■日本初演!『三銃士』の世界(1)■
今年で開場100周年の帝国劇場、7月後半から8月の夏休み期間に上演されるのは、ミュージカル『三銃士』。
オランダ、ドイツで好評を博したスペクタクルなミュージカルが、日本初上陸します。
この作品の製作発表が5月30日に行われました。
ニュースで配信した記事はコチラ。
げきぴあでは、『レ・ミゼラブル』に続き、この『三銃士』も追いかけていきます!
第一回は、会見の詳細レポートです。
この日の会見は、井上芳雄扮するダルタニャンのナンバー「今日がその日」の披露からスタート。
疾走感あるキャッチーなナンバーで観客の心を一気に掴みそう!
井上さんは「帝劇100周年の記念の年に、この『三銃士』で素敵な役をやらせていただけることをとても嬉しく思っています。僕の役は三銃士にあこがれて突き進んでいく青年の役。若さをみなぎらせて頑張りたい」とご挨拶。
またワイルドな役はあまり経験がなく「僕本人とはだいぶ隔たりがある(笑)」とのことですが、「ワイルドな諸先輩方がたくさんいらっしゃいますので勉強したい」と共演の方々を見渡しながら言っていました。
そのダルタニャンが憧れる"三銃士"、アトス、アラミス、ポルトスには、橋本さとし、石井一孝、岸祐二。
この3人+ダルタニャンは漫才のような掛け合いで...。
「井上芳雄君からは役柄だけじゃなく、人間的にも憧れられていると自負しておりますが...」という橋本さんには速攻、井上さんから「そんな覚えは全然ないんですが」とツッコミが。
石井さんは「アラミスは原作では22・3歳。"若さをみなぎらせて"(笑)、頑張りたいと思うんですけど......22・3歳だって(笑)」と笑い出してしまいました。
ちなみに「他のふたりには負けないぞ、というところは?」という質問では、
橋本さんが「身長と年齢。...もう殺陣の稽古に入っているんですが、正直キツいんですよ~。でもやはり彼らよりも長く立回りもやってきたので、決めるポーズは決めていきたい」。
石井さんが「声の大きさですね!今も歌稽古で"声がデカい"っていうダメだしがでるんです」。
そして岸さんが「いやぁ、このふたりには勝てないでしょう! 顔の濃さも勝てないですしね(笑)」。
といったところで橋本さんから「十分濃いやん!」。
そんなツッコミを受けつつも、岸さんは「でも勝ち負けというより、結局このふたりをフォローするのは僕じゃないかと思っています...」と締めていました。
謎の女性・ミレディ役は瀬奈じゅん。宝塚トップスターとして活躍した後、エリザベート、アンナ・カレーニナと続けてタイトルロールを演じています。
「私自身、謎の女とか悪役、悪い女というのが初めてなので、楽しみにしています」と瀬奈さん。
また、「宝塚を卒業してからずっとダブルキャストだったので、シングルで演じるということも楽しみ」とのこと。
ちなみに現在、三銃士の3人と瀬奈さんはすでに殺陣の稽古に入っているということで、
岸「現段階では、残念ながらいちばんうまいのは瀬奈さん」
石井「カッコイイんだよね~!」
橋本「殺陣稽古が終わって男性陣が立てない状態の中、瀬奈さんは"お疲れさまでしたー"って爽やかに帰ってますからね」
岸「僕ら、着替えてもいないのに、瀬奈さんはさっさと帰れるくらい全然疲れてないんです!」
という話も。
そして「そんなことないですよ、私が着替えないとみなさん着替えられないと思って気を遣って一生懸命やってるんです」という瀬奈さんに、さらに井上さんが「気を遣う余裕まであるんですね!」。
謙遜していた瀬奈さんも最終的には「こんなに(剣を)ふりまわすのって楽しいんだ! って思っています」と話していました。
井上さんはまだ殺陣稽古に参加できていないそうですが、そんな壮絶(?)な稽古が繰り広げられていることを訊いて「ほんと、行きたくないです...」という本音も?
権力の亡者・リシュリュー枢機卿役は山口祐一郎。
「三銃士とダルタニャンの若さ、魅力的な人間性を際立たせるために、そういったものがまったくない役を(笑)、一生懸命頑張って演じたいと思います」
とご挨拶。
最後に、井上さんがこの公演は東日本大震災のチャリティ公演として収益の一部を日本赤十字を通し被災地に送ること、この作品で謳われる「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」というテーマは今こそ心に留めたいメッセージで、この時期にこの作品を日本で上演するのは運命だと思い、精一杯演じたい、というまじめなご挨拶をし、会見を締めていました。
その後に行われた囲み取材ではまたまた掛け合いモード。
三銃士の3人のキャラクターのうち、自分は誰タイプだと思いますか?という質問に、「僕はそのまんまポルトスだと思います」という岸さん、「ロマンティストなところ(アラミス)はありますね。勉強も好きなのでインテリ(アトス)でもいたいので、ふたりを合わせたかんじ」という石井さん。
そして橋本さんは「(自分の演じる)アトス、と言いたいところですが、自分は知性的というよりは本能的なのでポトフ...」
で、岸さんが「誰がシチューや!」
...3人の銃士がトリオ漫才に見えてきました...。
また紅一点の瀬奈さんに訊いた、役柄的に好みのタイプは?という質問では、「アトス。...役柄的に」と答えた瀬奈さんに、橋本さんは大喜びしながら「じゃあ僕が自分をアトスに近づけていくしかないですね」。
そして「公演も長いですし、地方公演もありますから、ひょっとするとひょっとしますね!」と井上さん。
キャストも和気藹々とした雰囲気で、『三銃士』、楽しくなりそうです!
ミュージカル『三銃士』、チケットは現在発売中です。