●ヒラノの演劇徒然草●
4月8日、ミュージカル『レ・ミゼラブル』のプレビュー公演が開幕しました。
100周年の帝国劇場、やっぱり"東宝ミュージカル"の代表格のこの作品がないと! ですよね。
今回はその記念すべき年の上演というだけでなく、日本初演から続いていた"ロンドンオリジナル版演出"での上演が最後になるとのことで、ファンからの熱い視線が向けられています。
開幕に先立ち4月7日には、公開舞台稽古と出演者による会見も行われました。
会見に出席したのは、山口祐一郎、岡幸二郎、知念里奈、中山エミリ、森公美子、加藤清史郎の6名。
今回もニュース+αをげきぴあにてレポートいたします。
出演者のひとりである森公美子さんが被災地・仙台の出身ということ、また、もともと『レ・ミゼラブル』という作品が、人が自由に、尊厳を持って生きるという重厚なテーマが流れているだけに、みなさん、今回の震災と切り離して考えられないようで、会見も震災のことに話が集中しました。
「避難所などで、大変な思いで日々を耐えてる方たちに少しでも私たちの思いが届けばいいなという気持ちです」と話したのはジャン・バルジャン役の山口さん。
ジャベール役の岡さんも「同じ気持ちです。わたしたちはこういうエンタテイメントを仕事にしておりますので、皆さんが元気なれるように発信できれば」。
ファンテーヌ役の知念さんも「大変な時ですが、この作品は、たくさんの人に勇気を送ることができると信じています。チーム一丸となって出来ることをやりたい」とコメント。
そしてふるさとが被災し、ご友人を亡くし、「(震災を)身近な思いで感じています」と語る森さんは「私たちがやれることはやっぱり、芝居を通して皆さんに元気を与えることなので、今この舞台で、この作品で、何か力をあげられれば」と涙を拭きながら話していました。
休演日の5月2日には、全出演者、全オーケストラメンバーのボランティアで「東日本大震災 チャリティー・コンサート」が開催されることも急遽決定。
こちらには、今回のカンパニーの皆さんのほか、スペシャルキャスト公演の皆さん、さらに初演(1987年)コゼットの斉藤由貴さん、初演マリウスの野口五郎さんも出演!
このチャリティー公演に対しては「わたしたちは演じる以外何もできない。でもわたしたちの思いがひとつの形にできたらと思いまして、出演者、スタッフ、オーケストラ全員、自分たちが何ができるかを考え、チャリティーコンサートをやる、ということになりました。これは全額を被災地へ日本赤十字社を通じて寄付します。みなさまのお力をお借りできればと思います」と山口さん。
森さんも「本当にありがたいですね。皆さんのメッセージは被災地の皆さんを本当に元気づけてます。時々、"○○さんが○○と言っていたのを(メディアで)見た、ありがとう"って(地元の友達から)メールがくるんですよ」と話していました。
また、そんな中でも、ガブローシュ役で初舞台を踏む加藤清史郎君に話題が及ぶと、出演者の皆さんの顔にも笑顔が。「(オーディションを勝ち抜いて出演できて)すごくうれしいです。大丈夫かな、という不安はほんのちょっとあるんですけど、自分のできるガブローシュをやりたい。(練習は)たくさんしてます!」と清史郎君。
山口さんが「サイズはショートかもしれませんが、持っているエネルギーとパワーはすごい」と話すなど、共演の皆さんが口々に絶賛すると、「すごくうれしいです...」とはにかんでいました。
ちなみに清史郎君も「節水と節電とを、なるべくしてます」とのことでした。
いよいよ明日・4月12日(火)が初日です。
公演は6月12日(日)まで続きます。チケットは現在発売中です。