが『エリザベート』のルドルフ役だったこともあり、ルドルフとは縁が深い、と自らも公言しています。
そんな"当たり役"にふたたび挑む彼に注目。
今回は演出がルヴォーということもあり、外国のスタッフも多いことから、皆さん胸に「どう呼んでほしいか」をアルファベットで書いてありました。
...なのですが、「YOSHI」と自己申請した井上さん、早々に周りから「芳雄でいいんじゃん」「YOSHIOの方がいいよね」と言われてしまい「...考えます!」と苦笑。
男爵令嬢マリー・ヴェッツェラ役の和音美桜さん。
井上さんとは『三銃士』でも恋人役でした。
こちらはルドルフの妻、ステファニー役の吉沢梨絵さん。
元劇団四季の吉沢さん、帝国劇場はこれが初出演ですね。
オーストリア宰相ターフェ役の坂元健児さん。
ターフェ、敵役というと少し違うかもしれませんが、ルドルフとは対立する役なので、明るい役どころが多い坂元さんがどう演じるのかも楽しみ。
マリーの友人、ラリッシュ伯爵夫人役は一路真輝さん。
一路さんも帝劇は久しぶりです。
ルドルフの父、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフは村井國夫さん。
作中では厳格な皇帝ですが、ルヴォー演出作品への出演経験もある村井さん、色々とジョークも炸裂させ場を盛り上げていました。
ルヴォーにも「(演じるにあたって)生き生きと演じてほしい。"いい子"でいないでください。...村井さんはもう少し"いい子"になってもいいかもしれませんが(笑)」と言われる始末。
村井さん、胸に「くにお」とひらがなで書いてあるのも可愛い。
そして、演出はウィーン版同様デヴィッド・ルヴォーです。
ウエストエンド、ブロードウェイはじめ世界各国で活躍、日本でもTPT作品をはじめ、数多くの作品を手がけています。「ウィーンでやったものの真似をしてほしいとは思いません。皆さんがやる、ということですでにウィーン版とは違う。それは日本のカンパニーだから違うのではなく、皆さん一人ひとりだから違うのです」
「最初にこの作品を日本で、と訊いた時、この作品だからこそ日本でやるのが面白いと思った。単純に、帝国がありそれに反発する若い世代がある、しかも恋仲である若いふたりが心中する。歌舞伎によくある構図で、これほど日本的なものはあるでしょうか!(笑)」
「この稽古のあいだ中皆さんに問いかけることは、あなたの演じている人物は、世界に、あるいは相手に対し、何を信じて相対していますか、ということ。"この物語のこの役柄を演じてください"ではなく、"その人物がこうだと信じてやっていること"を演じてほしい。それがうまくいったとき、お客さんが劇場から出た時、感動した、というだけではなく、何らかのエネルギーを受けて帰って行くと思う。"もっと生きる"、それこそが私たちの仕事です」
等々、熱く意気込みを語っていました。
公演は7月5日(木)から29日(日)まで、東京・帝国劇場にて行われます。
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↑井上さん、足ながっ!