■『レ・ミゼラブル』の魅力(9)■
現在上演中の『レ・ミゼラブル』、今回は日本初演から24年続くロンドンオリジナルバージョンでの演出が最後ということで、毎日熱いステージが繰り広げられています。
また、今回は帝国劇場開場100周年を記念して、初演キャストらが出演する公演も実現。
そんな〈スペシャル・キャスト公演〉が、5月10日(火)から始まりました。
スペシャル・キャスト公演、冒頭のツーロンの徒刑場のシーンから大迫力なのは、前回掲載しました演出補・鈴木ひがしさんのインタビューでも語られた通りですが...
パンを盗んだ罪で19年牢獄にいるジャン・バルジャン:今井清隆と、刑事ジャベール:鹿賀丈史はのっけから火花を散らします。
鹿賀さんのジャベールはなんというか、ものすごい威圧感!
今井さんのバルジャンも、5月10日が初日でした。
なお、〈スペシャル・キャスト公演〉のバルジャンは今井さんの回と別所哲也さんの回があります。
銀の食器を盗み捕らえられたバルジャンに、銀の燭台を与え人間のあり方を説いた司教。
司教役は初期から本作に参加している林アキラさん。『レ・ミゼ』参加は2001年以来です。
ちなみにここのバルジャンが改心するシーン、それぞれの俳優さんの個性がよく出て面白いシーンです。
時は流れ、名を変えたバルジャンは市長となり地位を確立しています。
バルジャンの工場で働くファンテーヌはあることから工場を追われ、娼婦へ身を落とし、病に倒れ...。
ファンテーヌは初演キャスト、岩崎宏美。
ファンテーヌの娘・コゼットは宿屋を営むテナルディエ夫妻のもとでこき使われています。
テナルディエ夫妻は、こちらも初演キャスト、斎藤晴彦&鳳蘭。
斎藤さんは2005年、2007年のスペシャルキャスト公演にも出演されていますが、鳳さんは本当に初演以来ぶり!
物語の中で"悪役"というべき立場を担っているテナルディエ夫妻ですが、客席から笑いと手拍子が起こるのも彼らのナンバーだけ、というのも『レ・ミゼラブル』の面白いところ。
10年後のパリ。
テナルディエ夫妻のもとからコゼットを引き取ったバルジャンは、この地で再びジャベールに出会う。
またカフェではアンジョルラスをリーダーとした学生たちが政治集会を開き、そのひとりであるマリウスはコゼットと恋に落ち、テナルディエ夫妻の娘エポニーヌは、そんなマリウスに思いを寄せて...。
アンジョルラスは1994年~2001年にこの役を演じていた岡幸二郎。
マリウスは1997年~2001年に演じていた石川禅。
ふたりとも、現在はジャベールを演じています。石川さんは5月7日まで、岡さんは5月8日までジャベールでした。
1幕ラスト、『ワン・デイ・モア』のシーン。
2幕です。
革命を夢見る学生たちは街にバリケードを築いている。
マリウスに頼まれ、コゼットに手紙を届けたエポニーヌは、バリケードに戻るところで撃たれて命を落とす...。
エポニーヌ役は初演キャストの島田歌穂。
島田さんのエポニーヌは、もう、ほんとにエポニーヌそのものですね...。
銃撃戦の末、バリケードは陥ちる。そんな中バルジャンは負傷したマリウスを助けコゼットのもとへ帰す。
やがてマリウスとコゼットは結ばれるが、過去の罪からバルジャンはふたりの前から姿を消して...。
『レ・ミゼラブル』の歴史の重みすら感じられる〈スペシャル・キャスト公演〉。
冒頭で鹿賀ジャベールがスモークの中から登場するところ、そして島田エポニーヌ、岡アンジョルラス、石川マリウスが一気に登場するパリのシーン...etc、etc。
何度も鳥肌シーンがあります!
これは見逃すともったいないですよ。
公演は6月12日まで、チケットも残り少なくなってきました。皆さんお早めに!